第4話 図書館

あのアホはどうしたのだ。

そう思いながら俺は首を傾げながらそのまま次の日の朝を迎える。

次の日は土曜日だった。

俺は伸びをしながらそのまま一階に降りる。

それから俺は顔を洗ってから顔を上げる。


「ふむ。醜い顔だ」


そんな事を呟いてから俺は顔を洗ってから見ると妹が居た。

妹の律(りつ)は「お兄ちゃん。朝ご飯トーストにする?」と聞いてくる。

高校1年生の血が繋がっている女の子。

少しだけお兄ちゃん子だ。

だけど最近は冷たい様な...まあそれならそれでも良いが。


「そうだな。トーストにするか」

「じゃあ卵焼くよ。...ん?」


俺の顔をまじまじと見る似た顔。

その顔に「な、何だ」と返事をする。

そしてジト目になって首を傾げて眉を顰める律。

何だ一体。

顔に何か付いているのか。


「んー。お兄ちゃん。何だか爽やかになったね」

「...は?それはどういう意味だ」

「何かあったの?昨日と偉く顔付きが違う」

「顔付きが違う?そんな馬鹿な。俺は昨日と同じだぞ」

「んー...しかし彼女さんに浮気されたって感じの顔じゃなくなってる」


意味が分からんなコイツ。

そう思いながら居ると律は「今日は何処か行くの?お兄ちゃんは」と聞いてくる。

俺は「ああ。図書館にちょっと調べ物を」と答える。

すると律は「はぁ...また勉強?」と呆れた。


「まあそれが趣味の様なもんだ」

「つまんない。アニメ観なよ」

「そればかりだと脳が馬鹿になるぞお前」

「アニメは素晴らしいんだよ?」

「それは分からんとは言って無いだろ。素晴らしいぞアニメは。だがそればっかりで通用する世界じゃない。お前は声優にでもなる気か」

「そうだねぇ」


律はオタクである。

だが俺はオタクでは無い。

趣味として律は(アニメ鑑賞)。

俺は(勉強)。

此処にえらい差がある。


「いや。勉強のし過ぎも脳が馬鹿になると思う」

「いや。お前な」

「アニメ観なよ」

「さっき言ったろ。ふざけるな」


「やれやれ。お兄ちゃんは時間を勿体無く使ってる」と言いながら肩をすくめて率は去って行った。

エプロンを直しながら。

俺はその言葉に「ったく」と言いながら朝食を頂いた。

それから俺は家から外に出る。

そして歩いていると「よお。ねぇちゃん。一緒にどっかデートしようぜ」と声が聞こえてきた。


「...?」


不良に女の子が絡まれて...いや。

違うか。

不良が不良に絡まれている。

何故なら奴は...垂水だ。

垂水は苛立つ様に金髪の男と黒髪の男を見ていた。


「そこ退けよ」

「あ?いや。退かないよ?君可愛いじゃん」

「...あ?」


垂水は「...」となってから考え込む。

それから「...可愛いって言われるのは1人で十分だ」と答えた。

すると男達は「?」を浮かべた。

物陰に俺は隠れているのだが警察呼ぼう。

そう思いながら俺は電話をかける。


「アンタらさ。キモい。私、アンタ達なんか好みじゃねーし」

「あ?お前今キモイつったかコラ」

「犯そうぜ。コイツ可愛いし」


そして男達は垂水を連れ去ろうとする。

だがそれは失敗した。

何故なら垂水がまさかだがボコボコにし始めたから。

男達は歯が折れた様に倒れ込む。

吐血していた。


「垂水」


流石に堪らず声を掛ける。

えげつない方向になりそうだ。

すると俺の顔にビクッとした垂水。

それからさぁっと青ざめる。


「お、お前。もしかして見ていたのか」

「...ああ」

「いつからだ!!!!?」

「あ?お前が絡まれてからだな」

「...じゃ、じゃあ私の言葉を聞いたか!?」

「は?言葉...ああ。いや」


「聞きそびれた」と言う。

その言葉とは多分。

「私を可愛いって言ってくれる人は1人で十分だ」という部分だろう。

コイツにも好きな人が居るんだな。

そう思って感心した。

するとサイレンの音がした。


「マズい。警察だ」

「...行こうか。横瑞」

「何でだよ。お前、外道どもを殴ったから拳から血が出ているぞ」

「私はヒーローになりたくない」

「...?」


そして彼女は俺の手を握った。

それから駆け出して行く。

俺は「お、おい!」と慌ててから歩く。

サイレンの音が遠くなった時。

初めて垂水は俺の手を離す。


「まあ嫌気が差すから」

「...お前は被害者だろ。...居ても良かったのに」

「...私は親に迷惑を掛けたくないっつーのもある。不良はもう止めたんだ」

「...そうだったんだな」

「そう。んで今、停止中。...ってか何でお前、あそこに居たんだよ」

「図書館で勉強しようって思ってな」

「...そうか」


垂水は俺に赤面でモジモジする。

何だ一体。

すると「わ、私も付いて行って良いか」と聞いてくる。

俺は「あ?」となるが。

垂水は「良いから」と言いながら歩き出す。

そしてパーカーの頭の部分を後ろにしてから俺を見る。


「...私にも勉強教えてくれ」

「お前、そういうたちだっけ?」

「...いや。違う。だけど私は...お前との勉強が楽しいんだ」


それから垂水は手をポケットから出す。

包丁で切った様な切り傷が沢山有る。

それを見た垂水は隠した。

赤面になった。


「何をしたんだ。絆創膏だらけじゃないか」

「...これは包丁で切った」

「は?お前何をしていたんだよ」

「うるせぇ。お前に言いたくない」

「...そうかよ。ったく」


俺は訳も分からないままそのまま垂水に苦笑する。

それから俺達は図書館に向かった。

そして入館する。

何か色々と空間の設備が整っている。

これが気持ち良いんだよな。

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