第11話 蛍の過去と香の過去
☆
クラスメイトは蛍が後輩を助けれなかった事は知らない。
だが俺はこのクラスメイトだ。
きっと理解してくれるだろうとは思う。
だけど敢えて俺は何も言わない。
それを告白。
つまりクラスメイトに言うのは俺じゃない。
あくまで蛍だから。
「蛍」
「ぁ!?な、何だよ」
「一緒にプリント運んでくれないか」
「何で私が...クソッタレ。分かったよ」
こういう素直な所が彼女の魅力なのだろうけど。
蛍が親父を殴り飛ばしたのも理由があるってのは分かる。
俺は思いながら一緒に先程の授業で使ったプリントを運ぶ。
すると蛍が「こんな暴力女...嫌いだろ?」と言ってきた。
「...あぁ?暴力女...いや。嫌いじゃないっていうか。仕方が無いだろう」
「私は...常に暴力でしか解決できないからさ。クソだよ」
「お前が暴力を使うのは...確かに納得が出来ない。だがお前がやった事は全てが間違ってないんだよ」
「お前だけだよ。そう言ってくれるのさ」
「...すまないが俺は過去の過ちを考えてしまってな」
そう言いながら俺はプリントを運ぶ。
すると蛍が「待てよ。お前は...何も悪くねぇだろ」と俺に向いてくる。
俺は「悪くないと思うか?俺が喧嘩しなければ母さんは死ななかった。愛犬も死ななかった。だったら俺は悪いんだ。お前より遥かにな」と言う。
蛍は「...」となって俺を見てくる。
「...お前さ」
「...何だ」
「...何でもねぇ」
そして歩き出す蛍。
俺はその姿を見ながら「だからさ。俺の方が悪いから。お前は気にすんな」と言う。
蛍は「...」となってから「...香は変わらないな」と苦笑する。
それから職員室に運ぶ。
担任が喜んでいた。
☆
「蛍」
「んだよ」
「何か買って行こうぜ」
「...お前本当に私を誘うの好きだよな」
「そらそうだろ。お前を見張る事を任せられたんだから」
「...」
俺はそう言いながら飲み物を買う。
それから俺はお金をまた入れた。
そして蛍を見る。
蛍は「?!」という顔をしていた。
「またかよ!」
「奢ってやるから。何が良い」
「お前な!金が勿体ねぇだろ!!!!!」
「奢るって言ってんの。俺が頼んだんだから」
「...じゃあ苺牛乳」
「そっか」
そして俺は苺牛乳を買う。
それから投げ渡した。
すると蛍はそれを受け取ってから飲み始める。
俺はその姿を見つつ柔和になる。
すると蛍が「オイ」と言ってくる。
「何だ?」
「飲みたそうな顔をしてんぞ。...苺牛乳」
「...あ?いや。俺は...」
「...違うなら良いが」
「そうだな。じゃあひと...」
待てよ?そうなるとコイツと間接キスをする事になる。
そう思いながら蛍を赤面で見ていると蛍は「飲むのか飲まねぇのか」と蛍も恥じらいながら言ってくる。
俺は「分かったよ。じゃあ一口くれ。それは新発売みたいだしな」と言いながら受け取る...っつーか成り行きで受け取ったけど。
無理あるくね?
「お前のも寄越せ」
「何でだよ」
「い、良いから!」
「ば、馬鹿言え。これは間接...」
「...」
「...」
クソ!蛍の野郎!
そう思いながら俺は渡した。
それから飲み合う。
すると蛍が「...ああクソ。もう我慢できねぇ」と言い捨てた気がした。
そして何を思ったか俺の頬にキスをして...はぁ!!!!?
「何をしているんだお前は!?」
「...これはお礼だ。お前から貰った分の」
「何のお礼だよ!」
「...お前に世話になっているお礼だよ」
それから俺を真剣な顔で見てくる蛍。
俺はドクッと血流を早くしながらその顔を見る。
何だコイツこんなに可愛いのか?
そう思いながら首を振る。
「良いか。今のは誰にも言うな」
「分かったよ。...つーかマジに何なの」
「お礼だっつってんだろ」
「いやいや」
そして俺の胸に人差し指を立てる蛍。
それから歩き出した。
緊張もしてないとは...余裕か?
俺は「ったく」と思いながらコーヒー缶を見る。
クソ!もう飲めない。
甘ったるすぎる。
☆
心臓が跳ね上がるかと思った。
というのも血圧が300ぐらい上昇しているかもしれない。
マジに心臓がバクバクしている。
ありえないぐらい緊張した。
香にキスとか。
「...」
私は香をチラ見する。
それから心臓の辺りに手を添える。
クソ。
マジに何なんだよ。
私は。
「...香にキスか」
そう呟きながら授業中だったが。
また別の考えを浮かばせながら赤くなる。
それから私は首を振ってから授業に集中した。
全く集中できない。
「...忌々しいな」
思いながら私は頬を抓る。
それから私は黒板を見ながら集中をする。
そしてこの後だが。
上級生の不良女子に絡まれた。
というのも私が父親をぶっ飛ばしたという情報をどっかから仕入れたらしく。
うざったい奴らに絡まれた。
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