第9話 悪夢
性的な表現があります。苦手な方、未成年の方は見ないことをおすすめします。
一番下にこの回のあらすじが書いてあるので、苦手な方はご覧ください。
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あの後、帰ってきた家族にも変な男のことを話して、いっぱい心配してもらって、少し安心しながらベットで眠った。
次の日から、家族に心配されながら家を出たら制服の美夏が居て、一緒に学校に行ってくれる生活をした。まぁ学校同じだし、昔から変わらない生活してたけどね。
そのまま2ヶ月…視線はたまに感じるけど、特に事件も無く…正直ちょっと油断してた。
だから美夏の言った─
「ごめん。今日突然先生から用事頼まれて、ちょっと待っててくれる?」
って、私への言葉に
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ!気をつけたら1人でも帰れるから!」
なんて慢心を含んだ返しをしてしまった。
早く帰りたかったのは、確かにストーカーが怖かったのもあるけど、一番はその時あってた魔法少女のアニメを見たかったから。内容はなんてことはない。普通のアニメ。普通の女子高生が不思議な力で怪獣と戦い、人を助ける。弱きを助け、強きを挫く。そんなありふれた正義のヒーローに…高校生にもなって憧れてしまったのだ。
(私が強かったら…美夏にも、家族にも心配させずにあのストーカーを倒せていたら…)
帰り道、そんなありえない妄想を繰り返して、ニヤけて、その結果注意が散漫になっていることに気づかなくて…
だからなんだろうね。
いつの間にか背後から近づいて来ていた黒バンが停まって、私は車の中に引きずりこまれた。口に…多分睡眠薬でも塗ってあったハンカチを当てられて……そのまま私の意識は闇の中に墜ちていった。
─次に気がついた時には手足と口を縛られ、結構大きめな…倉庫みたいなところに放置されてた。すぐにさっきのことを思い出し、自分が誘拐されたことを悟った。
「ん?!んー!!」
私は口に巻かれた布越しに叫んだけど、無駄だということに薄々気付いていた。車の音、人の声は聞こえず、代わりに鳥と蝉の鳴く声が倉庫内に響いていたから。
誰に捕まったのか、これからどうなるかも分からずに、ただもぞもぞと体を動かしていたら、扉が開いた。そしてそこから、4人の男が入って来た。
「あれ、起きてるじゃん。おはよー」
「ちゃんと見るともっと可愛いなぁ…」
「ふひっ…この体を…」
「結構苦労したな」
3人は知らない人だけど、1人は見覚えがあった。私のストーカー男。相変わらずニヤニヤした目つきでこっちを見ている。
「んー!!んっ!!」
「お〜、なんて言ってるかわからんな。」
「誰もいないし口は取って良いんじゃね?」
「あ〜確かに。じゃお前、頼むわ〜」
「んなっ!俺かよ…まぁ良いけど」
男達はそんな話をして、私の方に近づいてきた。思わず、体を動かして後ろに下がろうとする。
でも、体を縛られて逃げられるはずもなく、男にあっさり抑えられた私は、口の布を外された。
「あ、あなた達…誰!も、目的は何?お金?」
「ふへへ、嬢ちゃん。本気で言ってんのか?男が女攫ってやることなんて一つだろ」
「純粋?可愛い〜」
「ま、これから大量の男どもの相手して貰うからすぐにド淫乱になるけどなw」
血の気がどんどん引いていった。これから起こる未来を簡単に想像出来てしまった。それに最後の男から出た言葉、大量の男の相手…まだ仲間がいるという事実に、私の心は折られてしまった。
