ハンカチ
「えーっととりあえず1階を見て回ろっ」
ドンっ!!
強い衝撃と共に俺とぶつかった青年はその場へ倒れ込む。
秋質「す、すいませんっ!」
??「…お前も、か」
そう小さな声で呟くと、ぶつかった青年は奥の部屋へと消えていった。まさか俺と一緒の夢を見てる人がいるとは…もしかするとあいつはこの夢の住人か?とはいえぶつかった責任は俺にある。明晰夢を見れた嬉しさで周りが見えなくなって、気づいたらつい勢い余って衝突してた。はぁ…今度はちゃんと気をつけないとだな。
「ん?なんだこれ?」
水玉模様の野生のハンカチが飛び出して…いや、落ちている。もちろん俺のではない。
「さっきの人が落としたのかな?だとしたら困っているだろうし届けてあげないと」
俺はそのハンカチを拾って尻もちついた体制から立ち上がった。何気なくそのハンカチを見ていると名前が書いてある。
「修乃…」
多分、ぶつかったあの青年の名前だろう。あの青年は俺よりじゃっかん背は低く、すみれ色の綺麗な髪をしていた。そういえば、ボソッと喋ったあの言葉?一体なんだったんだろう…。
「…もしかして俺とあの青年以外にも夢の中にいる人がいたち!とか」
何を一人で馬鹿なことを言っているのだと我に帰ったが他にも人がいる可能性は確かにある。
「だがまずは1階探索だ。もしかしたら同じ仲間がいるかもしれない。それと、あの青年にハンカチを届けなければ…」
俺の今の目標は
・館中をくまなく探索すること
・あの青年にハンカチを届けること
(ついでに館にいそうな仲間を見つけること)
面白いものがあったらいいな、と愉快に淡い期待を膨らませた矢先、目の前の柱に思いっきしぶつかった。
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