真夜中ドライブ


夢中で夢中で息をする

怖いものは今なら見当たらない


夜の2時。車に乗って堺へ向かう。

僕は助手席で運転してくれる友達の声を聞いていた。




神戸サウナでさっぱりして飲み始めた午後6時。優しい先輩たちは僕のわがままにいつでも付き合ってくれます。


今日からお盆休みだから2軒目も快諾。泡盛がたくさん置いてあるバーへ足を向けました。泡盛はもちろんですが、ほんわかゆんたくシークヮーサーと言うリキュールのソーダ割りもめちゃくちゃ美味しかったです。あれはレディーキラーですね。たっぷり沖縄を満喫した僕は先輩に別れを告げ、ほぼ最終電車で神戸から大阪に向かいます。


友達が夜の1時に駆けつけてくれると言う。バーで好きな音楽を聴きながら待ちました。


久しぶりに再開した友達は何も変わっておらず、変わらなければいけないという強迫観念を持つ僕を慰めてくれました。


彼はレンタカーで旅行した帰りに寄ってくれたようです。もちろんお酒は飲めない。何をするか考えていましたが、出てきたのがドライブでした。


「天ぷらを、食べに行こう」


そうして、友達とともに堺市の天ぷら屋へ向かったのです。時間にしておよそ30分のドライブでしたが、後ろに流れていくオレンジのライト、車通りの少ない高速道路、友達の懐かしい声を聞くたび、学生に戻ったような、なんだか懐かしい感覚に襲われました。


真夜中のドライブ。

日常から抜け出して、あの頃に帰るような。

大切なひとときです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る