第3話 次々と死
緊張感に包まれた朝が再び訪れる。昨夜の佐々木俊介の急死により、招待客たちは恐怖と疑念の中で過ごした。それぞれの部屋で不安な夜を明かした彼らは、再びダイニングルームに集まった。
鈴木太郎と花子が静かに朝食を用意する中、一同はお互いを警戒しながら席に着いた。食事が進むにつれ、誰もが口を開くことをためらっているようだった。昨夜の出来事が頭を離れず、全員が神経を尖らせていた。
「どうしてこんなことが起きるの?」佐藤 春子が震える声で呟いた。
その時、鈴木 花子が突然倒れた。彼女の体が硬直し、口から泡を吹き出す。山田 良太医師がすぐに駆け寄り、彼女の状態を確認するも、その目はすでに生気を失っていた。
「また毒だ……」山田医師が重々しく言った。「これは計画的な犯行だ。私たちは全員危険に晒されている。」
「一体、誰がこんなことを?」森本 将軍が怒りに満ちた声で叫んだ。「我々の中に犯人がいるに違いない!」
「冷静になってください!」西園寺 裁司が毅然とした態度で言った。「ここで疑心暗鬼になっても意味がない。まずは彼女の死因を確かめ、今後の対策を考えましょう。」
その時、森本 将軍が突然苦しみ始めた。彼は胸を押さえ、息を詰まらせながら椅子から崩れ落ちた。高橋 美咲が悲鳴を上げ、田中 一郎が急いで彼に駆け寄るが、森本将軍もまた息を引き取っていた。
「いったい、何が起きているんだ?」中村 正道が恐怖に駆られて叫んだ。「誰が、どうやって……」
西園寺 裁司は深呼吸をし、冷静さを保つよう努めた。「皆さん、ここで冷静さを失ってはいけません。まずは全員、食堂から離れましょう。次の行動を考えるためにリビングルームに集まりましょう。」
一同は互いに警戒しながらリビングルームに移動した。そこでは、全員が一時的に武装解除し、互いの信頼を再確認するための話し合いが始まった。
「まず、食べ物や飲み物に手を付けるのはやめましょう。」山田 良太医師が提案した。「誰もが毒を盛られる可能性がある。」
「その通りです。」西園寺 裁司が続けた。「これからは全員で行動し、一人にならないようにしましょう。次のフェリーが来るまで、なんとかして生き延びなければなりません。」
「でも、フェリーが来るのはいつなの?」高橋 美咲が不安げに尋ねた。
「定期便は3日後です。それまで、私たちはここで耐え抜かなければなりません。」西園寺が答えた。
「3日も……」佐藤 春子が呟いた。「そんなに長く……」
「私たちには選択肢がありません。」西園寺が強く言った。「ここで互いを信じ、協力して生き延びるしかないのです。」
その夜、一同は交代で見張りを立てることに決めた。緊張と不安の中、夜が更けていく。誰もが心の中で次の犠牲者が自分ではないかと恐れながら、重い眠りに就いた。
翌朝、見張りをしていた中村 正道がリビングルームに戻ってくる。顔には疲労と不安が色濃く表れていた。「何事もなかったようです。」
しかし、全員が集まると、一人欠けていることに気づく。佐藤 春子が姿を見せない。恐る恐る彼女の部屋に向かうと、ベッドの上で冷たくなっている彼女の姿があった。
「これは……」山田 良太医師が彼女の脈を取る。「彼女も殺された。」
「これ以上、犠牲を出すわけにはいかない。」西園寺 裁司が決然とした顔で言った。「犯人は必ず突き止める。」
一同は再びリビングルームに集まり、今後の対策を話し合う。全員が疑心暗鬼になりながらも、生き残るための方法を模索する。犯人の手がかりを探るため、彼らは一丸となって動き出す。
この緊迫した状況の中で、彼らは次の一手をどう打つのか。誰が犯人で、次の犠牲者は誰なのか。その答えはまだ見えない。
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