「ぃや…やだ」
「やだ。だって可愛いな〜」
「まぁそんなこと言っても辞めたりしないけどな」
「まじで苦労したしな〜。この辺りでマジの美少女がいるってんで調べて、攫う機会を探ってたらこいつがヘマして警戒されるし。その後も友達ちゃんが一緒にいるから攫えなかったしなw」
「すげぇ警戒だったよなwま、結局捕まったんだけどな〜w」
男達に怯えていると、女の子を追い詰めている状況に気持ちよくなったのか、ぺらぺらと裏事情を話出した。だからと言って私は警察じゃないし、まだ高校生の女に出来ることがあるはずもなく、ただその気持ち悪い話を聞くしかなかった。
「ま、話はこのくらいで良いだろ。じゃ、そろそろ始めるか。」
「─ぇ?」
「街で有名な美少女ちゃんの強姦タ〜イム」
「ぱちぱちぃ〜」
「この子多分処女だろ〜?最初行きたい人っ!!」
「はいっ!」
「俺!俺!」
「こんな美少女の処女ならいくらでも出せるわ〜」
「まじか、やっぱり全員行きたい?じゃあじゃんけんだな」
「うぇ〜まじか。」
「っしやるか〜」
「行くぞ〜はいじゃ〜んけ〜ん─」
目の前で私を襲う宣言する男達。私は恐怖で声も出せず。ガタガタと震えていた。
「よっしゃー!俺が最初!」
「ッチ。速くしろよ」
「くそ…」
「ゃだ…やめて…」
順番が決まったらしい男達が一斉にこちらを見る。こんな危機的状況になっても、私の体が動くことはなかった。
「とりあえず服じゃまだな。ハサミかカッターある?」
「カッターある」
「サンキュ。やべ、勃起してきたw」
「きっしょwまあしゃあなしだろ。こんな可愛い子犯せるんだから」
男の手が私に伸びて来る。
「ゃだ!やだ!!」
「お〜元気だね〜」
「暴れんな」
暴れる私を抑えつけて、男が服に手をかける
そしてそのまま──切り捨てた
そのままブラも外され、胸の全てが露出した。男は切った服を投げ捨て、私の胸を鷲掴みにしてきた。
「うわ、超柔らけぇ!先っぽコリコリなんだけどwこれ勃ってね?w」
「んっ…やめて!あっ…触らないで!!やだ!」
「あ〜うっせぇ…さっさと黙らせようぜ」
「賛成〜速くしろ〜」
パンツだけにされ、胸を好き放題触られた私は、恐怖と羞恥で頭がぐるぐるとし、ついには泣き出してしまった。
「っぐす…やだぁ…やめて…ひどいことしないで…」
ただそんな涙程度で狼狽えるような奴らではなく。
「うわ…最高にそそる…」
「早く犯してぇ…」
「酷いことはしないよ〜。気持ちいいことはするケドw」
私の必死の抵抗は、返って相手の嗜虐心を煽るだけだった。
涙が止まらない私を無視し、男はついに私のパンツに手を向け、そのままパンツも脱がせてきた。
「っ!やだやだ!やめて!ごめんなさい!謝るからぁ!!」
「うわ、この子この状況で糸引いてるw」
「まじかw興奮してんの?w勝手に清楚かと思ってたわ〜」
「まあ好都合だろ。結局清楚でもそうなるんだから」
「それもそうかw」
「やだぁ…見ないでぇ…」
ヘラヘラと笑って私のことをバカにしてくる男達。嫌だ嫌だと何度喚いても全て無視。
助けて!助けて!と私は頭の中で、家族と、最愛の親友と、憧れの魔法少女を想像しながら助けを呼んだ。
「じゃ早速。いただきま〜す」
「やだぁ!やだぁ!それだけは許して!それだけは──うぁぁ!」
それでも、必死の抵抗虚しく。足を掴まれ、私はその男のブツの侵入を許してしまった。その時、ヒーローなんていないんだ、ということを理解してしまった。……最初に感じたのは、痛み。
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!)
