第32話 魂の知覚とシンプルに狂人

「ふむもう朝ですか…ではそろそろイクシオン様も起きると思うので私は状況説明をしてきます。目覚めてすぐにこんな状況を見たら困惑されてしまうので」

「もう正座はやめて良かったり…?」

「しません。もう少しそのままでいてください。それとご主人様」

「なんでございやしょう」

「今度1つお願い聞いてくださいね?」

「はい…」


そう言いメイはイクシオンの所へ向かう


「師匠のせいっすよ…」

「うぐぐぐぐ…ごめんなさい」

「てか師匠強かったですねぇやっぱ」

「伊達に旅してないからね。それを言うならリョーマも凄いね。刀使う意味無かったと思うけど」

「いや急に実戦させてきた師匠のせいだよ俺刀握ったとねぇのに」

「そうだったの?それにしてはいい一振りだったよ」

「それは嬉しいですね」

「最後のもびっくりしちゃったなぁ…痛くないの?」

「びっくりってあんた…咄嗟に後ろに顔逸らしてダメージ最小限に抑えたくせに何言ってんだ。痛くはありますよ慣れただけです」


完璧に決まったと思ったんだけどなぁ

あのままだったら完膚なきまでにボコされてただろうなきっと、止めてくれてありがとうメイ


「痛みに慣れるって言っても少しは怯みそうだけどなぁ」

「そこはまぁ気合いですよ」


ずっと全身に溶かされる痛みとか潰される痛みとか斬られる痛みとか走り続けてるから今更少し増えても気にしないってか出来ない


人間辞めまくってんな本当に


「まぁこれからは迅雷の歩法教えて刀の基本的な部分教えていくね」

「そうしてください」



──しばらくして


「じゃあ行こっか!」

「目的地とか決まってるん?」

「ここから結構行った所に人里があるからそこで情報収集するつもりだよ」

「了解」

「面倒事起こさないでくださいね?」

「一夜にしてイクシオンからの信用失っちまった」

「当たり前です」


悲しいね


「まぁ歩いて向かうから各々好きなことでもやりながら進んで行こう!」

「おー」


好きなこと…好きなことか、魂の知覚でも試してみるか


「ちょっと今から俺グロテスクなことになるんであんまこっち見ないでください」

「えっ」

「それは…どう言う?」

「刀華様、イクシオン様あんま見ないようにしましょう。本当にグロいので」

「えっうん分かった」

「今後のことでも話し合いましょう一緒に」

「そうだね!」


よぉし皆あっち向いたな

んじゃら…ほい


パァン!


甲高い破裂音を上げ頭を消し飛ばす


んーやっぱり頭無いのにある程度の思考が出来るなぁ…脳も無いのに

やっぱり魂ってので思考してるんだろうな今

思考してる所に集中して見よう


「今凄い音しなかった?こうなんか破裂音と言うか…」

「見てはいけませんトラウマになりますよ」

「まじで何してんのリョーマは」

「もしかしてリョーマ兄さんってやばい人?」

「やばい人です」


ん?何か悪口言われてるか俺

聞こえはしないけど感覚で分かったぞ今

まぁいいや集中集中





………これかな


頭を消し飛ばしてからおよそ30分

ついに自分の魂を知覚出来た

こんなんなんやなぁ…魂って

人魂まんまだな形


知覚出来たし頭戻すか


シュルルルルルル


亜〇の再生方法見たいに白い糸のようなものが幾重にも折り重なり頭を構成していく


うーんやっぱ自分の目で見る景色が1番だな


この再生方法は自分の体を改造しながら再生出来ないか試した名残りであり、前の再生方法があまりにもグロかったためにこうした


ちなみに再生速度は今馬鹿みたいに速くなっているので基本糸は見えない



ふむ、頭を再生させても魂の知覚は可能と

他の人はどうなんだろ見れるんかな魂。…見てみるか、前のやつらの魂




……見えん!…まぁそんなすぐに使えるようになるものでもないよなこんな技術

練習あるのみやな


皆凄い真剣そうな顔で話してるし今度は魔力通す修行でもしよ



「ん?何か今見られた感覚が…」

「私もしましたね」

「私もなので恐らくご主人様が何かしたんでしょう。気にしないで行きましょう」

「気になるんだけど!?」




普段は魔力を全身や腕ぐらいにしか込めてなかったし足とか目とかに一旦込めてみよう


まずは足…まぁ想像通り脚力増強と感覚的にDEXが増加した気がする


腕はSTR、足はDEXで全身の場合は全部が満遍なく増えるけど魔力の消費が高い


まずこの魔力って何なんだろうな…何か勝手にこう読んでるけどMPとはまた違ったものを消費してる感覚があるし…まぁいいかどうでも


次は目に…おおっすげぇ前のやつらの一挙手一投足に至るまでが細かに見える

あれかな?恐らく動体視力と純粋な視力の強化かな?遠くの方も見えるようになってるし


何で今まで試さんかったんだろうこれ

結構必須技術っぽいけど


次はどれだけの魔力を部位に込められるのかと出来れば俺の魔力総量でも図ろう


一旦いつものように腕に魔力を込めて…よしOK。ここから更に込めて行こう


込めれば込めるだけ当然だけど出力が上がって行ってる…ん?何か限界っぽいなここで


普段の2倍の魔力を込めた時もう魔力を込めることは出来ないと頭が理解する


だがそんな事はどうでもいいので無理やり更に魔力を込める


バァン!


爆発した

…爆発したんだけど俺の腕


どうやら許容量を超えると爆発するらしい

本当にごめん前のやつら、凄いビビらせちゃったかなこれ


取り敢えず腕を再生させてみると何故か少し魔力の許容量が増え、今まで通りの出力に必要な魔力量が少し下がっているようだった


魔力込めて爆発させた後再生したらこうなるのか?そう思い次は魔力を過剰に込め足を爆発させる


再生後想像通りに足も強化された


これは全身やるしかねぇって思ったけど全身爆発したら何処で再生するのか分からないんだよなぁ…一旦小分けにして爆発させて行こう


まずは頭以外の全て、血管や部位、内蔵含め全てを爆発させる


凄まじい轟音がした

こっちを見ようとする刀花をメイが全力で止めている。流石メイお前は最高のメイドだ

こんなことしといてなんだけどこんなん見たら目が腐る


次に体が再生してから頭を爆発させる。目や鼻、耳や歯、脳や血管全てに魔力を込める


どんどん成長して行く実感に嬉しくなりぼかんぼかん爆発させていると5回目の頭の再生

の後、急に意識が暗転して背中から倒れ込む


薄れゆく意識の中せめて魔力少なくなったら警告見たいなの出てくれないかなと思った




「何してるんですかご主人様…」

「なんか今倒れる音しなかった!?見てもいい!?見てもいいかなそっち!」

「このむせかえるような血の匂いを漂わせてる後ろの方を良く見たいと思いますね刀華」

「血の匂いなんて日常じゃんイクシオン」

「そのレベルじゃないでしょこれ!」

「ちょっとご主人様背負ってくるので少しお待ちください。…後で何してたか皆で問い詰めましょうか」

「そうだね!」

「聞きたくないなぁ…」


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カァッ(モチベに繋がるので感想や星ください)

カァッ(主人公最初は常識人のつもりだったのにいつの間にこんなイカレ野郎に)

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