これから助教になる君へ

部屋選びは重要である、西日が入る部屋を選んではならない。博士のころ、私のせんせえが選んだ部屋は西日が入るところで夏が熱かった。まぁ、教授から教授に移ったので部屋を選ぶ余地などなかったのだろうけど。山の手にある大学に勤める場合は電源の安定性に気を使うのがいい。夕立による落雷でよく瞬停が起こる。一学年の学生数に対して教員数が多いところに勤めるのがよい。一人で見る卒論生が一人ないし二人程度であれば許容範囲内だろう。

ここからはしょうもない精神論の話をしたいと思う。査読はMDPIやFrontiersなどグレーなハゲタカ以外は引き受けてあげよう(ガチハゲタカはそもそも査読依頼が来ることなどないだろう……)。まぁ中には読むだけ時間の無駄な論文があるが、基本的には自分の為になるし、そもそも助け合いで成り立っているある意味で牧歌的な業界であるのだから。

私が助教になるとき、学振PDで居候させてもらっていたところの准教授の人(今はとても偉くなった)に「こんなことも分からないのか、と学生に言わないようにしよう」と言われた。その通りなのだが、心の中で言うぶんには良いだろう、そうでもしないと学生の相手は苛立ちが溜まる。ポスドクというお気楽身分から助教になって一番変わるのは学生の相手をしないといけないこと、そして業務として一番負担になるのは成績不振の学生の相手である。学科会議で「私が学生のころは学生は放置されていた」などと嘯き不真面目に担任業務をやっている振りをするが、現在はそれは許されない。私のせんせえにそんな愚痴を言ったら「僕のころもそういうのあったよ」と言われたのを覚えている、つまるところ学者になるような人はそんなのにお世話にならないから興味もないだけなのかもしれない(とはいうものの、自分は所属していた学科の必修がなんと4単位しかないところだったので、単位取得ペースとしては2年のころは留年必至という怠惰な学生だった)。

最近職場の人と飲んでて、一番ダサい免職理由はセクハラだと思う、という話になった。まぁお山の大将っぽく振舞ってパワハラとかもクソダサいのだが、セクハラはそれを超えていると思う。私は女子を特別扱いしちゃうおじさんたちを見るたびに、おいおい、と思って見ている。自分は全ての学生をさん付けで呼んでいるので、性別で敬称を使い分けている人を見ると、おいおい、と思っている。君子之交淡若水、小人之交甘若醴という言葉が荘子にあるが、その通りだと思う。私のプライベートな話を知っている人はこの部分を見てお前が言うな的に思うかもしれない、ただ誘われて関係を持つならば両者とも恋愛感情無し、両者ともに貞操観念ガバガバ、身体の関係だけというのならば予後は悪くならないだろう……(なんならそいつから小説とかのネタにしてもいいよとすら言われている)。

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