【10000PV突破!!!】自分と付き合わないなら死ぬと言ったヤンデレな超絶美少女が本当に死んだと思ったら蘇って再び告白してきましたが、それでも付き合うつもりはありません
第10話 ヤンデレ達に囲まれた哀れな男です
第10話 ヤンデレ達に囲まれた哀れな男です
僕は悟りを開いてから恐怖と言うものに震えることがほとんどなくなりました。恐怖を感じなくなったというわけでなく、恐怖が恐怖として身体を蝕む前にそれを自らの力に変えることができるようになったということです。
そんな僕ではありますが、久しぶりに恐怖というものを身に染みて実感しています。
「はい、ウーロン茶でいい?」
「ええ。ありがとう」
「ありがとうございます」
今僕と由良江は百目鬼乙葉さんの相談に乗るべく彼女の部屋にいます……いたるところに伊織君の写真が貼られており、お手製と思われる伊織君ぬいぐるみやあみぐるみ、アクリルスタンドといったファングッズがいたるところに置かれています。棚に並べられているのは趣味と思われるミステリー小説や怪奇小説、そして伊織君の観察日記や成長日記とラベルがつけられた何かです。
………怖いです………正直に言ってこの空間にいると頭がどうにかなりそうなほど歪んだ愛を感じます………由良江からの重くて濁った愛にはこんな居心地悪い感じにはならないのにどうしたことでしょうか………
しかし新悟、これも試練です……今よりさらに魂の格をあげるチャンスだと思うのです。この世の全ての出来事は試練なのです。
「それでご友人がストーカー被害に悩まされているとのことですが、誰のことなのですか?」
「ちょっと待って、もうすぐ来るはず」
その時タイミングよくチャイムがなりました。乙葉さんが玄関に向かい、一人の少女を連れて戻ってきました。
「お待たせ、この子が私の親友の……」
乙葉さんの隣にいた優しい青い髪の毛が印象的なしっかりとした雰囲気を纏っている少女を紹介しようとしました。ただ、その青髪の少女は乙葉さんの言葉が終わる前に閃光よりも素早い土下座をしてきました。
「お疲れ様です!!!!!!!」
「あら、会長さんじゃないの」
「会長?」
土下座少女をよく見てみると彼女は翠安佐高校の生徒会長の
「こんなところでお会いできるとは誠に幸甚に存じます!!!由良江様!!!!」
「まさか……由良江貴女、彼女の精神を屈服させて奴隷にさせたんじゃ」
「んなわけないでしょう。今のあたしにとってあんたと過ごす時間を割いてまで奴隷を作るとかバカバカしいにも程があるわ。
この子はあたしのファンよ」
「ファン?」
「はいっ!!!」
青い髪を艶やかになびかせながら会長こと木葉さんは僕にも土下座をしてきました。
「お初にお目にかかります!!!旦那様!!!!私の名前は小鳥遊木葉!!!!
由良江様に全存在を捧げた女でございます!!!!!」
…旦那様………なるほど………
「小鳥遊さん……悪いことは言いません、由良江のことはきっぱり忘れて真っ当な人間になってください」
「何を仰いますか!!!由良江様こそ私の全て!!!私は由良江様の美しさと心根の清らかさに心酔しこの人生を捧げる価値のある方だと判断しただけです!!!!」
由良江は基本的にハイスペックです。その神に愛された容貌だけでなく、身体能力、頭脳、ついでに運まで一般人のはるか高みにいます。だからこそ尊敬を集めたりファンになる方もいるのですが……ここまでのレベルに心酔しているとなれば流石にレアです。
「そして新悟さん「下の名前?」神楽坂さん!!!!」
調教済みにしか思えないワンシーンですねぇ。
「由良江様は貴方に全てを捧げると公言しています!!!つまり、私の全てを貴方が握っていると言っても過言ではありません!!!!」
「自分の人生を生きてください」
「いいんです!!!私は由良江様のお戯れに壊されたとしてもそれで本望なんです!!!」
怖いですよぉ……目が濁りまくってます。由良江が暴走してるときと同じ目をしています…
「と言うわけでこれをどうぞ」
「はい?」
鞄の中から首輪を取り出しリードを僕に渡しました。そして手早く首輪を自分の首につけます。
「これは?」
「奴隷の証です!!」
……………壇上でお見かけしていた時はしっかりしていて凛々しい生徒会長さんだなと思っていたのですが………なぜこうなっているのでしょう。
「謹んでお返しいたします」
「何故ですか?どんな命令でもしていいんですよ!!全裸になれと言っても私は喜んで従います!!!家畜以下の存在だと思っていただいて結構ですから」
「ちょっと会長、あたしの男に色目に見えるようなことしないでくれないかしら」
「ももも、申し訳ございません!!!浅慮でした!!」
「分かればいいのよ」
目に映るのは絶対的な屈服をした小鳥遊さんの姿、弟への愛情を暴走させているとしか思えない乙葉さんのコレクション、そして僕に対して異常としか思えない愛を向けてくるヤンデレ女…………
ああ、この空間………僕が完全アウェーとしか思えません………なんというかこの三人と僕とは超えられない…超えてはいけない壁が存在しているようにしか思えませんね。
「すいません、僕はちょっと日課の石段ダッシュをしなければならないのでここでお暇致します」
スゥっと部屋から出ようとしたとき由良江に腰を掴まれました。そのまま腕を胸と服の間に押し込まれます。
「新悟、あんた何を逃げようとしてんのよ。会長はストーカー被害に苦しんでいるのよ。助けてあげるのが覚醒者としての仕事だと思わないかしら」
ああ、そういえばそんな理由がありましたね………
「………分かりました………それではどんなストーカー被害に遭っているのか教えていただけますか」
「はいご主人様」
いつの間にかご主人様にランクアップされてます。
「実は最近視線をよく感じて…気のせいかとも思ったんですけど一昨日ロッカーの中に私のプライベートを撮った写真とこんなものが置かれていたんです」
便箋を取り出し伊織君グッズの一つであるテーブルに置きました。そこには
『いつも見ているよ。俺のお姫様』と新聞の切り抜きで作った文が書かれていました。
…………このくらいなら大したことがないと思ってしまった僕はきっと毒されているのでしょう………
まだまだ精進が足りませんね。
なぜか涙が流れてきました。
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