第15話
・魔法とは
…魔法について説明する。…魔法は魔力を消費して発動させる現象のこと。…あなたの前の世界で言うところの「異能力」と同等の力と思って大丈夫。…当然の話だけど魔法は系統によって人それぞれに得て不得意が存在する。…押さえておけばいい基本的な属性は「火」「水」「風」「土」「光」「闇」の6系統。…あとはそれ以外の例外。…魔法も異能力も想像力がとにかく重要。…イメージトレーニングは忘れずに。
「ふむ…なるほどな」
(やっぱり能力も魔法も同じような力ってわけか。というよりも、おそらく異能力自体が魔法の亜種なんだろうな)
零次が生活していた地球では異能力以外にも不思議な力を使う者達も存在していた。
「つまりは魔力=精神力とも考えられるわね…」
「突き詰めれば俺様達の存在も魔法ってことか」
「その辺りの考えは間違いないだろうな…とにもかくにもパーティーは終わりだ。とっとと無に帰れ」
零次が等間隔で4回柏手を打つ。すると一瞬で小さな天使と悪魔の存在は消えた。これは零次が「リターン」と名付けている強制的に自身の能力をシャットダウンさせる技術の1つだ。
(自立思考型の能力はコントロールが難し過ぎる。あいつら遠慮なく俺の精神力を持っていきやがるからな)
「…はぁ。疲れた」
能力を解除した瞬間、どっとした疲れが零次を襲う。
「このまま寝ちまうか?…いやダメだ。あの悪魔も言ってたがこんな地面で寝たら凍死する可能性がある」
(住居の問題。これをどうにかしないとな)
ゆっくりとではあるが日が落ち始めている。零次は少しだけ焦り始めていた。寝る場所というのは非常に重要だ。命の保証がない異国の地。しかも天井もドアもない剝き出しの大地で寝る事など正気の沙汰ではない。
「何かないか…雑魚寝以外ならもう何でもいい…何か…何かないか?」
零次がスマホアプリの各種機能に目を通していく。そして零次はついにそれらしき機能を発見した。
「むぅ?ハウジングモードだと?」
デフォルメされた家のようなアイコンに注目した零次。彼のゲーマーとしての直観は告げていた。これは間違いなく有用な機能だと。
「機能解放に3400コインか。…まあ仕方がないなこれは」
(取るべきリスクというやつだ。今は悩む時間も惜しい)
ほんの数秒の思考の後、零次はリスクを先に背負う事を選択した。残った全てのコインを使用し零次がハウジングモード解放する。これで手持ちコインは0。これ以上の課金は不可能な状態となった。
「さあさあ、これでいったい何が出来るんだ?」
ハウジングモード。その多くの機能はロックされた状態だったが、1つだけ使える機能がある事に零次は気が付く。
「これは…」
・簡易宿泊所
500コインで24時間宿泊可能。+500コインで食事サービス付き。
※初回は無料に設定しておいたぞ!何事も実際に体験する事が一番だからな~
「おお!ナイス!こいつは助かるぜ」
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