第31話 イカれ技
「じゃあまずは私の使える3つの技の説明をしていこうと思うね」
「お願いします」
「まず初めに言っておくとこの技の郡は私の生来の体質とか魔法とかとはまた違った気とかを扱ってるから自分が上手く扱えるように改良して行ってね」
「ふむふむ」
完璧に技を覚える必要はないと
「だから今から刀華流の技を教えるけど改良して…そうだな朽木流とでも名前を変えて作ったら良いよ」
「了解です」
「て言うかリョーマは苗字があるけど未来では普通のことなの?」
「普通のことですね。苗字ない人は居ないですよ俺の時代は」
「凄い世の中になったんだねぇー。まぁそんな事は置いておいて、じゃあ技を教えていくよ」
「お願いします」
「最初の技は刀華流居合術『迅雷』。どんな体勢でもどんな場所でも納刀さえしていれば使える技だよ」
「どんな体勢でも?」
「じゃあ実践してみようか」
そう言って師匠はジャンプし近くにあった木に足をかけ逆さまになる
「まぁなんないけど例えばこんな体勢になった時でも納刀さえしていれば…」
シィィィィン!
「こんな風に居合を放てるって訳」
そんな声が後方から聞こえてくる
「凄い技ですねそれ…どんな体勢、どんな場所でも放てるなんて…しかも見えなかったし」
「名前の通りほぼ雷みたいな速度が出るからねこれで見えてたら教えがいがないよ」
凄いな…何も見えなかったぞ…
逆さまになりながら放った居合でこの速度が…え?覚えれるかな俺これ
「この技は特殊な歩法を使ってて空中だとしても地上と同じように走れるようになったりするから是非覚えて欲しい。応用するとこんな風に」
そう言った師匠はゆっくりとその場でジャンプし何も無い空中を蹴って空へと登っていく
「こんな風に空も走れるようになるからちょー便利だよ!」
「絶対覚えます」
便利すぎるなこの技…てかこの技を一から作ったのこの人。イカれてない?
イクシオンの口振り的に初代魔法少女だと思うんだけど別格すぎるな
「次の技は刀華流秘技『魂魄連鎖斬』だよ」
「どんな技なんです?」
満足したのか空中からアクロバティックに降りてきた師匠が話し始める
「この技は斬った対象と魂レベルで繋がってる…又は対象の分身や分体全てに同じダメージを与える事が出来る技だよ」
「…どんな経路でそんな技を?」
「あれは結構前の旅の時…信じられない数のネズミの怪異を戦ってる時だったよ」
「ふむふむ」
「最後に紹介する技で目につく範囲全てのネズミを斬ってもうじゃうじゃと際限なく湧いてくるし何なら斬れば斬るだけ増えてる感じでもあった」
「キツいっすねそれ」
「そんな時考えたんだよ。全部に1度に攻撃出来ないかなって。そう思ってからその技を編み出そうと試行錯誤を2日くらい続けてついに出来たのがこの技ってわけ」
「2日…?」
「この技出来たの戦い始めて5日目くらいだったんだよねぇ〜いや〜キツかった」
「凄いですねそれは」
5日戦う…?何それ俺キツいわそんなん
空腹と脱水で苦しんでも死ねないのが輪をかけてキツい
「この技を編み出してから近くにいたネズミを斬り裂いたら全部のネズミを一掃できたってわけなのだよ」
「おー」ぱちぱち
「ふっふっふありがとうありがとう。この技を扱う条件は魂の知覚が可能かどうか又それと繋がりのあるものを認識出来るかどうか。習得難易度が高すぎるからあまりおすすめはしない」
「魂の知覚…」
ふむ魂…ある程度は分かるな
例えば俺は頭が吹き飛んでもある程度の思考は可能な訳だし思考の大部分を司る脳がなくて何故思考が出来るのかと考えれば魂に行き着く
後で暇な時に頭吹き飛ばしてみるか
「最後に教える技は刀華流奥義『森羅万象斬』。鬼を倒した時に見せたと思うけどこの技は強いよ、奥義にして通常技だし」
