第13話 奇襲と出会いと土下座

「えへへへへ…ん?あっ!」

「何どしたのシロ」


急に大声出されると頭に響いて仕舞われるんやけれども


「何か付近で小さいバグが出現したみたい」

「今出現したの?」

「うんなんか急に現れた」

「じゃあちょっと向かうか」


さっきの何か人見てぇなやつとは別かな

あいつは何か殺せなかったし

なんでぶっ飛ばしたら人になったんだろう

魔法少女的なアレなのかな真菰って


「取り敢えず強さはどんなもん?」

「ショゴスが一体だけみたい」

「ならぱっぱと終わらせてくるわ、ルカと待ってて部屋で」

「えっ私も向かうよ?」

「折角人の体手に入れたんだから遊んどきなさいって一体くらい大丈夫だろうし。ダイスは振れるよね離れてても」

「それは大丈夫」

「ならちょっくら行ってくるわすぐ戻る」

「いってらー」

「い、行ってらっしゃい」





てーなわけでワープしてきた訳ですが…公園やん…

近場も近場に出現したんやなぁショゴス

さっさと見つけてぶん殴って帰ろ





───side■■


何でだろう…

何でか公園から凄く嫌な気配がする…

でも神様は反応無いし…

……杞憂かもしれないけど行ってみよう





───side主人公


何処だーショゴスー出ておいでー

んー全然居ねぇけどここであってんのかねぇ

探せど探せど見つからん


何処かに隠れてたりすんのかなぁ…


例えば奇襲するために身を隠してる…とか?

だとしたら見つけようがないしまぁ待つか




近くにあった椅子に腰かけ空を見上げる


綺麗な月だなぁ…満月を見ると何だか心が沸き立ってしまうんやけど何かの現象なんかね

俺だけなんかな



あれ


そういやこんな場所に椅子なんてあったっ



バクン!


そう思った次の瞬間椅子の形状が突然変化し我らが主人公の上半身を食い破る


ドサッ


血を吹き出しながら下半身だけになった体が倒れる


「キュアアアァァ」


現実化した影響かテケリ・リと鳴かず鳥みたいな声をあげてショゴスが勝利を叫ぶ


ぐちゃぐちゃぐちゃ


喜ぶショゴスに酷く耳障りな音が聞こえてきた


一体何が…そう思ったと同時に体に強い衝撃が走り意識が暗転していく


ショゴスが最後に見たのは上半身が再生した食べたはずの男の姿だった





「あぁー痛かった。やっぱ慣れないね食いちぎられるのは」


回避86になった所で不意打ちには意味無いからなぁ…まぁHPはそんな削れなかったけど

再生に時間がかかっちまったけど再生繰り返してけば再生時間って短くなんのかね

短くなったらいいなぁ…早ければ早いだけ敵殴れる時間が早まるし


後再生するならついでに服も再生してくんねぇかな

服貰ったけど全身溶かされた時なんて再生したら全裸だったからな

今回は上半身だけで良かった


後別に再生しても痛みが無くなるわけじゃないんだよなぁ…未だに全身に溶かされたような痛み走るし今回のせいで上半身はさらに痛くなったよ

生きながら胃液で溶かされる痛み味わい続けるのって凄い体験だよね

なんで無事なんだよ俺の心


てか倒す前に食えばよかったな

残機GETのチャンスだったのに


まぁいいや倒したから帰ろ


「了真…?」


あれ



───side真菰


なんだったのあの化け物

スライムっぽいけどおぞましさがその比じゃない…

それに…

なんで了真がその怪物と戦ってたの?

なんで上半身が溶かされてたのに再生したの?

なんで…胸に穴が空いているの?


───side主人公


「なにしてんの真菰、こんな所で。良い子は寝る時間だよ?」

「それは…それはこっちのセリフだよ!何をしてたの!?何と戦ってたの!?なんで、なんで上半身が溶かされてたのに再生したの!?なんで、なんで!なんで!なんで胸に穴が空いているの…?」


全部見られてたっぽいなぁこれ…

再生した時に微かに聞こえた息を飲む音こいつのかぁ…


「別に何ともないから大丈夫だよ…夢でも見てたんじゃない?」

「そんなはずない!夢だったなら了真夜に公園で上裸の変態になるよ!?」

「あっそれは困るな」

「本当にさっき溶かされて…」


そう言って真菰が俺の体に触れる


「いてっ」

「え…?」


やっべ


「痛いの?痛みがあるの?あれだけのことをされた痛みがちゃんとあるの?再生しても痛いの?大丈夫?大丈夫?大丈夫?大丈夫?」


うーん病み

ルカと同じ目してるやぁ…終わったぁ…


「ちゃんと答えて?痛いの?治ってないの?ねぇ、ねぇ」

「外傷は治ってるけど痛みは治ってないです…はい」

「大丈夫なの…?」

「えっうん何故か大丈夫なのよ。不思議だよね」

「不思議だよねじゃないよ!じゃっじゃあその胸の穴はなんで…」

「これはあれだようんあれそうそうあれあれ」

「もしかして私のせいなの?私の能力のせいなの?」

「いやこれは鉄柱の傷じゃないよ」

「私能力が鉄なんて言ってないよ…?」


誤魔化すの下手選手権優勝か?


「私の能力を知ってたの?じゃあ今日助けてくれた人は了真なの…?それより、それよりそれより…貴方は人間なの…?わたしが、私が殺しちゃったの…?」


誤魔化すのは無理そうやねこれ


「じ、実は…」




───現在


「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」


包み隠さなすぎたかなぁ…取り敢えずシロとルカの所は少し濁して今まで起こったこと話したけど流石にもっと隠した方が良かったよなぁ

あの話してから土下座の体勢やめねぇもん

ずっと謝ってるよこの人


別に気にしてないんだけどな

人間死ぬ時は死ぬし


死んだら救われるし


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