第11話 お前かよぉ…

「ねみぃ…」

「私が言うのも何だけどちゃんと寝た方がいいよ?」

「ちゃんと寝てこれなんだよ俺」


深く寝れなかったのかな


「そういや指輪してるけど何かあったの?」

「オシャレだよオシャレ。シャレシャレ」

「めちゃくちゃ似合ってると思うよ!何だか魅力も増したんじゃない?」

「それやったら嬉しいけどなぁ…」


<この女見る目がある。魅力に気が付いてるし将来の妻候補>


(何言ってはんねんルカ…)


ルカがあまりにも戯れ言を喋るもんだからつい方言が出てしまった…京都弁かなこれ

はい皆さんお気づきの通りこの指輪はルカが変質したヤツです

何にでもなれるって便利だよね

魂で繋がってるから会話も余裕よ


APPが上がったからか「魅力が増したねダーリン♡」って今朝ルカに言われたし、もしかしたらINTもEDUも上がったから勉強に活かせるかもしれない

ちなみにSIZが上がったからか今朝風呂で確認したら俺の男の象徴がでかくなってたよ☆

やったね(やけくそ)


記憶力と理解力が上がったら勉強も楽しくなるって何かで見たけどどうなんだろうね


──授業中


す、凄い…これも分かる、あれも分かる

こんな難しい数式もすっと頭に入ってくる!





だがつまらない!



記憶力と理解力が上がっても勉強が楽しくなることは無い

ソースは俺




──休み時間


「なんか今日了真ノリノリだったね」

「いや今朝から何か記憶力が良くてなぁ」

「良いなぁ私も記憶力欲しい」

「ちゃんと寝たら多少は上がると思うぞ」

「私も寝たいよぐっすり…」


どうやら真菰はまだ悩みが解決してないみたいだ。出来ることあるならしたいけど教えれないみたいだからなぁ…


「限界なったら言えよ?日に日に隈酷くなってるじゃん」

「ありがとう…」


あーらいい事言っただけなのにファンの子らの視線がするどーい

お前らじゃ何も出来ないんだから睨むなって

……こんな事考えてるから睨まれるのかな


──放課後


「じゃあね了真。また明日」

「じゃあな真菰」


帰路に着く真菰を見送ってからルカたちと会話する


(良し、追うぞ)


<辞めといた方がいいってパパ…>

<ダーリンが他の女のことを考えてる…嫌なはずなのに何だか興奮しちゃう…>

<ルカさん…>


もう最近ずっと深く眠れてないみたいだしそろそろ法を破ってでも原因を知らなくちゃな

このままおめおめと衰弱していくのを見守る趣味は俺には無い


(ルカ、俺の目を覆い隠す目隠しと大分印象変わりそうなカツラ作れない?目隠しはちゃんと前見える感じでお願い)


<お安い御用だよダーリン>


その言葉と共に目隠しとカツラが装着される


(どんな感じ?)


<敵キャラだけど何故か主人公たちを助けてくれる謎のキャラに見える>

<多分パパって気付く人は居ないんじゃない?>


ルカの意見はまぁ置いといて…そんなに印象変わるならまぁ大丈夫か

さっさと追いかけよ真菰




───side真菰


はぁー、今日も了真に心配かけちゃったなぁ

しっかり寝ようとは心掛けてるんだけど不安が止まらなくて寝れないんだよなぁ…


怪人との戦いも満足に出来なくなったし…本当にどうしたらいいんだろう


暗いことばっか考えてても仕方ないか…明るいことを考えよう


……今日なんだか了真かっこよかったなぁ


目にハイライトないけど私をしっかりと案じてくれてるのが伝わってくるし大切にされてるなって感じるなぁ…


でもあの指輪なんだろう…もしかしたら誰かからの贈り物なのかな


晴はまだ自覚して無さそうだからないとしても割と了真モテるからなぁ…

ぐぬぬ了真が他の女に取られるなんて考えたくない…


でも私が釣り合う訳もないしなぁ…


《今よろしいでしょうか鉄さん》


(あっ女神様!どうかされましたか?)


《心苦しいのですが近辺に怪人が出現してしまったので向かっていただけませんか?》


(分かりました!今すぐ向かいます!)


困ってる人が居るかもしれないから早く行かないと!





「憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い」


形が定まっていない不定形の怪人が憎しみを周りに吐き捨てる

瞬きの間に老人からホストのような男に、少女に赤ん坊に変わる




うーんあれは嫉妬を増幅された怪人かなぁ

神様の力で周りに人は居ないけど早いとこ救ってあげないと


「変身!」


その掛け声と共に晴が言うには仮面ラ○ダーに激似という姿に変わる


私の魔法は『鉄』、今は出来ることは少ないけど鉄を身に纏わせる事と鉄柱を飛ばすことが出来る


イメージしやすいように変身って言葉をトリガーにして鉄を身に纏わせることが出来るようにしたけどなんでこの格好になっちゃったんだろう…

まぁ今はそれよりも目の前の怪人を救うことを考えないと


「はっ!」


短く息を吸って怪人に肉薄し胴体に蹴りを叩き込む

鉄柱を使おうとするとトラウマが再発するから肉弾戦を仕掛けるしかない…

凛さんのようには行かないけどどうにかしてみせる!


「あぁ憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い何だ貴様、なんなんだ貴様ァ!邪魔をするなァ!」


その言葉と共に多数の人形が出現しその全てがこちらに向かってくる


くっそ、数が多すぎる…!

一体一体撃破してもキリがないしここは本体を叩かないと…!




人形を足場にしながら怪人に接近していく

近付けば近付くほど激化する攻撃を掻い潜りながら何とか攻撃を叩き込んで行く


「グァァァァァァァァ!憎い憎い憎い憎い憎い!消え去れ!消え去れェェェェ!」


怪人の周りに人形が集まり、溶けて混ざり1つとなる

あれをエネルギーにして私にぶつける気だ

何処か冷静な思考が私にそう告げる


あれを食らっては一溜りもないと判断し今日寝れない覚悟を決めながら鉄柱を生成し、怪人に放とうとする


鉄柱を怪人に放とうとした時轟音を響かせ怪人が遠くの方に吹き飛ぶ

怪人が居た場所に居たのは銀色の長髪で黒い目隠しをしている男性だった


一先ず怪人が吹き飛んで行った方向を見てみると人に戻った怪人が見える


何が何だかよく分からないがお礼を言おうと男性の方に目を戻すとそこにはもう誰も居なかった


最初から男性なんて居なかったかのような光景に狐につままれたような気持ちになりながら、神様に元怪人の処理を頼み変身を解く


何だったんだろうかあの人…でも、何処か悲しそうだった気が…気の所為かな




───side主人公


「あぁー…まじかぁ」

「あの女が胸の穴の原因だったの?」

「みたいだねぇ…どうしようかなぁ…多分悩んでる原因これだろうしなぁ…」


部屋に戻ったら足の間に収まってきたルカを撫でながらさっきのことを振り返る

まさか真菰がなぁ…魔法少女的なアレでこの胸の原因だったかぁ…


「どうするの?」

「どうしようね」


取り敢えずバレないようにしないとなぁ…

親友を傷つけたって知ったら多分死んじゃうよ今のアイツ


────────────────────

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