大会-9 変態に空中を与えないでください
「よっ、と 危ない危ない……」
燃料を気にしつつも上空からの索敵中、想定通りマグナムが飛んできたけど回避。そーしーて……弾道逆算。
「オーケー、撃たれた。場所は──」
撃った場所に、ヤツは"いた"。
『わかりました。そちらの方向を重点的に索敵よろしくお願いします』
「りょーかい。私は上を飛び回っておくから、下はよろしく」
『おう!任せとけ!』
今の私はボディ寄り。序盤からボディの強さを活かしつつ、リソースが回り出す中盤も相手を抑えながら戦う型。ってな訳で、この1Rはアリサと私が活躍しないとね。
「よーっ、とーらー、せっ」
二段ジャンプとジェッパのホバリングでビルの上を跳んで飛んで。周囲を見回してたらそろそろくるか…
「なっ!」
飛んできた弾丸を抜刀ブレードで切断。スコープの光の反射が見えてたから助かった。
「業務連絡、スナイパーは隅っこのビル屋上にいる!」
『わかった。潰してくる』
『バレぴいってらぁ〜♪』
もしこれが3R以降なら弾速が速すぎて切れなかった……アリサはなんでマシンガンもいけるの?
「はーほんと。居合抜刀術習得しておいてよかったよ……」
アリサの父上マジアリガト。それで私はトントントンと飛び移って、敵陣らしき方向に向かっていってる。今見つけてるのはカップ麺、ポテチは場所予測がある程度ついてる。枝豆とビールはコストがいるから気にしなくていいとして。
「一番出会いたくないのはコーラだよね……」
だってあいつ、耐久捨てて散弾連打してくるからさ。耐久低めな私にはかなりきついよね……ってなこと考えてたらポテチが撃ってきた場所に到着。何かしら痕跡が残ってるといいけど……
「『見つけたァァァァァァ!!!!』」
[A-RI-SA]Blake[ビール]
「即死してるし……」
乗り物買ってなかっただろうビールはアリサにシバかれて即死。微かに消えゆくポリゴンが見え……殺気!
「ぶなっ!?」
小ジャン二段で緊急回避、致命は避けたけど……重なるようなドパパァンって発砲音は。
「オイオイどうして気づいたぁ…?」
「コーラ……」
茶色のツインテールに赤い服。ギザ歯で白い瞳の少女が旧式の中折れショットガンを両手に、両腰には刀のようにまたショットガンをぶら下げて、太腿にもソウドオフ。足も……少し試してみたけどめんどくさくてやめたガンシューズ。っていうかどれだけ武器積んでるの
「私が言えたことじゃないけど、武器積みすぎでしょ」
「ハッハッハ、確かにオレに言えたことじゃねぇよなぁ…じゃ、殺るかぁ」
「すごいたたかいたくない!」
前に二段ステップ、右手で居合左手でクイドロ。シャッガンは放射状に飛ぶから至距離なら…ギリギリ有利!
『場所は何処です?』
「ポテチのいた場所!」
顔の横で鳴る発砲音がう る さ い!っていうか銃身に刃つけて剣にも使えるようにするとかなんだこの変態!? 鍔迫り合いになっちゃったんだが!
「オイオイ一騎討ちに横槍を入れさせんのかぁ?それでも配信者サンって言えんのかよぉ〜?」
「勝てば誉は手に入る!」
っていうかいつ一騎討ちって言った!?
「あぁぁぁぁもうっ!」
このオレっ娘がよっ!!!見た目も声も完璧にロールプレイしてるんじゃないよカワイイなクソが死ねぇっ!
「喰らえや鉛!」
迫りを返して体制を崩したところに鉛を一発。右膝を狙ったけど……
「言ってちゃ世話ねぇ!」
ガンシューズで強引に回避された。しかもその返し刀にまだ撃ってない足からのシャッガンプレゼント。ここはマトモに受け取っちゃうな!
「二段かーらーのー」
ステップ踏んで上に飛ぶ、斜めに打ち下ろしてるからその上にいけば幾らか避けられる。
「リロード長いんだよねそれ!」
ガンシューズは機動と攻撃を兼ねられるけど、代償はデカイ。系統としては二段に近いものの銃だからリロードがかかる分時間がかかるし、方向の制限もキツい。ってなわけで私は二段で回転して踵落とし。
「──っ!」
コーラを屋上に叩きつけて腹部を削る。そのまま踏みつけて両手を撃つ。まだ私の方が上でよかった。
「そりゃあ射程も火力もそっちが優秀だろうけど、機動と手数は私の勝ちだかから」
損傷軽微。制圧完了。……見た目が少女だから踏みつけてるのって凄く……背徳感を感じる。
「チッ……
「どうせ後で戦うことになるだろうから、楽しみにしとくね」
そして、リボルバーの引き金を……
『シェリーさん、避けて!』
「はぇ?」
えっなにスターシャ!?
「言ったろ?
『枝豆が
なるほどね。
「わーお……これはナイスパイナポー……」
私の目の前に飛んでくる手榴弾。これには全私がお手上げだよ、マジで。
[枝豆]Blake[Sherry]
[枝豆]Blake[コーラ]
[Stasia]Blake[枝豆]
──────
『1-0』
「許せねぇ…………」
せっかくハードボイルドにキメようとしたのにさぁ!!!!
