予選-9 勝利大事にガンガン楽しめ
>死んだな
>なーむー
>こんなバランス悪い組み合わせで残れたのはすごいよ
四方八方十六方三十二方六十四方。128bitのリズムで叩き込まれるRGB各々が256の階調を合成したイルミネーション弾幕でデコられるシェリー。膨れ上がった血肉に吹き飛ぶ触手、千切れて使い物にならなくなったポリゴンは塵へ。消えた側から補充される体積。これなら流石に死んだ
>弾幕受けた瞬間終わったわ
>調子はいいのに進めない
>定期定期的にデスペナルティ
>いつのネタだ!?
──────。
「我がネクロノミコンの前には無力よ」
「フッ、ソロモンの力だ。間違えるでない」
そう確信した二人は態とらしく高笑い。そして魔破を纏い続けるアリサにも弾幕を撃ち続けるのは、スタミナ切れによる集中攻撃を狙うためだろう。せっかくのMP消費を無力化する強スキル魔破にだって弱点はある、それはスタミナ消費が大きい事だ。
『Aaaaaaa!!!!』
>まだ対応できてるな……
>違和感がある
>薮からスティックにどうした?
>いや、カメラがさ
────ィィ。
「ハハハハッ」
「フフフッ」
アリサは"まだ"対応できている。狂化の強化にこれまでの勝鬨の累積、サードムーンの身体強化と闘身進化、そしてトライヘルメスの特殊効果まで含めた多重バフのお陰で激減したHP値を死守可能なレベルには身体速度が追いついている。
>何本ノックだwww
>こんなのやれって言われてできる気がしない
>※良い子は真似しないでください
>まだ着弾地点中心に映してるのおかしくねって
>あ
──リリィィ。
「「ハァーッハッハッハァ!」」
『Hyyyyaaaaaa!!!!!』
だが。そんな二人の高笑いに呼応するアリサの
──
[ライオット・バーグラー]
カテゴリ:丸盾
属性:地
スキル:パリングレイジ・体術
──
[パリングレイジ・体術]
相手の攻撃を無力化する度、短時間スキル[体術]の消費スタミナ軽減量が上昇する。
──
弾幕を『無効化』しまくった末、スタミナ消費の軽減量は100%を突破したから。燃費が悪い魔破も狂化もフルスロットルで吹かしたって、ノーコストノーリスク。根本的に、アリサに『数』で挑むのは間違っているし。
ギャリリィィ──────!!!
「そもそも私が死んだとか思ってんじゃねえよバーーーカッッッ!!!」
>生きてやがった!!!
>[王の帰還]
>[やったれぇーっ!]<
シェリー、まだ生きてる。普通に生きてる。オファニエルもカッコいい再登場に嬉しそうに
>何ですぐ出てこなかったんです?
>気になる
>そもそもダメージ入ってたんだ(
「身体の再生に時間かかったわ!!!!!」
シェリーは先程全身のポリゴンを弾幕で削られ吹き飛ばされたせいで『無』から身体を修復するハメに。そのせいでタイムリミットは45秒。ターゲットからは20mいや15m。これでも魔法使い如きをキルるには必要十分。でも何よりバケモノなのはアバターが消えて全感覚遮断状態にぶち込まれたのにテンションを保てているメンタル強度だとは思う。
「ハ、ア…!?」
「何故だ、何故我らの裁きを受けて立っている戒天の咎人!」
>しらそん
>いちいち反応がAUOっぽいのが笑う
>雑種♡
「チャートにはちゃーんとキル確認はしようって書いとかないからだわっ!」
フォレストチェイサーが刺さったことによる出血状態のDoTダメージも、[デッドイーター・真髄]の"1以上ダメージを与えていた場合"の対象になっているのは気づいておくべきだった。仲間のHPゲージが1ドットずつ減っている事実をRPにかまけて見過ごしていた致命的なミス。というか地面で未だ苦しそうに呻いてぶっ倒れているのだから介抱してやれという話ではあるが。
「死に晒せぇぇぃぃぁぁぁ!!」
「離れよ!」
>障壁…意味ある?
>ない
>削れてますね……
「ぃぃぃやっふぅぅぅ!!!」
固定打点に魔力は無意味。構築式ごと削れば即霧散。無耐久の魔導書プレイヤーは
「"ガープ"ッ!」
「ファー!www!!??」
>飛んだァ!
