第19話 やたら長い伝言

────少し前

────side咲良


「私は…一体……っ!リリスは!?」

「真菰が呼んだ助っ人さんが相手してんじゃねぇかな今…本当に大丈夫なんだろうな?」

「彼なら絶対に大丈夫です」

「二次被害は勘弁だぞ本当に…」


あの人が…


「と言うか私さっきまでの記憶ないんですけどどうやってここにたどり着いたんですかね」

「覚えてねぇ感じか。なんかその協力者さんとやらに操られてこっちまで戻ってきてたぞ。伝言も預かってる」

「操られて…そうですか…伝言と言うのは?」

「あぁ伝言なんだが…なんか顔赤くないか咲良」

「なっ何を!そんな訳ありませんけど!?」

「おっおうすまん」


別に操られてたって言葉に興奮した訳じゃないですから!

巫女はそんな事考えません!


「えーっと確か…何て言ってたっけ」

「あっ私覚えてるよ凛さん」

「おっまじか晴。じゃあ代わりに頼むわ」

「えーっとね『どうもー魔法少女のみなさーん。協力者君ですー。この伝言聞いてるってことは巫女服の魔法少女さんはしっかりそちらに辿り着けた見たいですね。なんか戦ってたゴスロリ女はこちらで何とかしとくので早いとこ安全なとこへ逃げてから巫女服さんに説教カマしちゃってください。皆さんの犠牲になって死のうとしてたんで。命大事にしましょうねーじゃそう言うことでサヨナラ』って言ってたよ」

「良く覚えてたな晴」

「記憶力には自信があるからね!任せて!」

「まぁそんな訳だからさっさと逃げるぞ咲良」

「いやでもあの人にだけ押し付けるなんてそんな…」

「咲良」

「なんですか」

「命はって逃がすって言ってくれてんだ。助けに行って私らが死んだらそいつの覚悟はどうなる」

「それは…」

「私らはもう信じるしかないんだよ」

「……分かりました。安全な所へすぐに逃げましょう」

「おう」



「無事で居てね…了真…」


近くで真菰さんがそう呟いていた

その人が私を救ってくれた人なら生きて帰ってもらわないと

私のせいで誰かが死ぬなんて嫌だ




私たちがかなりの距離逃げた時頭の中に声が響く


《大丈夫ですか皆さん!ご無事ですか!》


「神様!私たちは無事です!」


《突然皆さんとの繋がりが切れて…今ようやく繋がったんです。ご無事でよかった…》


「なんか怪人倒した後にリリスって女と遭遇してよ…力の差ってのをひしひしと感じたぜ畜生」


《そうですか…リリスが…》


「彼女について知ってるんですか?」


《……私と…初代魔法少女の…仲間の一人だった人です…》


「女神様と…初代魔法少女の…仲間…?」


《話しましょう。全てを。長くなるので明日の昼からにでも》


「分かりました…」

「どういう事なんだろうなぁ…あの強い奴が昔の仲間なんてよ」

「話を聞いて判断するしかありませんね…」


仲間だったなら何故私たちを…


テンテンテロテン♪


そんな事を考えていると着信音のようなものが耳に入ってくる



────現在 side主人公


繋がるかねぇ…あんまりにもNINE来てたし流石に出ると思うんだけど…


ガチャ


『もしもし!?大丈夫なの!?』

「耳壊れる耳壊れる耳壊れる」


元気そうで何よりだよ本当にうん


「そっちはどんな感じ?巫女服のお姉さんはそっち戻ってきた?」

『うんしっかりと戻ってきて伝言も受け取ったよ』

「そいつは良かった。後でしっかり説教してくれよ?あの相手じゃ仕方ないとは言え命犠牲にして皆をーなんて良い事じゃねぇからな」


命大事にだようんうん


『えっスピーカー?ちょっと待ってね……スピーカーって大丈夫?』

「俺は別にって感じだけど…晴ちゃんに俺の事バレるくない?そんな事したら」

『確かに晴にバレ…待ってなんで晴が居るって知ってんの?』

「主人公タイプだし昔光の魔法を手に入れたんですけどどんな技作ったらいいですかね!って聞いてきたことあるし」

『何してんの?』

「矢のように打ち出せばええんちゃうか?って言ってたんだけど使ってる?今」

『めちゃくちゃ使ってるよ』

「厨二病なのかな?って思ってたけどまさか本当だとはねぇ〜」

『本当に何してんの晴…』

『えっ私!?何!?何が!?』


電話口の奥から騒がしい声が聞こえてくる


「リリスの方はしっかり追い払っといたからしばらくは安全だと思うけど用心はしとけよ」

『本当に強いね…怪我は?してない?』

「何故か無傷で一撃で勝った」

『えぇ…』

「引かないでくれる?」


俺もそんなつもりじゃなかったんだよ


「まぁそっちかなり疲れてるだろうしそろそろ切るな」

『今回は本当にありがとう…またね』

「おうまたなー」


ガチャ


(シロー門出してー)


<お疲れ様パパ。すぐ出すから待っててね>

<通話邪魔したい欲を必死に我慢した。これは私褒められるべき。具体的に言うなら頭を撫でるのが妥当>


(妥当…?いやまぁ頭撫でるくらい良いけど)


そんなこんなで門を潜りながら自室に帰る


濃い1日だったなぁ…









「ダーリンの頭撫では麻薬。頭が可笑しくなりそう」

「人聞きの悪いこと言わないでくんない?」

「つっ次私お願いします!」

「へいへい」


────────────────────

カァッ(モチベに繋がるので感想や星ください)

カァッ(星100達成ありがとう)

カァッ(次回魔人の目的判明と新たな神話生物が…?)

カァッ(お楽しみに)

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