「通常技だったんですかあれ」
「通常技の果てみたいなものだからねこの技は、放つのはとっても簡単ただ斬るだけ。だけど多分魂魄連鎖斬の方が習得はしやすいと思う。この技は斬りたいものを斬ることの出来る技、つまりは斬るものの選択と概念すらも斬り裂く技量が必要になる」
「難しそうですね」
「実際私もこの技を完璧に会得してるとは言い難いからね…まだまだ集中して放っても空間ぐらいしか斬り裂けないし」
「空間ぐらい…?」
「まぁまずは素振りとか刀使っての戦いを経験しながらちまちま覚えていこう」
「いえっさー」
「じゃあまずは私と全力で戦おっか!」
「え?」
「じゃあ私はこの木刀を使うから頑張ってね!」
「刀持たされてもさっきの技使える人と戦いたくないんですけど俺」
「じゃあ行くよ!」
「聞いちゃいねぇや」
まぁ見方によればこれはチャンスだ…まだまだものに出来ていない身体能力をフルに使える相手だし。てかそう思わないとやってられん
「じゃあ行くよ!迅雷」
パリッ…
見間違いか足の方に雷が迸っているように見えた
納刀中しか使えないって言ってなかったか!?なん…いやそうかあれ歩法としても使えるのか…ッ!
頬を撫でる空気の流れを感じ全力でその場から離脱する
「凄いね今のを避けるなんて!やっぱり鬼の時は何故か分からないけど手加減してたんだね!」
「結構ギリギリなんですけど俺!」
喰らったらただじゃすまないって本能が警鐘ビンビンに鳴らしてるんだけど!しかもそれでいて木とかには何の傷もついてないのが狂ってる!
「いつまでも逃げてちゃ何も変わらないよ?森羅万象斬」
「うわっと!」
「ほらほらーかかって来なさい」
完全に舐められてんなぁ…いやそりゃそうなんだけども…分からせてやりてぇよ俺…
だがしかし今の俺には万に一つの勝ち目もない。今もこうして降りしきる雨のように繰り出されるえげつない技たちに翻弄されっぱなしだ
いっその事肉も骨も切らせていいからぶん殴る事だけを考えるか
今残機無限みたいなもんだし
「おっ顔つきが変わったね…何かするつもりかな?」
「覚悟を決めただけですよ」
そう言ってから戦いが終わってから初めて自分から師匠に迫る
全身に魔力を込め身体能力その他もろもろを全力で強化し一歩で師匠に肉薄する
「良いね!速いよ!」
しかし近付こうと技なんて何も使えない俺の攻撃は簡単に流されるだろう。そもそもの俺の基本戦術力任せで大雑把だし
だが他に出来ることも無いし刀にも魔力を纏わせ血管がひきちぎれそうな程の力を込め全力で振り下ろす
「あ゙あ゙あ゙あ゙!」
「気迫は満点。だけどまだまだ足りない」
そう言った師匠の木刀に俺の渾身の一撃は受け流され木刀が振り下ろされる
「まずは一旦敗北を知ろうね」
そう言い凄まじい殺気と共に振り下ろされた木刀に体を切り裂かれ
この瞬間ただ1つを狙っていた俺の足が師匠の顎を捉える
「がっ!」
しっかりとダメージを与えたのを確認してから追撃を加えようと拳を握り、放とうとしたところで
「ご主人様ぁ?何やってるんですかぁ?」
見たもの全てがブチ切れてると分かるくらい素晴らしい笑顔のメイに拳を止められた
「あっ…えっと、これは…」
「私を見て離脱しようとしてる刀華様含めて…そこに正座してください。速く」
「「はい…」」
この後朝が来るまで説教された
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カァッ(モチベに繋がるので感想や星ください)
カァッ(戦闘描写ってやっぱり難しいね)
カァッ(星300ありがとうございます)
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