>ハンティングジャーみたい
>転移よりは移動だね
>速度に重き置いてる感じ
指輪を光らせ飛翔する第二の魔法使い。フォレストチェイサーはシェリーの生命線だ、踏み込むのに何となく踏みつけてしまって死の淵まで火葬されかかっているが是非もなし。そのままの君でいて。そして届かないところまで逃げられたせいでシェリーは一周回ってテンション上がって笑うしかない。だって何もできないし。残り40秒だし。浮いてるし。こっちまだ
「ウチを、置いて、行くっ────なやァァァァァァ!!!」
デスからの蘇生によってリロードした魂魄暴走で狼化。加速で木から飛び上がって。
「"真髄解放"ッッ!!」
「えっ」
>えっ
>は?
>待って私聞いてない!?
>言ってなかったからな
>その重ねアリぃ…?
ゲーミング狼の姿がさらに変貌。キューティクル満載のゲーミングヘアーと、極彩色の皮衣をたなびかせる狼の舞闘家に。それは敢えて呼ぶなら光輝拳星の
「でかくなぁい…?」
>説明不要
>これで無敵で暴れられたら…死ぬなぁ
>うん、死ぬ
>何が怖いって鍔迫り合いが発生しないんだよ……
全身を燃えるシェリーが(魔核装備とのシナジーを悪用レベルまで使い切った末に)見た目も感覚もヤベーことになっている(のに涼しい顔して)乾いた笑みを浮かべるくらいには、今のファインダーのサイズはユニバースサイズ。それにもちろん魂魄暴走と真髄解放両者を並行起動した代償もある。
「効果時間20秒しかあらへんのやけど──うぇっほぉ!?」
「大丈夫!?」
>お前は自分のことを心配しろ
>それIsそう
自身の『残像』を踏みつけ空を閃打連打と共に舞い武を叩き込みまくるファインダーの効果時間はランク×5秒。そして効果終了同時の確実なる死。ついでにテンション盛り上がりすぎて心臓がピンチ。何故ファインダーすぐ死んでしまうのか。
「ハァァァァ!!!!」
「ヒギィガマチ、ョアバカシ」
興が乗ったから。それ以外に理由はいらない。楽しめたらどうだっていい。シェリーも、アリサも、そう言っていた。だから、彼女もそうするだけ。鳴り響く警告アラートはただの伴奏。
>三角マーク出てますよ
>死
>よく動けるな本当に いや本当に色々な意味で
「ウチのキルレになれぇぇぇぁぁぁっっっ!!!」
「ブェバゴブアギャゼゲガババババハ」
>体が向いちゃいけない方向にいってる
>もう助かりませんよこれは
>漫画でしかみない叩き方してる
そして終打。リミット0秒を迎えると同時に踵落としでピリオド。
「ッ────!」
「あ」
>あ
>あっ
>これは愉快犯
もっと詳しく、正しく描写をするならば。"飛び上がった場所"の"真上”でラッシュをキメ"真下"に"メテオ攻撃"をした。つまるところこういうことである。
「「「ァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」」」
ワンターンクアッドキルゥ………。
「……………おいコレマズイんじゃねえか」
プルガトリオ敗退。ファインダーデスペナ。シェリーはデッドイーターの条件未達によりボイリングブラッドの過燃焼で灰になった。
『残存チーム数は2組です』
「…………………」
あとついでにアリサはソロになった。手持ちに蘇生アイテムはない。さっき使った。流石のアリサもこれには天を仰ぎ。息を吸い込んで──
>やば
>聴覚フィードバックOFFにしろ!!
>あかん死ぬゥ!
>対ショック耐性!!!!
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絶叫。スタミナは減っていないのにどっと疲れたアリサは、相変わらず追い立ててくるストームから逃げるように先刻居た廃砦まで、急いで帰るのだった。
>
>
>マ テス
>お前ら大丈夫か?
>ギリギリ……
>スピーカーが飛んでくるとは恐れ入った
>スケアートのマスコットが謝りに来てんのほんと草
>「皆様にはリアリティある観戦をお届けしたかったのですが想定以上の出来事が起きてしまい皆様にご迷惑をおかけしてしまい本当に申し訳ありません」←アリサさぁ……
>結局昆布巻き誰が一番ヤバいと思う?
>アリサ
>アリサ
>シェリー
>ファインダーちゃんかな……作業あんなにできないし
>全員
>選べつってんだろ!!!思うけど!!!
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