第7話 たのしい

少女はふと、こんなに媚びられるのならそういうコンテンツにしてしまえばいいのではないかと考えた。


所謂生配信というやつだ。

高校生で知識皆無の中付けた配信の画質は酷いものだった。とても見れたものじゃない。酷い画質だが少女にはこれが限界だった。


おそらく、あの女はこういったコンテンツは止めるだろう。だから女のいない日を狙ってやってみた。

たった1日で100人の人が集まった。


やはりそうか。今の自分はこれだけの需要があるのか。


流れたコメントには声がキモいなども含まれたが、少女は声も出さない奴に言われてもね、と返した。内心は傷ついたがそれは隠した。


しかし、女のいない日など二度と来なかった。だからそれきり、となってしまった。


でも自分の価値を改めて理解し、存分に使うことにした。高校でも同じことをしてみた。そういう素振りを見せればすぐに相手は堕ちた。


気に入らなければすぐに無視をする。そしてまたあの時一緒にゲームをしたクラスメイトとまたプレイする。


その中でふと、噂が流れた。


あいつ、お前のこと好きらしいぞ。


少女は傷ついた。普通の友人だと思っていたのに、勝手に裏切られたとまで思った。まだ直接の言葉は聞いていないが、少女は次第にそいつを避けていった。そしてクラスメイトの中でも、また別のグループの男と一緒に遊ぶようになる。今度は銃ではなく、剣だったがそれも楽しかった。


しかし。


どこにでもその手の話はあるのだ。現実でも、電子の中でも繰り返されている。じゃあその手に染まる理由はなんだ?とふと、気になっている一人の少年に声をかけてみることにした。

その少年のことは別に嫌いじゃない。少しふっくらとしているが、しっかり者で口達者でおそらく大人になったとき悪くない人間になるだろうと思う人物だった。


その少年をよく知る者へ相談もした。


結局そいつからも、女として見られてしまったが。


少年へ想いを伝えてみると意外な反応が返ってきた。


ちょっと考えさせてほしい。


少女は了承した。しかし、去ってから気づく。ちょっととはいつまでなのか?どこまで待てばいいのか?わからない。その手の話は経験がない。だから経験のある少ない女友達である子へ相談をした。


そうなんだ!じゃあ、私が手伝ってあげる!


少年と女友達の入るクラブへ少女も入り、目にしたのは。


女友達が少年へよくボディタッチをする様子だった。そして少年は少女の返事などとうに忘れた。

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