次に感じたのは嫌悪感、目の前の男のモノが、私と繋がってると考えるだけで吐き気がした。
─それから、何回出されたか覚えていない。口も、髪も、手も、足も、胸も、下の穴も…全てを道具のように使われ、凌辱された。
その後、1日も経たない内に途中で男達の仲間が6人…追加で入り…その男達にも全身を……男に首を絞められて気絶した間も、私の体は使われ続けた。体にぶっかけられ、気持ちの悪い酸っぱい臭いが鼻の奥を刺激した。お腹だって何回も殴られた。何度吐いたか分からない。
もう声も、涙も出ない。いっそ殺してくれとすら思った。
そして──そして─
(あぁ…ごめんなさい。お父さん。お母さん。私は─こんな男達に。親不孝者でごめんなさい。…美夏もごめん。あなたの言葉を無視して、帰ろうとしたから。ちゃんと待っていたら……ごめん。ごめんね。)
諦めが私の中で募り、絶望と後悔が胸中を支配していく中─
(殺してやりたい。こんなやつら、憧れのあの一人なら──)
『強烈な願いを確認─個体名"
奇跡が起こった。起こってしまった。
その時、体の中で何かが変わる感覚がした。
『─個体名"
言葉が頭に流れ込んでくる。力が、全身を巡るのを感じる。髪の色が変わる。綺麗な─いや、男達の汚い汁で汚れてくすんだ黒髪が、ピンクの…私が憧れたあの魔法少女のようなピンク色に変わった。
「ふへっ、こいつ何も喋らなくなったなw」
「最初は喘ぎ声も叫び声も聞けたのに…つまんな。俺一旦休憩するわ〜」
「おう了解。俺はもう一回──」
「あ?どうし──た?」
振り返った男が目を見開く。無理も無いだろう。さっきまで喋ってた男を含め、自分以外全員の首が飛んでいたからだ。
「殺す」
「は?え?─お、お前、拘束は…それよりこいつら─し、死んで─」
「黙れ」
「ひっ──なんだお前─」
さっきまで私のことを笑いながら犯してきたやつとは思えないほど、男の顔は引きつっている。いい気味だ。そのまま死ね。
私は目の前の男に近づき、首に手を伸ばしてそのまま───折った
ばきっと…音が虚しく誰も居ない倉庫に響く
それは男達にとって一瞬の、少女にとって永遠にも感じた地獄の終わりを告げる音だった
その後、倉庫にあったホコリまみれの布を被って家まで帰った。ふらふらとした足取りで、異臭を漂わせながら。
家に入ったら、お母さんが悲鳴を上げた。それはそうだろう。丸1日以上帰って来なかった娘が、裸に布一枚、ボロボロで、何があったか簡単に想像出来る姿で帰ってきたのだ。
お母さんはすぐに私をお風呂に入れてくれて、私は無駄かもしれないと思いつつ、必死で中から男達の汚い汁を掻き出した。
避妊用の薬も一応飲んだ。男達の、誰のか分からない子供なんて孕みたくなかった。病院に行って、奇跡的に子供は出来てないみたいだったけど、しばらくの間入院することになった。カウンセリングも長く続いたけど、私の心が完全に晴れることは無かった。
私の親友は、お母さんからの連絡を受けてすぐに飛んできた。扉が間いた瞬間、私に抱きついてきて、泣きながら「ごめんね、ごめんね」って、何度も何度も謝ってきた。私は見てられないほど傷心した彼女を見て、久しぶりに声をあげて涙を流した。私も何度も謝った。「ごめんなさい!ごめんなさい!美夏の言う事無視して…ごめんなさい!」って。美夏はそのたびに、涙が溢れていた。
その後、ニュースを見てびっくりした。世界中にモンスターと呼ばれる化け物の出現。その結果混乱に陥っていると。
私はすぐに理解した。あの時聞こえた言葉は現実だったんだと。私が10人の人間を殺したのは…現実だったんだと。だから家族と親友には、あのことを話した。ずっとどうやって帰ってきたら濁してたけど、隠す必要も無いと思ったから。私が人間を殺したこと、それを知って皆がどう思うかは分からなかったけど、今すぐにでも心の内を吐き出したかった。
話しをしても、皆の対応は変わらなかった。頭を抱きしめながら、良かった。おかえりなさいって…その時、また泣いちゃったけど、仕方ないだろう。
色々な人や物に傷を付けた事件だったけど、ひとまずは解決して、元通りの日常…って言うわけには行かなかったけど、家族と過ごせる時間が戻って来て…本当に良かったと心の底から思う。こうして、私の身に振りかかった悪夢は終わりを迎えた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「はい、これでウチの過去はおしまい。長いし、辛いし、面白くも無かったでしょ。」
「ひぐっ…ひっぐ」