「ま、勝ったしいいだろ?」
「……うん」
あの後、アリサがポテチをぶっ飛ばしてバレっちがカップ麺を潰して、普通に勝利したけど。いや悔しいのは悔しいじゃん、って話で。
「エェダァマァメェ……」
置き土産だけじゃなくて配達までこなすとかほんと……ほんとお前ほんと………
「……まぁでも、あっち側のリスポンポイントの位置は大体掴めた」
撃ってきた場所と時間から推測するに、私の死んだビルの近くだろう。
「襲撃、する?」
バレっち物騒なこと言わないで、確かにしたいけど
「いや、それよりもっといい方法がある。スターシャ、プランNでよろしく」
「………N……あ、あぁ。はい。わかりました。確かにそちらの方が有効そうですね」
「最低プランCでも大丈夫。深夜テンションの拠点周囲にNPCを置いて暴れさせればいい」
ククク……NPCの使い方というものを思い知らせてやるぞ……虫ケラどもめ……
「悪役みたぁな顔してぇけど…可愛いままよ?」
「シャラップ!」
バシィッと叩きつけるように準備完了。ラウンドカウントダウンがスタート。
『5』
「アリサー」
『4』
「なんだー?」
『3』
「投げて」
『2』
「何処に?」
『1』
「上に」
『GAME START!』
「了解っ!」
「センキュー!」
開始と同時、アリサに俵みたいに投げられる私。二段で方向を調節したら、今度は全力で相手の元に。ジェッパはうるさいからちょっと控えめで。移動もスタイリッシュにしたいけど、流石に魅せに実利が伴わない。
「さてと」
前任者の私がやられた場所に到着。流石に待ち伏せはなし。それで……うん。バイクの音がする。下に降りてチンピラ共から情報収集。
「ヘイそこのイカしたにーちゃん、バイクどっちに走ってった?」
「あぁ…?あぁ……あっちだ」
「ありがと!」
「あ、おい!」
パーフェクトコミュニケーション。ってなわけで追いかけるぜ全力疾走。地上の障害物は飛べばいい。っとスターシャから通信…
『……ホークネストと交渉成功です』
「よくやった!」
スターシャに向かわせておいたプランN……即ちNPCとの
「じゃあアリサ、警察襲撃して」
『おう!』
警察もそちらに誘導してぶつけることで、人為的に抗争を発生。ただでは出られないように仕向ける。所詮深夜テンションは陰キャの集い、交渉に関しちゃ私らが有利。響くサイレンの音が、地区中に響く。
「って見つけたぁ!」
スクーターに2ケツしてる少女2人を発見。ありゃ…ポテチとビールか。
「し、シェリーちゃん!?」
「飛ばすよ、ウチに捕まってよねポテチ!」
「お前らは可愛い系ボイスなんだなって逃さん!」
ジェットパック起動。温度はヤバいけどここで削りたい。
「来ないでっ!」
「怖っ!?」
ダァンッ!と飛んでくるマグナムをバレルロールで躱し、両手に持ってきたリボルバーを連射。爆死覚悟だからさっさと使い切る。
「きゃぁぁぁっ!」
叫びながら淀みなくリロードをしながら次弾を叩き込んでくるポテチ。
「大丈夫、まだ当たってないから!」
そしてビールの運転するバイクは裏通りに入った。あれ、ビールが運転って飲酒運転じゃない!?
「しかし追いにくい…!」
コーラは走行、ポテチは攻撃にそれぞれ専念できるから、かなり、ヤバい。いくら私の質が高くても、数で押されたらピンチになる!
「らぁぁぁっっっしゃぁぁぁ!!」
鉛を切って着地して前転、ジェッパ再点火しながらブレード振り回して落とされてきた瓦礫を破壊。破片をキックしてシュート。二段で加速して回転着地、またジェッパ吹かして加速。
「いい加減そっちもミスれよっ…!」
割と今の動きでヒートがピンチ。これ…自爆狙いの方が良さそうかも。
「ウチが運転ミスるとかない!」
「ビールちゃんはさいきょーなんだからっ!」
「バカっぽい言動しながらっ、的確に狙ってくるな!」
今度は鉛を弾き返す。いくらマグナムでも流石に耐えた。っていうかチンピラ共どけよオラァ!
『OVER HEAT 90%』
「────ッ!」
装甲の隙間から漏れ出る煙。赤熱する足。あぁ……熱いッ!
「ビールちゃん!シェリーちゃんが煙噴いてる!」
「了解だよポテチっ!」
そう言ってビールはバイクを加速させた。なら……仕方がない。
「逃げたドラネコぶっ殺しRTAはーじまーるよー!レギュ?計測時間は殺すか死ぬまで!」
「え、えぇ!?」
「うそやろ!?」
まず手始めに数少ないジェットパックの燃料を全て注ぎ込みます。
『ちょっ、シェリーさん、今聞きづてならない事が聞こえたのですが!?』
「ははは悪い私死んだ!」
推進力が2倍くらいになるから接近。バイクの後ろに捕まりたいところだけど、その前にリボルバーの妨害が入るからブレードで壊しておがないと急所やられて死ぬから注意。
『OVER HEAT 95%』
「──路地から出るよ!」
ようやく狭い道を抜けて道路の上に戻ったけど、このチャートには関係ないから続行。
「つぅかぁまぁえぇたぁ……」
「怖いぃぃっっ!!」
そして掴んでない方の手でブレードを抜刀、乗っているドラネコを斬る。この時ジェッパは吹かし続けておいてオバヒでのリカバリーも狙っておくと強いかな。
「死っ──」
『OVER HEAT 99%』
あとは、斬る。切る。殺る。だけ。
「カップ麺ッ!」
「ne」
[カップ麺]Blake[Sherry]
……………えっ、自爆直前で、急所抜かれ…? あっ 手に力が入らない落ちっ────。
〜〜〜
シェリー、チャートミスったので再走確定です。お疲れ様でした。
Tips パイナップル
みなさんご存知とある手榴弾の異名。転じてまぁ手榴弾全般に使われ……つか……つかわない?
実際のところは使いづらくてすぐ消えたらしいんですけどね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます