#23 【移動強化】謎は謎のままが良かった【身体で稼ぐ】
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ストーリークエスト
2-1-3
[ビオーレ市場にようこそ!]
特異な依頼はまだ冒険者ギルドには存在しないようだ。この街の名所、ビオーレ市場に行ってみよう。
2:ビオーレ市場は今日も活気に溢れている。ここならいいものが見つかりそうだ。あるいは、手持ちの素材をお金にできるかも。
購入:10000/10000C(CLEAR)
売却:10000/10000C(CLEAR)
3:市場の中を見て回ってみたが、ギルドにはまだ得意な依頼は届いていないらしい。もう少し、市場の中を探してみよう。
報酬:?????
──
シェリーは[Fald-Smith]で20000Cを支払い、新たな装備をゲット……したところで上の表示が出現。シェリーのクエストはまだ終わらない。
「は?」
>その気持ちはわかる
>ガチトーンで草
>がんばれ♡
「お買い上げありがとうございます。それでは、第三段階の市場散策、頑張ってくださいね」
「待ってミーシャ…え?これマジなの?」
「はい」
>マジだよ
>夢じゃありません…現実…これが現実…!
「っはぁ〜…………そっかぁ……」
これにはシェリーもげんなり。
「……シェリーがEXルートに突入したため経験していないだけで、第一話もこのような面倒さでしたよ」
「てへ☆」
呆れの含んだ呟きに返すのはキラッと
「パンチっておいくらですか?」
営業スマイルバイオレンス質問。そしてシェリーもあっけらかんとこう返す。
「赤スパチャ一回」
>\\[スパチャをすればシェリーを殴れると聞いて]//
>\\[申し出は私の方が早かったですよ]//
>\\[ちくわ大明神]//
「おいい!!??」
そして流れる赤スパ連投。殴打予約は大人気。
「お金もっと大切にしろ!?」
>有名人を殴れる機会がこの程度の金で買えるなんて安いぜ!
>複数回やれば増える?
>ちょっと金おろしてくるから受付延長求ム!
「待て待て待て待てぇっ!」
口は災いのもと。赤スパで視界をブン殴られ、狼狽えるシェリーは後ろから狂愛のオーラを感じ取り動きが止まる。
「うふふふふふふふふ」
>ひっ
>\\[降ろしてきた!]//
>お帰り
ぎこちなく振り返った先。光に還ったフェールドの代わりにミーシャが取り出したるはミスリルの小槌。もちろん新品だ。
>おお、ミスリルとは高いやつじゃん
>どうしてお前はそんなに普通にみているんですか…?
>トイレいけない
「この"子"のハジメテ、貰ってください♡」
可愛い笑顔。狂気じみた声。合わせて混ぜて狂愛のミーシャ。そしてスッと近寄って、振りかぶって……
「こいつやべぇぇぇぇぁぃったぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!?????」
カァァァァァンンンンンッッッッッ!!!!!
>コレセーフなの?
>本人が言ったから仕方ない
>アイツが勝手に言っただけ
血がないだけの殺人事件。ここがフィールドならばリスポン確定の見事な一撃。石畳に伏したシェリーはピクリとしか動かない。
「んんっ……良い叩き心地でした。ありがとうございます♡」
>かわいい
>SWORD配信の中で一番可愛いシーンかもしれない
>シェリーェ…
スッキリした様子のミーシャはお辞儀をし、クリエナを補給し回復したシェリーはヨボヨボと立ち上がる。ついでに切り抜き担当はこのシーンを見たせいで笑い、死んだ。
「へ、変態がよ……」
「二発目の購入はよろしいですか?」
「一人一回までです!!!!!」
>そんなぁ!
>もっと叩きたかったのに!
>叩くのはいいのか……
流石にもう一回は色々死ぬ。そんな心底からの叫びが響く。
「ふふふ。では、第三段階行ってらっしゃいませ。それを見つけ終えれば第二話に進めますので」
「……わかった」
そしてまたアテもない散策に戻ったシェリー。雑談しながらなので暇ではないがマンネリ化は避けられない……
>次のコラボ予定は?
>バレ様!
「んんー、んー……次か、その次の配信。もし予定が合えば……かな」
>歯切れ悪いな
>何かあるの?