「うん…ありがとう、話してくれて…それと…ごめん。軽々しく聞いて」
「いや!全然大丈夫だから!あの後美夏とも恋びt─あ、いや何でも…」
「うん。ちゃんと幸せになってたみたいだね…良かった。」
重く、苦しく、この世の理不尽を凝縮したような話しだったな…ストーカーに遭い、警察には見放され、誘拐され、強姦され…人間を殺した。逆になんでこれだけのことを経験して今の日織ちゃんの性格になってるのか疑問過ぎるけど…きっと家族と親友ちゃんが、全力で愛したんだろうな。
「ひ、ひどずぎま"ず…日織さんは何も悪くないのに……私達は絶対味方ですから。」
「うん、そうだよ日織ちゃん。私達は絶対に味方になる。辛いことがあったら遠慮なく私達に言って。」
「……うん、ありがとう。」
若干涙声になりつつ、日織ちゃんは返事をしてきた。嫌なことを思い出させてしまった。この世界に来てから後悔ばかりだ。あの時死んでいれば、ここに来なければ…この世界の人たちは傷つかなかったはずなのに。
「……そろそろ寝る時間だね。先に準備してて、私は外の空気吸ってくる」
「……あの、楓ちゃん、日織さん…今日は一緒に寝ませんか?」
「急にどうしたんだ?ルナ。」
「何だか…2人とも辛そうなので、私が癒してあげないと…って」
「…うん。そうしようか!ルナちゃんは可愛いなぁ…ありがとね。」
「……じゃあウチは準備してくる。」
日織ちゃんは多分寝室に入って行った。私はとりあえず外で整理しよう。思ったより…辛かったな…
──外で色々考えて、ご飯も食べてないことに気づいたけど、全員今日は食べる気分にはなれなかった。
だからすぐに寝る準備をして、皆で日織ちゃんのベットに入った。お花の、優しい匂いがした。
「ねぇ、日織ちゃん。その"ウチ"って一人称は…」
「…うん。なんか…ギャルって強いイメージあるじゃん?だから…自分を強く見せたくて…というか、弱い部分を隠したくて変えてるの…結構前からだから、癖になっててね」
「そっか…それで、昔の自分と今の自分を分けてるんだね…辛くない?」
「うん…大丈夫。たまに思い出しちゃうけど、そんな時は美夏のこと思い出してるから。」
「美夏…さんは、その…亡くなってしまったんですか?」
「……………死んだけど…一応会えるよ。」
「……………え?」
日織ちゃんの言葉に、時間が止まった。日織ちゃんは気にする様子もなく、話を続けた。
「外のお墓、あったでしょ?」
「あったね…だから亡くなったんだと思ってたんだけど…」
「死んだは死んだよ。寿命でね。この世界で寿命死は割と珍しいんだよ?ウチが守って家族と美夏はちゃんと寿命で死んだ。でも、それでも私は諦めきれなかったんだよね。だから──」
「だから?」
「
「……まじか。」
「異世界にもなかったですよね?そんな技術…」
え?こっちの世界進み過ぎじゃない?いや、それはそうか。私は異世界行ってたとは言えまだ20歳。対して今のこの世界の人たちは全員300歳オーバー…経験が違うわ…
「えっと…それ、私達も会ってみたいな、大丈夫?日織おばあちゃん」
「うん大丈夫だよ。ウチも2人のこと皆に紹介したいし。あと誰がおばあちゃんじゃ」
「ふふっ…2人とも元気になって良かったです」
「じゃあ明日やろうか」
「うん分かった。それじゃあそろそろ寝ようか、ルナちゃん。日織ちゃん。」
「はいっ!」
「うん…おやすみ」
今日は精神的に疲れたな…ちょっとモヤモヤするところもあるけど、今日織ちゃんが幸せそうなら大丈夫か……ってあれ?日織ちゃんが魔法使いの恰好してるのって、30歳まで処女だと──ってやつ?それを聞いて、自分が処女だと思いたいから魔法使いであることをアピールしてる…とか?……いや、これ以上は辞めよ。余計な詮索は、また不必要に誰かを傷つけそうだからね……それじゃ、私も寝るか!皆、おやすみ〜
────────────────────
日織ちゃんの過去はこれで終わりです!
ちょっと…書いててこっちまで苦しくなってきた…あとこの話割と過激だから公式様が許してくれるか…お願いします!割と濁して書いたところもあるんです!
てことで、どうなるか分からないけどこれからも日織ちゃんの応援よろしくお願いしま〜す!
それではまた
〈この回のあらすじ〉
日織が一人で帰る途中誘拐
↓
集団強姦
↓
魔法少女として覚醒。皆殺し
↓
家族、親友の元に帰る
〜〜〜
楓、ルナ、日織で話す(ここは過激な表現無いのでぜひご覧ください)
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