大会-8 15禁なのでセーフです
バ美肉中の深夜テンション達が微笑ましく喜んでいる姿が画面の外に消え、特設の実況者席に画面が変わる。
『いやぁ……白熱した戦いでしたね。深夜テンションによるNPCを利用した不意打ち、それに対する監視カメラなどを用いたカウンター作戦。そして最後は……』
>スパロボ
>激突ロボット!
>ドリルの出番だ
『質実剛健ならぬ実色剛健なルームサービスに対し、色物揃いの深夜テンションの奇策──浪漫を押し通しました』
>奇策言うたぞw
>だって……ねぇw
>ドリルもロケパンも実用性は薄いのよ
ロゼッタははて何のことでしょうと笑い、カタリアに主導権を渡す。
『実況の私もつい思わず見惚れてマイクを落としてしまいましたからね……本当に、見事な戦いでした』
>草
>仕事道具でしょ!?
>なにやってんだ…
『ははは。さてッ!泣いても笑っても次の試合がエキシビションマッチ決勝となりますッ!』
>逃げたな
>決勝だ〜!
>来るぞくるぞ〜!
『対戦カードは皆さんお分かりでしょうが、改めて振り返りとご紹介を行なっていきましょう!』
そう言ってカタリアがパチンと指を鳴らすと、二つの顔写真付きのウインドウが宙に浮かぶように現れる。
『まずは『産業革命』ッ!2ゲームに渡って素晴らしい作戦を展開して見せました!』
>検証とかしたんだろうけどよく考えたよなぁと
>負けラウンドとはいえちゃんと面白かったしな
『武士道会とのマッチでは敢えて強いタイミングは抑え、後ろから捲る追い込み戦法。ボディとアームズの強さ関係を示してくれるいい手本でしたね』
>ワープ!?
>金船は帰れ
>稲妻かもしれない
『そうですねロゼッタさん、銃は剣よりも強しとは言いますが、最初からマックスパフォーマンスを叩き出せる武士道会がラウンドを先取。しかしそこから抑えていたコストを解放し大逆転、無事に勝ち上がりました』
>予算開放!
>金はいくらあってもいいですからね
>一部は耐久も切り詰めての構成だったしなー
『そして第二試合はカレイドモール、同じ銃使いであるハーモニーに対し、産業革命、今度は序盤からアイテムを集めリソースを利用する作戦に出ました』
>速攻だったなぁ
>作戦…?
>勝てば官軍定期
『暴走カートによる奇襲に始まり、薬品調合。食べ物のバフを利用しての戦いはカレイドモールの特性を最大限まで利用した戦いだったと思います』
>まぁ、確かに?
>ハーモニーは使ってる暇なかったからな
>先手打たれまくったのはある
『先んじてリソースを集結させた地点で敵を待ち構える、時間制限のあるこのゲームであればかなり有効な手段でしょう』
『反撃に苦戦こそしましたが結果を見ればストレート勝ち、プロの強さを見せてくれましたッ!』
>ワールドバンカー、俺使ってみようかな
>当てられないに一票
>使う前に死ぬに一票
>やめろ!w
『そして対するは深夜テンション。こちらは常に自分のペースを維持したように思いますが?』
『真面目に巫山戯る。そんなプレイスタイルが如実に現れた戦いでしたね』
>そだねぇ
>金のためならなんでもするがなんでもするとは言っていない
>どうして女の子のRPが超上手なんですか?
『交通量の多いルトーロ地区では走る車両を攻撃し渋滞を引き起こしたり交通事故を多発させて撹乱、チームで襲いかかる虹色戦隊を乗り越えて勝ちをもぎとりました』
>賠償額高そう
>わかる
『虹色戦隊も戦術などは悪くなかったのですが、惜しくも負けてしまいました』
>お き み や げ
>これがみちずれですか
>でもそこに誘導し続けた技術と理解力もすごいよな
『そしてユニバース・ランドの戦い。こちらもプロの傭兵相手にまさに"おかしな"戦法で立ち向かいましたよね』
『そうですねw 1Rは通常通り得意な戦法で戦いましたがやはり地力の差で押し切られ敗北、そして2Rからは子供に完全に扮しての不意打ちが始まりました』
>殺ったね!(ハイタッチ)
>うーん、サイコパス
>頭おかしくないとゲームやってられへんで
『見破られた後はカウンターを決められ最終ラウンドまで持ち込まれましたが……』
『互いの予算をここで全開放!金属装甲に互いが身を包み、夜空の下で大・激・突!煌びやかなパレードさえも背景にし、私の少年心が大・興・奮!』
>急にどうした
>興奮してきたな…
『武装の穴を浪漫で押し通す、そんな夢のような戦いでしたっ!』
『カタリアさん、まだカメラ回ってます』
『お、っと……取り乱しました。それでは、準備できたようですので次のマップを見ていきましょう』
ロゼッタの平然といつもの調子で語り直すカタリア。スタッフの指示で振り返りは終わり、来たる決勝戦に備える。
『決勝戦のマップは………こちらっ!』
ランダムに回る光景が止まり、ネオンサインにサイバー広告が無造作に乱立する通りが映る。
>ん、んー……?
