第6話 艦内工廠

「イリス、中央海域到達までどれくらいかかる?」

艦長席に座っていた骸骨を火葬した後、変わりに艦長席にお邪魔する。

座り心地はいいね。さすがは艦長席だ

「もうこの船は僕の船だ・け・ど♡」


....


『解、都市に残った土砂の撤去と保管を行いますので速度が制限されるのであと半日、といったところでしょうか。』

なんか言えやAIギャグが滑ったみたいじゃないか。おーい?

聞いてる?

『....』

「....了解、でも最優先で船内の土砂の撤去をお願いしてもらってもいい?」

まずは船内の機能の復旧が最優先。トラブルが起きた時に修理できないんじゃこの船墜落の二の舞?になってしまうからね。

僕は賢い。宇宙日記にもそう書いてある。

『承知いたしました。作業優先順位を変更します。』

【優先順位更新、船内除去を第一に】

「うん、お願いね。」


『現在の撤去進捗はおよそ20%以下ですが工廠内の作業用TSを起動できれば進行が200パーセント上昇する為、マスタークリスには工廠内の調査をお願いしたのですが、よろしいですか?あぁ、無理に行く必要はありませんので』


それは行けという選択肢しかないセリフなんよ


「オーケー行けって事ね、イリス〜何か必要な装備ってある?」

この強化スーツ以外何も持ってきてないけど大抵のことはできるはず。

できないことと言えばくらいのもの

殆ど作業用の強化スーツ(お値段格安)は量産性がよいぞ

お金は使いきれないほどあるけど節約するに越したことはないので格安のを選びました。最低限の性能はある。

『点検用セットが艦橋内にあるのでそれを持ていってください。きっとマスターの役に立つでしょう。』



点検セット...点検用セット...これか?

隅っこのロッカー近くの壁にかけられてた点検セット、生地がちょっと赤黒くなってる箇所がある。

絶対何かあったでしょこの点検セット。怖いね。

『それですね、中には一通りの作業道具が入っているとと記載されています。』


「では行ってきます。」

『行ってらっしゃいませ、マスタークリス。』

エレベーターに乗り地下に降りる。

中には土砂は入っていないみたいだね。さて、電源をまずは探すか

見えにくいったらありゃしない

「中は....案外普通...」

中は綺麗か?




ギギギ








.....



ギギ



「では無さそうだ」

異音の方に振り向くと



「ギギギ...侵入者...ハイジョ...スル」



朱い目の異形の機械がこちらを見ていた。


その手に、凶器を持ちながら...



つづく

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