罪を逃れた者たちに、真の裁きが下る。孤島に集められた10人の男女、次々と襲う恐怖の連鎖。最後に残るのは誰か？

第7話 緊急対策会議

朝の光が鬼ヶ島荘の窓から差し込み、リビングルームを照らしていた。重い空気が漂う中、招待客たちは再び集まった。昨夜の佐藤 春子の死により、一同は更なる恐怖に包まれていた。

「私たちの中に犯人がいることは明らかです。」西園寺 裁司が口を開いた。彼の声は冷静でありながら、緊張感を隠せなかった。「ここで疑心暗鬼になっても意味がありません。冷静に、そして協力し合って犯人を見つけましょう。」

高橋 美咲は顔を強張らせながら、周囲を見回した。「でも、どうやって？誰が信頼できるのか分からない……」

田中 一郎が腕を組み、険しい顔で言った。「全員が疑わしい。でも、それでも協力しなければ生き残れない。」

「その通りです。」山田 良太医師が静かに頷いた。「まずは手がかりを探し続けることが重要です。何か見逃している情報があるはずです。」

西園寺は深呼吸をし、指示を出した。「もう一度、各部屋と屋外を徹底的に調べましょう。二人一組で行動し、絶対に一人にならないこと。」

高橋 美咲と田中 一郎、山田 良太と中村 正道、西園寺 裁司と鈴木 太郎の3組に分かれ、調査を開始した。

二人は書斎に向かい、古びた本棚や机を再度調べ始めた。高橋 美咲は埃にまみれた本を一冊ずつ確認しながら、心の中で不安を感じていた。

「これまで何も見つからなかったけど、諦めないわ。」高橋が決意を込めて言った。

「その意気だ。」田中が応じ、机の引き出しを開けて調べた。「何か手がかりが必ずあるはずだ。」

**西園寺 裁司と鈴木 太郎の調査**

西園寺と鈴木は、地下室に向かった。薄暗い階段を下りると、冷たい空気が漂っていた。西園寺はランタンの光を頼りに周囲を見渡し、慎重に足を進めた。

「ここには何かが隠されている気がする。」西園寺が低い声で言った。

鈴木 太郎は無言で頷きながら、古びた棚や箱を調べた。二人は一つ一つの物を丁寧に確認し、何か手がかりがないかを探していた。

山田と中村は、一階のリビングルームに隣接する小さな部屋を調べていた。部屋には古い家具が無造作に置かれ、壁には無数の書類が貼られていた。山田は机の引き出しを開け、中村は壁に掛けられた地図を確認していた。

「ここに何か重要な情報があるかもしれない。」中村が地図を指差して言った。

「そうだな。どんな小さな手がかりでも見逃さないようにしよう。」山田が答えた。

午後になると、一同は再びリビングルームに集まった。全員が疲労と緊張の色を隠せず、不安な表情をしていた。

「何か新しい手がかりは見つかったか？」西園寺が皆に尋ねた。

「書斎で、古い手紙を見つけました。」高橋 美咲が答えた。「手紙には『宇野 英夫』についての情報が書かれていました。彼が実在しない架空の人物である可能性があります。」

「それは重要な手がかりだ。」西園寺が言った。「私たちの中に犯人がいることがますます確実になった。」

「これからどうする？」田中 一郎が尋ねた。

「まずは、全員で一緒に行動することを徹底しましょう。」山田 良太医師が提案した。「それによって、誰も単独で行動することがなくなり、犯行を防ぐことができるかもしれません。」

「そして、食べ物や飲み物は、全員で一度に摂るようにしましょう。」彼は続けた。「誰かが毒を盛る機会を与えないように。」

全員が頷き、一致団結して行動することを決意した。疑心暗鬼の中で協力し合うことの重要性を再確認し、再び調査を続ける決意を固めた。

夕方になると、見張りの交代が行われた。今度は高橋 美咲と田中 一郎が見張りを引き受け、他の者たちはそれぞれの部屋で休息を取ることになった。

リビングルームの大きな窓からは、外の嵐が見えた。風が激しく吹き、雨が窓を叩きつける音が響いていた。高橋 美咲は窓の外を見つめながら、心の中で不安と戦っていた。

「本当にここから出られるのかしら……」高橋が呟いた。

「俺たちが力を合わせれば、きっと脱出できる。」田中が力強く言った。

その言葉に少しだけ安心した高橋は、田中の顔を見て微笑んだ。しかし、心の奥底には依然として恐怖が残っていた。

突然の悲鳴が屋敷内に響き渡った。全員が驚愕し、音のする方へ駆けつけた。悲鳴は地下室から聞こえた。

山田 良太と中村 正道が地下室に入ると、そこで鈴木 太郎が倒れているのを見つけた。彼の体は硬直し、顔には苦痛の表情が浮かんでいた。

「また毒だ……」山田が声を震わせながら言った。

「犯人は一体誰なんだ……」中村が怒りに満ちた声で叫んだ。

全員がリビングルームに戻り、再び疑心暗鬼に陥った。誰もが互いを疑い、次に何が起こるのかを恐れていた。

「これ以上犠牲を出すわけにはいかない。」西園寺が冷静に言った。「今こそ一致団結しなければ。」

その言葉に全員が頷き、改めて力を合わせる決意を固めた。しかし、犯人の正体は依然として不明のまま。全員が不安と恐怖の中で夜を迎えることになった。

夜が更けると、再び見張りの者たちはリビングルームに残り、他の者たちはそれぞれの部屋で休息を取った。しかし、誰もが心の中で次の犠牲者が自分ではないかと恐れながら、眠りにつくことができなかった。

高橋 美咲はリビングルームで見張りをしながら、心の中で祈るように呟いた。「どうか、これ以上犠牲が出ませんように……」

その祈りが通じるかどうかは、まだ分からない。風の音が窓を叩きつけ、夜の静寂が恐怖を一層引き立てる中、彼らは次の一手を考え続けていた。