2人目の仲間

秋質「この度は大変、申し訳ありませんでした!!!」

俺は今、床に頭を何度も打ち付け、渾身の土下座を繰り出している。

??「………見た?」

そこにはさっき桶をぶん投げてきた女、いえ女性が俺を見下ろしている。安心しろ、俺が一度ここから逃走した隙に、どうやら彼女は颯爽(さっそう)と着替えていたようだ。

秋質「み、見てません!!全くもって見てません本当です!れ」

どうやら俺は再度てんぱりすぎて文字変換した時にしかありえない「!」と「れ」の打ち間違えを口で発したようだ。バカなのか?

??「見てないんだったらまだいいか。どうやらその様子じゃ、覗きに来たわけでもなさそうだしね。さっきはちょっと言い過ぎたかも、ごめんねー」

…え?許してくれた??いや、早すぎないか?間違えたとはいえ、なんの確認もせず赤色の暖簾を潜り抜けた大馬鹿者だぞ?俺。

沢見「私は沢見有里。よろしくね!」

秋質「え、あ俺は秋質舞子です。というか切り替え早くない?俺、人として最っっっ低のことをしようとしたんだよ??」

沢見「わざとじゃないのは見て分かったし、あの時はタオル巻いてたから。それに仕返しで桶投げつけたからね。もう十分痛い目見たでしょ?」

本当にいいのだろうか?優しすぎないかこの人。しかも俺さっきも人にぶつかったし、今回は相手の優しさに救われたけど、危うく取り返しのつかないことになりそうだったんだぞ。俺はこの失敗を強く胸に刻み今後やったら切腹する覚悟で頭かち割ろうと決心した。

沢見「あ、そうだ!!君、舞くんはもう1階の探索終わった?だったら私と一緒に2階行かない?これもさっきのお礼だと思って、ね?」

それでお礼が務まるならと俺は了承し、2階の探索へ彼女、沢見と一緒に向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る