第27話 三者三様

───sideシロ


「ではシロ様。修行を始めて行きましょうか」

「よろしくお願いします!」

「ふふっ、いい返事ですがそんなに肩に力を入れなくても大丈夫ですよ。方法さえ知っていればこの術を覚えることは簡単なので」

「どんな方法なんですか?」

「今から私がシロ様の手に小さい穴を空けるので自力で治してください」

「ちょっと待ってください?」

「では少しチクッとしますよー」

「待ってくださいまだ飲み込めてないんですけど!」


この体で痛みを受けたことないから怖いんですけど!


「はい終わりました」

「あれ痛くない…」

「出来る限りの努力をしたので報われて良かったです。少しでも悪印象を抱かれるとご主人様にボコボコにされてしまうもので」

「パパはメイさんをボコボコになんて出来るんですか?」

「えぇ、少し先にはなりますが一種の到達点に達したご主人様には手も足も出ませんよ。インフレが加速しまくっているので未来では」

「凄いんですねパパって」

「えぇ…私が言うのもなんですが化け物ですよ」


この後15分くらい雑談しながら試していったら回復魔法は使えるようになってた




───sideルカ


「では修行を始めていきたいのですが、まずは認識を改めて行きましょう」

「認識を改める?」

「はい、まずは自身がショゴスであることは一旦忘れてください」

「なんで?」

「ルカ様の種族を改変するのに必要なんですよね」

「私の種族を…?」

「今のままですとどれだけ修行を重ねようとショゴスロードが精々になってしまうんですよ。でもそれだとぶっちゃけ未来のご主人様の足元にも及ばないので…やっぱり隣に立ちたくないですか?」

「立ちたい立ちたい」


足手まといだなぁとか思われるのは嫌


「ですので可能性の権化たる別世界のスライムと言う種族になって頂きます」

「ファンタジー小説とかに出てくる?」

「えぇその認識で間違いございません。魔法を吸収しおのがものとし無限に増え続け数の有利を作り出す、そんなスライムになって頂きます」

「どうやったらなれるの?」

「ここにこんなものがございまして」

「これは……宝玉…?」

「はい。これは変化の宝玉と言いまして、特性が似てる別の種族に変える力があるんです」


そんなものが…


「こんなの何処で手に入れたの?」

「6000年後くらいですかね。それぐらいの時にご主人様と取りに行きました異世界まで」

「異世界に行く方法確立されたんだ未来の世界って」

「えぇファンタジー世界はすぐそこです」

「じゃあこれ使ってスライムになるの?」

「はい。具体的に言うならスライムロードになって頂きます。自我があるのがそれ以降の進化種のみなので」

「分かった」

「では行きますよー…痛いですけど我慢してくださいね」

「えっ」





───2時間後


「落ち着きました?」

「ダーリン以外からの痛みは恨みにしかならないんだなって分かった」

「体を慣らしがてら私でもサンドバックにします?」

「うん」

「ではこちらへ。次元の狭間ならどれだけ殴っても時間が立たないので」


取り敢えずぶん殴らないと気が済まない

ある程度体の使い方は分かるけど一旦慣らしていかないとね


───次元の狭間


「ではスライムロードの説明から、スライムロードはある程度の物理攻撃を無効化します」

「ふむふむ」

「それから魔法や魔術に弱いのですがある程度極めれば全ての魔法を飲み込み吸収する事が出来ます」

「強いね」

「ですからまずは飲み込んで吸収する術を学んでいきましょう」

「どうしたら良いの?」

「実践が一番の経験なので…今からゆっくりと魔法を放ち続けるので全部食べてください」

「えっちょっ」


サンドバックさん?




───大体5年後


「では行きますよー【太陽の怒り】」

「ほい」


メイから放たれた凄まじい陽の魔法を作り出した空間で喰らい尽くす

この5年弱の修行によって色んなことが出来るようになった

極小サイズの空間を生み出しそこで魔法を喰らえるようになったし動体視力が元の比じゃないくらい上がったしある程度なら魔法も使えるようになった


まだまだメイに勝てる気はしないけど


「ふむ…ここまで出来るようになったらもう良いでしょう。一旦戻りましょうか」

「了解」


久しぶりに会うし限界までシロ撫で回そ








「おかえりルカさん…えっ何?何なのその手何するつもり!?」


可愛かった



───過去 side主人公


「なぁメイ」

「なんでしょうご主人様。歩き疲れましたか?椅子にでもなりましょうか?」

「いや全然疲れてはないんだけどさ。この森どうやったら抜けられんの?」


一週間くらいは彷徨ってる気がすんだけど


「いつか抜けれますよきっと」

「帰りてぇ〜…」


会いてぇなぁあいつらに




──更に一週間後


「よっほっとっ」

「体の使い方上手くなってきましたね」

「二週間やること無かったからなぁ…」

「やはりご主人様は魔力の扱い方が上手いですね」

「そう?別に体に流してたりぐらいしかしてないけど」

「普通はそんな事すると爆発するんですよ体」

「怖いなぁ」


そんな技術だったのかよこれ


「おっ猪発見。ようやく美味い肉が食えるな」

「早く捕まえましょうご主人様」

「よし来た」


地面を強く蹴り一気に猪に近付き魔力を流して鋭くした爪で頭を切り落とす


「いっちょ上がりっと」

「早く食べましょうご主人様」

「まぁ待て待てメイ。確かに俺たちなら生で食っても死なないが焼きたくないか、この肉を。想像してみろ…皮がパリッと小気味いい音を立てひと口食べると肉汁が口いっぱいに広がる所を…」

「準備OKですご主人様」

「フッ流石だメイ。火の魔法もしっかり履修済みか」

「では焼きますよご主人様」

「あぁそーっと、そーっとだぞ。焼きすぎたら焦げが苦くなるからな」

「分かりました!」


ボウッ!


「………」

「………」

「すみません…」

「まぁ…食えるし…うん」



──実食中


「焦げてるけどまぁ美味いは美味いな」

「空腹は最高のスパイスって本当だったんですねぇ」

「だからあれほど俺の腕を食えと言っていたのに」

「流石にご主人様の腕は食べたくないです私…」

「ゲロまずかったけど栄養にはなったぞ」

「よく食えますね自分の腕」


人間空腹なら何だって出来んのよ

ゾンビだけど俺


ぶっちゃけどんだけ痛くてももう慣れたし腕ひきちぎるくらい何ともないんだよなぁ




「そろそろ人間辞めるの辞めた方が良いですよご主人様」

「どう言う意味だこら」


腹も満ちたし一眠りしてからまた歩くか…


「どうぞ寝るなら私の膝をお使いくださいご主人様」

「他の選択肢が体をバキバキにしながら地面で寝るしかないし断れねぇ…使わせてもらうわ」

「ああっご主人様の頭が私の膝に…!濡れる…」

「俺の頭汚そうとしないでくんない?」


辞めた方が良かったかなぁ…


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カァッ(モチベに繋がるので感想や星ください)

カァッ(明日から学校が再開してくるんで更新時間が20時になります)

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