沓沢戈門
沓沢家は、慶安元年の児島藩立藩から
現在の党首、戈門の父、
そんな家だから、三男の戈門は気楽そのものだった。
三人兄弟の中で一人だけ、石に顔を書いたような
しかし、父と二人の兄はそれを良くは思わなかった。
藩の役に立っているとはいえ、名門の武家の子息が泥だらけで農民と笑い合っていたり、風来坊のように振る舞って好き勝手に領内の
つまり領内で起きる面倒事の状況を確認し、それを解決する役人である。
これは戈門にとっても渡りに船であった。
酒場や港で噂を聞いて回らずとも、戈門の元に諸々の民の陳情や厄介事の話が集まるようになったし、それなりの禄は貰えるし、事を起こす時は父や兄が現場の役人に話を通してくれるし、報告の為の書類起こしが面倒なのに目を瞑れば、願ったりかなったりの立場と言えた。
だから長兄、
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