第2話 廃図書館で情報収集

皆さんどうも。楓です。

突然ですが世界滅んでました。なんで〜

まあ理由は女神様が言ってたんですけどね。なんかモンスターが流れ込んで来たらしい。しかも私の転移がきっかけで。

正直めちゃくちゃ罪悪感で押し潰されそうです。あの時素直に死んでたらな〜

まあ、そんなたらればの話をしたところで状況は何も変わらないわけで、とりあえず近くにあったボロボロの街に来て情報収集を始めた訳です。

立ち直り早いねって?メンタルの強さには自信があるんだよ……嘘です。ただのやせ我慢

本当は泣きわめいてどっかに引きこもりたいけど、ルナちゃんの手前そんなことは出来ないからね…

まあそれで、街に来た訳ですけど、こう言うとき何処に行けば良いんだろ。街のことなら市役所でも行けば良いのかな?


「ねぇねぇルナちゃん。情報収集って何処が良いと思う?」

「楓ちゃん…それ、この世界初心者の私に聞きます?こう言う時って先輩が教えてくれるものではないんですか?」

「確かにそうだ。流石に情報の波で疲れてるな。私。」


正直仕方無いと思うんだよね。異世界で魔王倒して5年振りに帰って来たら世界滅んでました〜って情報量多すぎだろっっ!!

でも流石に疲れ過ぎか。一旦落ち着こう。

こう言う時は深呼吸して…

ふぅ。落ち着いた。で、情報か。図書館とか行ってみるか?


「ルナちゃん、図書館とかどう?」

「図書館!?行ったことないです!行ってみたい!!」


あ、そうか。異世界では本は貴重だったから、王都のデカい図書館一つしか無かったんだよね。旅してたから行けるわけもないし…


「じゃあ図書館行ってみようか。」

「はいっ!!」


うん。可愛い。めっちゃキラキラした目でこっちを見てくる。ちょっと一旦ルナちゃんの可愛さについて語らせて。

まずルナちゃんからしたら初めての異世界で緊張してるのかなさっきからずっとキョロキョロして周り見てるの。倒壊したビルしかないけどね。で気になったことはどんどん聞いてくるの「ねぇねぇ楓ちゃん」って可愛過ぎない!?さっき地面に穴空いててそこにルナちゃんが躓いちゃったんだけどギリギリで私に抱きついてことなきを得たわけ。急に後ろから抱きつかれてびっくりしたけどルナちゃんの意外とデカいアレが背中に当たっててほんと最高。そして今は私の後ろトコトコ付いて来てるの。あの可愛い足で頑張って付いて来てるのめっちゃ可愛いんだけど。やばい無理。心臓止まる。あ"っ──────


「楓ちゃん……さっきから何ニヤニヤしてるの?ちょっとキモいよ?」

「うごぁっっっ!!!」


キモっ…キモいって言われた…そんなにニヤニヤしてたかな。もう駄目だ。ルナちゃんに嫌われたら私この世界でどうやって生きて行けば良いの…死ぬ?もう死ぬしかないか…


「ゴメンネルナチャン。スグニシヌカラ」

「楓ちゃん!?なんでそんな話になってるの?生きて!楓ちゃんが居ないと寂しいよ!」

「寂しい!?そっか〜寂しいのか〜…じゃあ仕方ないな〜」


死んでる場合じゃねぇ。ルナちゃんの可愛いところを最後まで網膜に焼き付けるんや。

……まぁルナちゃんの可愛いところはこのくらいで良いか。まだまだあるけどね!?語り尽くせないくらいはあるけどね?時間的にね?私は空気が読める女なのだ…


「あ、多分あれが図書館かな?場合的に」

「なんで分かるんです?」

「ふっふっふっ!私のスーパーp「そのさっきから持ってるスマホ?ってやつですか?」」

「…ウン。ソウダヨ。チズアプリッテヤツ。メガミサマスゴイネ。ワタシハ…」

「私にはさっぱりなので、使える楓ちゃんも凄いですよ?」

「はい回復。ルナちゃんは可愛いこと言ってくれるなぁ」


ナデナデしちゃう!

それはそうと本当にこのスマホ凄い。魔素を使って本物のスマホとして使えるし、実際今地図アプリで現在地と一番近い図書館の場所を調べた。どうやらここは元栃木県辺りらしい。で、一番近い図書館が30kmくらい離れてたけど、まあ旅してたし。勇者パーティーだし。全然余裕で移動できたね。

……ん?なんか図書館の前に居るな。数は5匹か…あれは〜


「うえっ、ゴブリンだ。」

「あ〜楓ちゃんゴブリン嫌いですもんね。」


ゴブリンってあれでしょ?女を孕み袋としか思ってない邪悪。昔アニメで女の子がめちゃくちゃにされるシーン見てから不快ではあったけど、異世界行ったら完全に同じ感じで無理になった。しかも基本集団行動だし、地味に頭が良くて罠とか張ってくるし…


「でも殺るしかないよね…近づきたくもないけど…」

「血は浴びないで下さいね?まだ身体洗えるところ知らないですから、最悪血だらけで過ごすことになりますよ?」

「絶対浴びない。…ていうかあれ?この世界って魔法使えるのかな?」

「多分使えると思いますよ?魔素さえあればどんな場所でも使えますから。」

「じゃあ魔法で倒しちゃお。本当に近づきたくないし。」


この世界初めての魔法を使う時が来た!