「んーん、こっちの都合、かな。メンバーは……ゴソウゾウニオマカセシマス──」
「やぁ…そのお嬢ちゃん、こっちよっといで……」
「──え?私?」
>お
>長かったな
呼びかける声に振り向くと、そこにいたのは怪しい老婆。しかしながら周囲はそれに違和感も抱かない…どころかシェリーのことすらも認識していないように感じる。つまりイベントエリア。そのことを察したシェリーは……
「………………………」
どこか聞き覚えのある老婆の声に内心爆笑しそうになりながら普通の顔で接する。
>よしよし
>この老婆地味に好き
「お嬢ちゃんには不思議な運命があるね……よし、お嬢ちゃんにコレをあげよう…」
そう言って老婆から手渡されたのは水色の琥珀。内部には光の珠が封じられている。
「ありがとー、それで。コレは?」
「ふふ、時がくればわかるよ、お嬢ちゃん。それと…」
「それと?」
「神殿は大切にね……」
「…………あっ、はい」
──
ストーリークエスト
2-1-3
[ビオーレ市場にようこそ!] CLEARED
特異な依頼はまだ冒険者ギルドには存在しないようだ。この街の名所、ビオーレ市場に行ってみよう。
2:ビオーレ市場は今日も活気に溢れている。ここならいいものが見つかりそうだ。あるいは、手持ちの素材をお金にできるかも。
購入:10000/10000C(CLEAR)
売却:10000/10000C(CLEAR)
3:市場の中を見て回ってみたが、ギルドにはまだ得意な依頼は届いていないらしい。もう少し、市場の中を探してみよう。
CLEARED:あなたは謎の老婆と出会い、琥珀の贈り物を受け取った。新たな依頼が出現していないか、そろそろギルドに行って確認してみよう。
報酬:琥珀の贈り物
──
「…ん、あ、いなくなってる」
クエストウインドウに視界が邪魔された隙にシェリーは元の市場へと戻っていた。老婆の店も消えている。
>コレでギルドに行けばクエスト受けられるぜ
>シェリーは厳しそう
>wktk
「私が苦戦する?ははは冗談きついぜ」
>言ったな?
>嘘だったらハリセンボン喰らわす
「やれるものならやってみなー!」
>\\[E:針千本バット]//
>草
>殴るのか……
「ああああっもう赤スパサービスキャンペーンは終わり!終わりね!!!」
>そんなー
>10件以上来てるの草生えるんだ
さらなる苦しみが確定し、ようやくギルドへと戻ってきたシェリー。クエストカウンターでちょっとヤバそうな依頼ない!?と
──
ストーリークエスト
2-2
[湿地に跳ねる影]
ネニール湿地にて新たに確認された大型モンスターの調査依頼。このモンスターはどこか様子がおかしいらしく、もしかすると異世界の化物かもしれない。
報酬:5000C
──
「……あまりに不確定すぎる」
>生態未確定がついてそう
>乱入クルー???
とはいえストーリークエストなのでもちろんシェリーは受注を選択。ネニール湿地には南門から行けるらしいので再び歩きで移動する。
「湿地かぁ……」
>嫌なのか?
>オファニエル的にか
「そーそー。地面が緩いと多分…オファニエルで移動できない」
>[あの、そろそろ新装備の性能を確認していただけませんか]
>忘れてた
>草
「ああ、そうだねごめんごめん。殴られた衝撃で忘れてた。えーとどれどr………」
取り出した新装備の情報を見て、シェリーの動きが止まる。ミーシャ、何やってんの、と。
>おいシェリー黙るな?
>何か変なことが書いてたのか
>気になるからはやく話せ
「魔核武装……」
………。
>[ファンからの投げ銭です]
>なんで??
>ガチ勢……
無言でスッとカメラの前に情報が出される。
──
[フォレスト・チェイサー]
カテゴリ:忍具(魔核装備)
属性:森
スキル: ハンティング・ジャー
──
[ハンティング・ジャー]
スキル:位置の固定されたフックの場所へと移動する。移動中に攻撃を受けても解除されない。フックが破壊された場合CTがリセットされた上に2倍になり、終了時自動でスキルが使用されてフックが発射部に復活する。CT30秒。
──
クマの腕部分をベースに、飛んで突き刺さる針と固定用の顎が合わさった……速い話がフックショット。地味にシェリーの装備とは枠を食い合わない補助装備枠で、ミーシャはコレを大会のシェリーの動きを思い出しながら作った。
>[次の箇所は苦労すると思いましたので、シェリーの移動を助けるアイテムを用意しておきました]
>魔核今高いのに…
>生産勢上位からぶん投げられる強強装備
>裏山C
「やられた方が引くんだけど……って待って、やっぱ予想当たってる?」
>[フレに呼ばれたので落ちます]
>逃げた
>華麗に逃げた…
>VCでないのにわざわざいうのか草
「………気を取り直して、行こっか!」
シェリーは改めて南進再開。徐々に近づいてきた門をくぐれば、新マップのネニール湿地に到着だ。目標は、きっとここにいるはず──多分。きっとね。
〜〜〜
Tips 移動と転移の表記の違い
移動:速さはともかく引き寄せられるように動く効果。ある程度は勢いに対してレジスト可能。移動完了できなくても効果時間が終了したり任意のタイミングで解除可能だったりする。
転移:効果が発揮された瞬間指定地点に出現する。まぁテレポーテーションみたいなもの。起動さえできれば物理的影響は無視できるぜ!
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