おかえり

東雲kゐ味

始まりの館

_______ここ…どこだ?

俺は確かにベッドで寝ていたはずだ。それなのに一体何故こんなところにいる?

「…あぁ、これ夢か。なーんだ。てっきり変な館に突然ワープしたのかと」

頭の中を一旦整理してみる。つか、寝てたんだからどう考えても夢の中だよなー。デスゲームでも始まるのかと、緊張して損したぜ。

広々としたホールにぽつん、と座り込んでいた俺は立ち上がって辺りを見渡してみる。すると、ここの館の館内図?みたいなのが壁に貼り付けられているのが見えた。

「今俺はここ…1階のエントランスホールにいるってことか?」

とりあえず俺はまだぼんやりしている頭を叩き起こし、この館の中を探索してみることにした。

「…というか夢なのに自我を持って行動できるなんて、まるで明晰夢を見てるみたいだ」

普通、夢の記憶は起きた後に少し残るくらいでさほど覚えていない。ましてやどれだけ非現実的なことが起きようと夢の中で気づくことは不可能に近いのだ。ただ明晰夢ってのは他とは違って、それが夢だと認識した上で見る夢のこと。中々狙ってできるものでもないが、自覚しながら夢の中を自由に動けるってのはやっぱり楽しい。せっかくなら俺、

"秋質舞子"はこの明晰夢を盛大に楽しんでやろう、と意気込みこの先へと進んだ。

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