#48 【ミンチ】絶叫熱狂強行軍【数千回転】
「ぁぁぁっ──はぁっはははっ!!!!」
>うちの子が初めて自転車乗った時こんな笑い方してた
>かわいい
>正気か?お前の目神話技能いくつ?
>90
狂った色彩で埋め尽くされたゴミ色の空の下、観客達に見下ろされながら死を想起させるほどの熱気を保った
「アラート邪魔ァ!!視界が塞がるでしょうがァッ!!」
>シェリーが心配だわ
>電気ショックされてるよりは健全
>うるさくないし…
怪物はシェリーを振り落とそうと体を?揺するが突き刺さった
「くぅぅぅっっっ!!!」
ギィィィガガガガッッッッ‼︎!!
>おおよそ
速度を保ったまま接地してランディング。足裏を保護しているラヴィニア・ブラストは火花を散らしHPゲージの反復横跳び幅が広がる。ただの赤黒く染まった土にも蒼炎のブレーキ痕が残って。
「とぉぉまぁぁ、りゃぁぁっっ!!」
僅かに速度が下がり始めたところで怪力スキルも出力上昇、地面に食い込んで回転方向変換。噴き出す炎は横方向に。がんばりゲージは無限大。
「わははははぁぁっっ!!!!」
>掃除機
>当たったら死ぬんだよなこれ
>並の近接プレイヤーなら耐えられんな
>遠距離攻撃ないやつは詰み
「さっさと畳むぞ先はつっかえてるんだからっっ!!」.
予想通りならこの先に続くは3戦、或いは4戦。ただ
>ぅぅっ
>グチャって言ってるよ…
>グロすぎる
>上の方なんか地面についた瞬間自重で潰れてんぞ
だがシェリーのこの攻撃は焔によるものではない。崩れ潰れた
「復活なんてさせねえからなぁ!?」
フルスイングの勢いを利用して再度叩きつけ、特殊とはなんだったのかと言いたいくらいに利用しまくっている特殊移動の最たる利点はこの緩急にこそある。一撃特化というより手数によるDPSの押し付けがメイン攻撃であるオファニエルは、その部位にどれだけの時間攻撃するかがダメージに直結する。出来るだけ早く到着し、できるだけ長く攻撃して次の箇所へと最短で移動する。それを過不足なく扱えるからこそシェリーには
「燃えろォォォ!!!」
>範囲攻撃ないのに殲滅力がありすぎ
>相性がいいねぇ
>信じられるか?これ三人で倒してたんだぜ?
>理不尽再生がないから…
起き攻めならぬ起き殺し。化物特攻に『浄化』元々の炎弱点も合わさって地面に落ちた残骸……残肉は一筆書きで一気にお掃除完了。こうなっては
「みぃぃつっけたぁっ!!」
微かに残った肉片を操作し物陰へと隠れようとした所で化物は
>ここ俺が部屋で篭ってる時に使う
>オマケでギャリついてるけど大丈夫?
>鼓膜は通販でまとめ買いしろよ
微かに震えている気がするコアの上に、シェリーは跳躍。大きく振りかぶったオファニエルの先は月輪でありながら相変わらず爆炎と共に在る。
「これで──終わりっっ!!」
>もう助からないゾ
>ケーキが全部死んだ
>なんで食ってんだよ
メギョバァギギギギガギギィィギャギャギャァァッッ────!!!!
「本体殴れれば脆いよな〜…お?」
そして次は完全に森の中。予想はしていたが意外な場所。ふむと周囲を見渡そうとしたあたりでシェリーは身体が未だ燃えていることに気づく。そして[ボイリングブラッド・怪力]の自傷ダメージは未だシェリーの身体を焼き尽くさんとしている……ということは。
「ヤベェ何か殺さねえと!?」
>物騒
>草
>間違ってはない
森の中を疾駆する浄化の焔。つまりは聖なる雫の効果が未だ切れていない。これは雫の使用トリガーは[Z-obituary]との戦闘時に限られるのに効果終了タイミングは『異世界の化物』との戦闘時であることが原因だ。ある意味バグじみた挙動だが今はAny%。こんなグリッチも使ったっていいだろう。[ライフオーバー・再生]を活かし直すためシェリーは走って目標を探し……見つけた。
「マジかァッ…!?」
今度の相手はマッスルスタッグ、ハウンドベア、そしてハニービー一家。森の愉快な追跡者達。これは速攻でキメないと仲間を増やされて面制圧で殺される。
「第三幕はシェリーと愉快な森林暮らしってねぇっ!」
ブブゥゥンンッッ!!
