第36話 魔装
「なぁメイ」
「なんでしょうご主人様」
「思いついたことがあるんだけどさ」
「突然ですね」
「未来の俺がメイに魔力を扱うコツを教えたら今それ聞くことって出来たりする?」
「うーむ…多分出来ると思いますよ」
「良し未来でコツを教えるって今決めた。どう?」
「バッチリです」
「やったぜ」
何でも思いついてみるもんだな
「再生する時に魔力を込めて形を変えるイメージをするとの事です。それの応用で腕に双星の陰〇師の焔〇堂ろくろの技みてぇなのも出来るようになるとも言っておりました」
カッコ良さの極みみたいなあの腕になれる…?
「テンション上がってきたな」
「頑張ってください。時間はそんなにかからないと思うと仰ってましたよ」
「なるほろろ」
じゃあまず右腕を破壊して…再生させるこの時に魔力を込めて形を想像していく…
ドロッ
「1発OKにはならんかったかぁ」
「失敗したら再生せず溶けるんですね」
「まぁもっかい再生しようとしたら多分戻る…うん戻ったな」
「失敗の原因は分かってるんですか?」
「イメージ不足かなぁ…再生速度が上がりすぎてイメージが固まりきらんかったな」
「最初にどんなのにするかある程度決めておくのが良さそうですね」
「そうだな」
─数分後
「よし決まった」
「おー」ぱちぱち
「ふっそこで見ときなメイ」
そう言って腕を溶かして再生させていく
破壊するよりもこの方がグロくないかなと思っての配慮だ。流石俺、配慮完璧だな
再生した腕は禍々しさを前面に押し出したらようなデザインの装甲で覆われていた
「どうよこれ、今は右腕だけだけど恐らく左手も出来る」
「何でそんなに禍々しいデザインを起用したんですか?」
「考えれば考える程ろくろの腕が頭に過ぎって…まんまにする訳にもいかんから禍々しさを強調しようと」
「その腕にして何が変わるんですか?」
「良くぞ聞いてくれたなメイ。体感でしかないが5倍くらい腕による攻撃が強化された気がするんだよな」
「とんでもない倍率ですねそれは…なんでご主人様はどの世界線とも違うルートを全力疾走するんですか?」
「そんな言われるほど狂ってるかね俺…ちなみに呪術的な縛りも何故か結べたからこの腕にゃ縛りもかけられている」
「もうツッコミませんよ…どんな縛りなんですか?」
「禍々しいデザインと使ってる間魔力を吸い続ける縛りで戦闘開始30分後以上で特定のワード言ったら3段階くらい強化されるようにした」
「何を目指してるんですか…?」
「最強の生命体」
負けるの嫌いだし
いつかは師匠に勝ち越したい
この腕使ってようやくダメージ与えれるかなくらいだけど
「次は足だな」
「えぇ」
足はデザイン腕と一緒にして縛りも同じの使お
それ以外の部位だと…うーんそもそも結構魔力食うんだよなぁこの形態…後で名前付けよ
後は目だけだな
脳強化してもあんま恩恵は感じれなかったから目を強化しよう
そんな事を考えながら両足を溶かしやってなかった左手も溶かしてから再生させて禍々しくする
「どんなん?」
「上だけの狐のお面つけた禍々しい何かですね。袴を着てるのが化け物感を増幅させてます」
「そんなに?」
でもこの形態めちゃくちゃ強くなってんのよなぁ…しかもイメージが完全に固定させちゃったし…まぁなるようになるだろ
「この形態の名前考えるの手伝ってくれん?」
「私のネーミングセンスが火を吹きますよ」
「頼んどいてなんだけど凄い不安」
─1時間後
「魔装で良いかもう」
「えー安直じゃないですかー?ラグナロクオーバースタイルにしましょうよーかっこよくないです?」
「ゴテゴテし過ぎだし正直ダサい。安直でいいなって思ったこれ聞いて」
「えぇー」
まぁ別にこの形態なるだけなら魔装なんて声に出す必要も無いしなぁ
ラグナロクオーバースタイルでもまぁ…うん、だとしてもやだわ
とりあえず魔装を解き元の状態に戻る
「コツは掴んだし目は明日にしようかなぁ…急ぎすぎもアレだし」
「ぶっちゃけ魔装で戦力増強完璧ですしね」
「魔装使ってた時感覚で分かったけどもっと面白いことも出来そうだったからな」
「ご主人様の面白いはあんまり信用が…まぁ見ますけども」
「明日を楽しみにしてな。いっそ師匠とイクシオンにも見せるか」
「あの禍々しいもの見せるんですか?」
「別に引かれんやろ。多分」
「確証持ちましょうよ…」
「だってそんぐらい禍々しいし…」
正直禍々しさもあるし何処か冒涜的でもあるんだよね。なんでなん?潜在意識?潜在意識クトゥルフ神話の連中に汚染されてる?
「この応用で恐らく部位を再生する時に形を自由に変えれるはず」
「ふむふむ」
「ようやく胸の穴を埋められるかもしれん。真菰の病みを少しは晴らせるかもしれんぞこれは…」
「応援してます」
一旦胸だけ…はまだキツいか、一旦頭から下全部溶かして…
「1面血の海ですね…」
「すまんすまん」
再生させる時に胸の穴を埋め…埋め…
「埋めれねぇ…」
「駄目だったんですか?」
「駄目だったよ……ちなみに未来の俺は胸に穴って…」
「今のままだと空いたままですね」
「ガッデム!」
俺は未来を変えてやる!真菰のために!
「まぁもう1つの目的は果たせたから」
「もう1つの目的…まさか!?」
「そう…俺の愚息がようやっと大きいレベルになったんだよ!前まで馬鹿が考えたサイズだったのに!」
「ようやくですね…」
「本当にここまで長かった…」
どちらの目尻にも薄らと涙が浮かんでいる
「まぁ別に大きいサイズになったからなんてことな…メイ?」
「すみませんご主人様…堪え性のないメイドをお許しください…私はもう限界なんです」
あっ駄目だ完全に目が据わってる
食われる(迫真)
「朝まで楽しみましょうね♡ご主人様♡」
眠れない夜になりそうです
「はわわわわ」
そんな声が何処かで聞こえた気がした
──翌日
「流石ご主人様です」
「嬉しくねぇな今だけは」
「あんなに屈辱を感じさせてくれるなんて…やはり貴方様しかいません私のご主人様は」
「なんで俺の周りこんなドM多いの?」
性格キツイドSよりかは全然嬉しいけど
性格キツイ奴だと多分萎えるし多分殴っちゃうんだよね。人殺しになっちまうよ
「まぁさっさと着替えて2人と合流するか」
「そうですね」
「ごめんごめんお待たせー」
「すみませんお待たせしました」
「いえいえ全然待ってないですよ!」
「えぇ…全然…はい」
「どしたの?イクシオン。眠れなかった?」
「いえそんなことは…ただちょっと…その…」
「?」
「なっ、何でもないです」
「変なのー」
イクシオン凄い顔赤いけどもしかして見られてたか昨日のやつ
…昨日の声って幻聴じゃなかったのかぁ
反応的に胸の穴は見られてないのかな
見られたら何か言われるかもだし
「まぁいいや。今日はよろしくね!リョーマ!」
そう言って師匠が俺の胸に飛び込む
そうそう今日は師匠の日で…ん?
何で真剣な表情になってんだろ師匠
「なんでリョーマ胸に穴空いてるの?」
あっ
────────────────────
カァッ(モチベに繋がるので感想や星ください)
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