22話 クリス企業相手に騙して悪いがしようぜ!

「..........」


「.......」



「...........」

黙々と肉を焼き、肉を喰らうクリスとアリア

『なにか…喋らないのですか?』

そして困惑気味のエレン

「食事の時間は喋らないものだよ、エレンくん」


『そうなのですね。また一つ学習しました』

エレンは脳内フォルダに学習内容を保存する。


「その人、もしかして電子生命体ってやつ?」


「そそ、うちのAIだったのが自我を獲得したのがエレンだね。」

自律思考型AIはある時を境に自我を獲得し魂を得る、そしてその魂は電子生命体という雛形を得る。これが電子生命体の誕生である。

「どうりで道中のTSとTTがへんな弱さしてた訳ね、敢えて弱くしてたってわけか。」


「バレてーら、やっぱトップランカーは違うね」

この部屋にアリアを誘導するためにTTなどを敢えて弱く操作していたエレン

『経験が物を言う世界ですから、違和感を持つ事は大切です。』





「それで...なぜどの企業の依頼で此処へ?」



「それは...」


「喋ってくれたらその会社の2倍の報酬を出すよ」



「エルファバ・サイエンス社よ。」


「ありがとう。できれば依頼文も教えてくれると嬉しいなぁ」


「これよ」


『ミッションを説明しましょう

依頼主はエルファバ・サイエンス社

目的は、新興企業グリーンノア社の最重要施設惑星エルトリアの食料生産施設第七施設の防衛部隊の排除及び施設の制圧となります。

敵の主戦力は、無人TSと自律兵器です。

そちらの実力次第ですが、まあ、最新世代が手こずる相手でもありません

自動防衛システムによる隔壁閉鎖も予想されますが

依頼主から、破壊許可を頂いておりますので

これも大きな障害とはならないでしょう

これは食料産業を牛耳る好機です。

そちらにとっても、悪い話ではないと思います。

ミッションの概要は以上です

我が社は、あなたを高く評価しています

よいお返事を期待していますね。』



「ふむふむ、やっぱり生産施設目当てだったか…」


『報復攻撃を行いますか?』


「そうだね、このままだと碌に反撃できないと舐められるからね。」



「.....まさか」



「そのまさかだよ、あぁ報酬金はちゃんと振り込んでおくから。この肉も持っていくと良い。良い取引先になってくれると嬉しいな。」



「....えぇ...そうね。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る