使う魔法は〜…ゴブリンだしあれで良いか。


火球ファイアーボール


とりあえず一番下位の炎魔法を放ってみた。

…うん。弱い。一瞬で引火して5匹とも焼け死んじゃった。良かった。


「よし、初戦闘はあっさりだけど勝利!図書館に入ろうか。」

「図書館…楽しみです!」


ーーーーーーーーーーーーー


「お邪魔しま〜す。ってうわ。中結構荒れてるね。…まあそりゃそうか。300年経ってるわけだしね。」

「でも凄いです!本がこんなに沢山!元々こんなに紙を量産出来たんですね〜」

「そうだね。本は〜…大分劣化してるね。もうボロボロ。ほとんど読めないね。」


なんだ。こんなにボロボロなら無駄足だったかも。でもせっかく来たんだし、探索して行こうかな。誰も居ない図書館…何かどきどきするね!


「ちょっと探索してみようか。何か見つかるかも。」

「分かった。何が居るか分からないし気をつけて。」

「は〜い」


何かないかな………う〜ん。特に何も見つからない。本も表紙が読める奴を優先して見てるけど、中身は全部ボロボロ。

あ、書庫とかに厳重保管されてたりしないかな?こんなに大きな図書館なんだし、保管してるやつくらいあるでしょ!


「えっと…ここかな?」


書庫って書いてある!当たり!鍵掛かってるけど扉ぶっ壊していいよね?

この世界には私達しか居ないのだから、捕まることも無いのだよ。

ふっふっふっ…私達が法だ。


「お邪魔しま〜す!ってうわ!?」


な、なんだろうこれ…巣?かな。めちゃくちゃ蜘蛛の巣が張ってある…家主は…


「っ!上!?」


カサカサっと動く音が聞こえ、咄嗟に上を向いた。ゾワっと鳥肌が立つ。そこに居たのは、天井を覆いつくすほどの蜘蛛の群れだった。


いや気持ち悪!!無理無理!なんでこんなに居るわけ!?多分アーミースパイダー…だよね。異世界にも同じ様なやつがいたし。あっちでは見える前に魔法で焼き払っちゃったけど、確か大人一人が簡単に拘束されるくらいの強さがあるんだったっけ…前は冒険者の人が繭にされてたけど、皮膚が若干溶けてたんだよね…


とりあえず冷静になってきた…確かアーミースパイダーは炎魔法との相性がすこぶる悪かったはず!全部焼き払う!


炎球フレイムボール


炎球は火球より上の魔法で着弾地点で小爆発を起こすのが特徴。

放った炎球は、ぼんっと音を立てて部屋の中を焼き尽くした。中には無事だった本があったかもしれないのに…もったいないことをしたかも…

でもアーミースパイダーが襲って来なくて良かった。多分繁殖期で、狭い場所に籠もって繁殖してたんだろうな。


「あ〜びっくりした。ちょっと過剰だったかもだけど私が無事でヨシ!」

「楓ちゃ〜ん!何か凄い音が聞こえたけど大丈夫って何これ!?焦げ臭い!」

「アーミースパイダーが部屋に巣作ってた…気持ち悪かった…焼き払ったけど」

「それは焼き払って正解です。虫は滅ぶべきです。」


そうそう。ルナちゃんは虫が苦手何だよね〜

元々良いとこのお嬢様だし。確かに虫とか苦手そう。


「はぁ〜…せっかく綺麗な本あったかもなのに…もったいないことした。ごめんねルナちゃん。スマホで近くの情報がありそうなところ調べるから」

「……あの、ちょっと今思ったんですけど良いですか?」

「ん?どうしたの?何か気づいた?」

「えっと…そのスマホで調べたりとかって出来ないんですか?」


…………え?

いやいやちょっと待って。まっさか〜!このウルトラ美少女で世界まで救った楓さんがそんな単純なことに気づかないなんてそんなこと…


……あるな、見覚えのあるGoo◯le検索…

えっと、確かあの日は7月の26日だったはず

【7月26日 ニュース】

・【大混乱】世界中で謎の生き物が出現!

・世界の終わりか。死者多数

・【徹底考察】謎の生き物の正体は!?

etc…


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!あるじゃねーか簡単に情報が調べられる物

ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!単純過ぎて気づかんかったってか荒廃してるのにスマホ使えるって思い至るやついるかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!うぁぁぁぁぁぁぁぁ灯台元暗しぃぃぃぃぃぃぃ!!くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」




「はぁ…はぁ〜〜………」

「凄いため息ですね…。すいません、私がもっと早くに気づいていれば…」

「大丈夫。ルナちゃんのせいじゃないよ。むしろ一応でも15年この世界で生きて来た私が全然気づかなかったことに今ショックを受けてる…」

「……まあでも!これで情報は手に入れれる訳ですし!モンスターとの戦いも大丈夫だって分かりましたし!終わり良ければ全て良し…ってやつですよ!」

「そんな言葉どこで知ったの?」

「昔楓ちゃんが言ってました。」

「あっはい」


……はぁ、今日は散々だ。来たばっかりだって言うのに…もう数時間で日も暮れるし、そろそろ寝床探さなきゃ。


「はぁ、引き上げようか。今日過ごす寝床を探さないと。」

「出来れば家が良いですね〜。最悪テントでも…虫が来なければ何でも良いです…」

「うん、行こう。もう休みたい。」


今日は思った以上に疲れが溜まってるっぽいな。思考が全然働かない。今日はどこか家に侵入して、さっさと寝ることにしよう…



────────────────────

この話…書いてて超楽しいな!

私には心の中を語る感じの文章があってるっぽいですね〜

ぽんこつ楓ちゃんが爆誕したところでそろそろ終わりましょう。


それではまた

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