>見覚えがあるような
『サラボ地区っ!ここは……おっと、これ流しちゃって大丈夫でしょうか?』
>聞くのか
>えぇ…
『大丈夫です。この配信はr-15なので』
>気にするところはもっとあると思います
>ねーちゃんが見える…
『なら安心ですね! それではこのマップの紹介よろしくお願いしますっ!』
『このサラボ地区は所謂"歓楽街"です。表には様々な風俗店が並んでおり、この画面のように非常に綺麗に映るのですが……裏通りに入ればチンピラどころかグループ、果てはマフィアの巣食う場所になっていた、なんてことがありえます』
>なにそれこわい…
>おうニイちゃん、ジャンプしてみい
>お金貸してーな
『親父狩り……うっ頭が…』
『カタリアさん、それは古いです。なので……このマップではNPCとの三つ巴戦になる可能性がありますよ。このメンバーなら……非常に騒がしくなりそうですね』
>せやな!!!
>前科者しかいないからな……
>暴走するぞ 暴走するぞ 暴走するぞ…!
『そうですね……では、開始までもう少しお待ちください……って、珍しいですね?』
『……確かに。ですがこれまでカスタマイズをあまり行わずすぐ開始していましたが普通はこうですからね、こう』
>それはそう
>だな…
>待つしかないなー
>楽しみ楽しみ…
そうして配信が盛り上がっている間にもサラボ地区へと、二つのチームが降りたつのだった──
──(視点変更配信画面→シェリー)
汚れた壁に乱雑な調度品、ある意味落ち着くリスポーン地点だけど。
「うっわぁぁぁ……」
窓から見える景色は治安
「シェリー、準備完了はまだ押さないの?」
「…ん、ああ、ちょっと待ってね」
バレっちに急かされたし。くそっ、このゲームの景色め。やたら面白いんだよ、見てて飽きねえ!
「おー?シェリー、ボディ変えるのか?」
「うん。ここは"アサシン"に向いてないからさ」
ってなわけで、バークナイトのシェリーはジョブチェンジ!暗殺者から──腰に高周波ブレード、太腿にリボルバー、背中にはジェットパック、そして脚はやっぱり大好き二段ジャンプ──即ち!
「どじゃぁーんっ、スーパーナイスなバトルスターシェリー爆誕っ☆」
私なら遠中近、どんな距離でも対応できる!っていうか、離れて芋ってたらジェットでぶっ飛ぶだけだし。靡くマフラー、マント、いや羽衣?っぽいこの布、地味にこだわりポイントっ!
「おぉ〜っ、シェリちゃんサイッッコーにカッコイ〜ッ!」
「派手ですが……ええ、似合っています」
「ありがとありがと。いやーしっかし……」
双剣に二丁リボルバー、それとコスト貯まるまで使えない"
「武装過多。シェリー、大丈夫?」
「……問題なし!」
強いて言うなら耐久が低いことくらいかな。でも今更気にすることじゃないし。私も、準備完了をPUSH。カウントダウンが始まる!
『5』
「んーっし、シェリーと肩を並べて戦えるな〜♪」
『4』
「……援護できない距離までは行かないでくださいよ」
『3』
「わかってるわかってる」
『2』
「シューターゲームなのに、近距離多くなっちゃったね」
『1』
「なぁに、今更ぁよ♪ウチぁ、楽しゅぅ遊べりゃよきよき☆」
『GAME START!』
「よっしゃぁっ!突っ込むぞテメエらーーーっ!!!」
燃料ゲージ点火、出口から出て速攻……私は、空を翔ぶ──ッ!!!
〜〜〜
Tips
ジェットパック
評価:便利だが……
ヒート量:大
CT:無し
備考:燃料ゲージ追加
ラウンド経過ごとにリセットされる燃料ゲージがなくなるまでの間飛行可能。形状によって飛行特性が異なるが、この解説では省く。殆どのものは炎を吹いて飛ぶ系なので熱量が大変多い。使いすぎるとかなり爆発しやすい。
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