第30話 師匠

「えっどっどう言う…」

「どう言うも何も…なぁ?」

「これ以外言うことありませんよね」

「えぇ…?」

「ちょっちょっと待ってくださいね!」

「えっうん」


そう言うと刀花さんとイクシオンさんが向こうの方へ行きコソコソ何かを喋り始める


「人間って言った方が良かったかね」

「結局すぐバレるのでは?隠してた方が後々厄介な事になると思いますよ」

「だよなぁ…おっ」

「どうなされました?」

「猪見つけたからちょっと狩ってくるわ」

「かしこまりました。それにしてもここら辺他に動物いないんですかね」

「確かに」


まぁいいや肉肉〜

肉でも食いながら話したら信頼も得れるってきっと。俺なら物で釣ろうとしてんのかなってさらに疑うけど


「すみませんお待たせしまし…何してらっしゃるんです?」

「変な気配したのこれかぁ」

「おっおかえりお2人」

「猪を火にくべている所でございます。そろそろ出来るので少々お待ちください」

「肉でも食べながらまったり情報共有していきましょうや」

「怪しさしかないよね行動」

「でも裏切るなら裏切るで自分の本当の種族なんて言わないですよ。裏切って何か得することも無いですし」

「それはそうなんでしょうけど…」

「出来ましたよ」

「んじゃ食べるか皆で」


肉肉〜




───30分後


「未来から来たゾンビと時の神ねぇ…」

「にわかには信じ難いと言いますか…」

「正常な考えだと思うよ〜俺もそっち側だったら絶対信じないし」

「ご主人様怪しさしかないですもんね」

「悪口すぎん?」


別の何かあるかもしれないじゃん優しさとか

……ないか


「私たちの旅に同行したいと言われましても…どうします?刀華」

「うーん別に良いんじゃないかなイクシオン。この人たちからは人を襲う妖怪とかからする独特な気配はしないし…何より戦力になるよ」

「それは…そうなんでしょうけど…」


ふーむ悩んでるようだねぇ…ここは一発何か場を和ませねば…

しかし一体何を…


「諦めましょうご主人様。ご主人様の一発ギャグは一般受けしません」

「ワンチャンあるかもしれないじゃねぇかよぉ…てかナチュラルに心読まないでくれ」

「以心伝心ですからね私たち」

「俺お前の考えてること分からないがな割と」

「では今私何考えてると思います?」

「膝枕したいなぁ…だろ?」

「何とご主人様大正解です。流石ですね」

「自分の膝叩きながらこっち見られたら流石に気付くわ…」


分かりやすさの極みだったよ本当に




「……この人ら疑うの馬鹿らしくない?」

「……そうですね」



何でか分からないけど同行出来るようになったよ!やったね!



「まぁ夜も更けてきましたしそろそろ寝ましょうか…」

「お2人は今までどうやって寝てたんですか夜。2人とも寝てたら襲われません?」

「はい。ですので1人が寝て1人が起きてのサイクルで回していました」

「なら今日は2人が寝て2人が起きるのサイクルにしましょう信頼出来ないと思うので…そうですね刀花さんと俺、イクシオンさんとメイのペアとかでどうでしょう。俺は刀花さんより弱いので何かしそうになったら全然切り刻んでくれても大丈夫ですよ。痛いだけなんで」

「ゾンビって痛みあるんだ」

「えぇ勿論。通常の三倍くらい痛いですよ」

「気が狂わない?」

「全然大丈夫ですね」

「刀華様大丈夫でございます。ご主人様の痛みに対する耐性は神でも恐れるほど高いので」

「そっそうなんだ」

「そんな高いの俺の耐性」

「全身を溶かされたような痛みを常に感じながらこうやって笑っていられる時点で相当では?」

「それもそうか」


あれからも何回かクソミミズに食われてるから全身が溶かされる痛み×10くらい味わってんだよね今も。別に大丈夫だけれど

確かにイカれてるな耐性


「お兄さん凄いんだね…」

「名前で呼んでくれて大丈夫…あれ俺ら名前言った?」

「言ってませんね」

「じゃあ自己紹介を…俺は朽木 了真」

「私はメイと申します」

「よろしくねメイさんにリョーマさん!」

「よろしく刀花さん」


名乗りを忘れるは痛恨のミスがすぎる…次からはこんなことにならないようにしていこう


「刀華以外の名前が聞こえるなんて…」

「良かったねイクシオン」

「はい…!よろしくお願いします、メイさんにリョーマさん」

「よろしくイクシオンさん。これから仲良くして行こうね〜」


その後色々好きなことや趣味などについての話をしてから寝る時間となる


「んじゃ俺と刀花が起きておくんで安心して寝ててくれていいよメイにイクシオン」

「ごめんなさい助かりますリョーマ兄さんに刀華」

「気にしないで〜」

「くっご主人様が寝てないのに私が寝るなんて…メイド失格です」

「横になりながら言ってんじゃねぇ寝る気満々じゃねぇか」

「最近寝れてなかったのでグゥ」

「はっや」

「んじゃメイさんも寝ちゃったしイクシオンも寝ていいよ」

「恩に着ます…」


夜が深まるまで一生喋ってたから向こうからの呼び方が結構変わった

イクシオンにはリョーマ兄さんって呼ばれるようになって刀花からはリョーマと呼ばれるようになった…何かカタカナに聞こえるんだけど気の所為?



イクシオンがしっかりと寝たのを確認してから刀花と喋り始める


「ありがとねリョーマ」

「何が?別に何もしてないぞ俺」


急にどうした魔法少女よ


「イクシオンがあんなに他の人に感情豊かにするの初めて見たよ…昔色々あって結構塞ぎ込んじゃってたからさ」

「別に何かした訳でもないしなぁ…お礼を言われるほどでも」

「それでも言わせてよリョーマ。ありがと」

「へいへいどういたしまして」

「何かして欲しい事とかない?恩義あるしある程度なら何でもしてあげるよ?」

「何でも…?」

「うん」


何でもしてあげるだと…!


「女の子がそんな事言うもんじゃないけどそうだねぇ…刀教えてくれない?戦いの幅増やしたくて」

「それぐらいなら全然いいよ!何なら今から教えようか?」

「助かるけど刀が無くてなぁ…」

「私が訓練用に使ってる木刀あるからそれ使う?」

「んじゃそれ使おうかな…てかテンション高いね」

「教えをこわれるなんて初めてだからね!ビシバシ鍛えてリョーマを更なる化け物にしてあげる!」

「おぉーそりゃ助かる」

「これからは私の事師匠って呼んでね!憧れてたんだ!」

「んじゃそう呼ばせてもらいますね師匠。声でかいとイクシオンらが起きるんでもっと抑えてもらって」

「確かにそうだね…よし、起きてない。じゃあこれから色々技とかも教えていくね。私3つしか技ないから教えれること少ないけど」

「お願いしまーす」


よーし強くなるぞー


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