グギャァァォッ!
ブ──ンッ!
「聞き分けつかないからスタッグテメエから死ねぇ!」
>ひどい
>実際厄介ではある
>溶ける前に攻撃受ける可能性あるしな
幾ら周囲に焔の攻撃判定を身に纏っているとしてもあの高速飛行では貫かれてHP全損まで持っていかれる可能性がある。なんたってシェリーは防御力がないのをリジェネに食いしばりで誤魔化して戦っているのだ。ただえさえそのリジェネも火力に転換している今、一撃をもろに喰らって再生と自傷のバランスが崩れるのが一番危険だ。
「ぶっ飛べぇーっ!」
>飛んだー!
>加速してジャンプか
>ここは自然地形だもんね
ブブ──ン!?
ブロック・ロックで地面を隆起させてジャンプ台を形成、そしてバーニング・リープで指向性を持たせた上で情熱機関解放、排
「まずはワンキル!」
ギギギィィチャチャチャァァッッ!!
>甲殻溶けたぞww
>なんで?
>融けるもんだっけ
当然の権利のようにオファニエルはマッスルスタッグの殻を融かし肉を巻き込んでかき混ぜる。勿論速度特化なコイツの体力バーは一瞬で崩壊。
「よーしよしよしよしよし……」
なんにせよ今の一撃必殺で幾らか体力バランスは生存へと傾いた、バーニングリープを使い切っているからそのまま着地、足を木に引っ掛けてヘアピンカーブ。元の位置へ戻って次に狙うは……
ブブンブブッブブゥゥ!!
「テメエらは後だよバーカ!!」
同じく攻撃判定を貫通して殴ってくる可能性のあるハウンドベア。攻撃を受けなければ問題ないが受けたら大問題。スタッグの攻撃以上にリスポーンが現実的になる。
「まずは一発っ!」
ガギィャァッ!?
すれ違いざまに足技、胸肉を蹴飛ばして。
「そしてこうっ!」
グベェァァ!!??
ノックバックに耐えているベアの腹肉に追撃。速度を乗せた二連コンボには耐えられず吹き飛ぶ。しかしシェリーのアクセルコンボは終わらない。
>格闘かっこいいよな…
>シェリーは何もやってないのかな
>アリサはやってるらしいけどシェリーはどうなんだろ
>ゲームの影響しかないだろ
「それじゃあこれで、くたばりなぁっ!」
一際加速して吹き飛んだ熊に肉薄、下から持ち上げるようにオファニエルを振るってさらにハウンドベアを上ベクトルでかち上げ。フォレストチェイサーも首元へ着弾。
「必殺シェリーキィーック!!」
そして早速ハンティング・ジャー起動。浄熱之焔を纏ったシェリーは天へと昇って……クリーンヒット。見事な焼印が毛皮に入って。
ベェァァッッ!!??
>いたそう
>頚部破壊不可避
>熊に効くんか?
流石のハウンドベアもこれには即死。シェリーは下を走り続けているオファニエルに合流。進路を整えて向かうは女王蜂の元。
「さぁさぁさぁお待たせクソ蜂ども……一家断絶のお時間だ!!」
ブブゥッブブンブブゥゥッッ!!
>ひっ
>ごめんなさい
>俺の代で終わってごめん……
>努力しろwww
「知るか倒さなきゃ私は進めないんだよ!!!!飛んで火に入る雑魚の蜂ってなぁ!!」
ブゥゥゥンンッッ!!
余りの縦横無尽っぷりに怯えた女王蜂はシェリーへ向かわせられるだけの配下を向かわせるが、数で今のシェリーは倒せない。少なくとも纏う焔を通り抜けられないのならばどれだけ数があっても零の乗算と同じ。
「森の王国破滅のカウントダウン、楽しもうぜ、クソ女王!」
ブゥゥン!ブブッブブブゥッッ!!
蒼に呑まれて赤く燃える森の中、女王蜂は逃げて逃げて逃げ惑い。
〜〜〜
Tips
今のHPの状況
シェリーの最大HPが100だとして
ボイリングが80くらいを持っていく
ライフオーバーの素が60で
攻撃することで90くらいまで持っていける
こんな感じです
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