【お題 創作】 プロローグ・貴方ならどう描く??
てぃ
プロローグ(約1300字)+あとがき(のようなもの)
「……そういうワケで収支は結局、マイナスさ」
「自滅しなかっただけマシじゃないか」
「まあね。けど、しょうがねぇよ……あそこで取り返そうと逆張りしようってんなら間違いなく博打の才能はないね」
「へぇ、お前さんがそこまで言うのか」
──賭博とは人類最古の娯楽であり、飽きる事なく人々の間で
賭博の本質など勝った負けたでしかなく、うらぶれた酒場の拳闘だろうが伝統的な剣術大会だろうが庶民にとっては間口が広いか狭いかの違いでしかない。
そして、一部の賭博は
王国も実態を把握しておきながら黙認しているのが現状であった。※(胴元と話がついているかもしれないが)
ある店の中で旅人風の男と店の主である商人とが、会話をしている。
カウンターを挟んでの世間話のようなものだ。
男の前にはグラスがあり、水で割られた
「オッズは100倍近い差があったかな。かたや筋肉自慢の大男、かたや美形の剣士様だ。整いすぎて女に見えちまうような優男だったな。羽帽子なんか被ってよ、
「ハハ、そいつは心情的に大男の方を応援したくなるな」
そう言って、旅人風の男に笑いかける。
それに釣られて彼も笑って答えた。
「まあね。……だけど、武器を使うなら体格なんて関係ねぇ。防具だって飾りみたいなもんだ。
「違いない」
「金がかかれば、みんな正直さ。数字にもはっきり出た。ほぼ元返しだったよ」
「……そんなに強かったかい」
「まあね。俺は途中からだったが、最初から最後まで苦戦らしい苦戦はしなかったんだとよ。最初に賭けたヤツだけが儲けただけだ。それにしたって、あの面構えだから初っ端から人気でな。大して儲からなかったらしい」
グラスを手に取り、半分ほど流し込む。酔えないほどに薄まった酒の味だ。
男はグラスをカウンターに戻そうとしたが、やめた。
「こいつは、きな臭い話だが──」
「なんだい?」
「一部じゃ八百長なんじゃないかって言われている……ああ、ごく一部の間で、だ。やっかみ半分でな。実際、なんとかって優男の
「……じゃあ、なんで?」
「一回戦で
「ルーヴェントだな。腕は確かな剣士だ。大剣使いでな……もしもがあれば、優男が手にした名声はそっくりそのままルーヴェントのものになっていたかもな。もしもがあれば、だが」
残った酒を飲み干して、男はグラスをそっとカウンターに置く。
「そいつは知らないが、そこまで強いのか?」
「ああ。まあね」
店主は旅人の口調を真似て、そのように答えた。
それを聞いて、旅人風の男が小さく笑う。
「そりゃ是非とも見たかったな。どっちが勝ち上がっても優勝したって実力ならよ、二人が決勝戦で激突してれば大盛り上がりだったろうに──」
「……だとしたら、お前さん。どっちに賭ける?」
何の気なしに店主が尋ねた。
「そりゃ勿論、この目で見て強い方さ」
*****
(あとがき)
プロローグは商人と旅人の会話。自分もそれに倣って書くことにしました。
旅人は旅人なので王国の事情には少し疎く、情報は伝聞頼みでうろ覚え。
商人は街に店を構えているのでルーヴェントのことは知っているが、王女のことは分からない。(聞いただけだし、偽名だったかもしれんので)
王女について。男装の麗人という分かり易い記号として羽帽子を被らせる。
続いて、王族らしい立ち振る舞いをしているがそれが庶民からは慇懃で気障っぽく見えているという風に。
強さに関しては勝負の結果と賭けの倍率を絡めることで間接的且つ最小限に表現。
これは次回に戦闘シーンをやる為、敢えて情報を絞ってます。※(書きませんが)
ルーヴェント。商人が知った風な口を利くことで「こいつ、強いんじゃないか?」と思わせる程度にほんのりと強さをアピール。
話の最後は二人が戦うかもしれないような雑なフラグ立てで
その後の展開は次話の冒頭から状況説明をとばして二人の決闘から派手に始まり、旅人は解説役兼驚き役としていてもいいし、いなくてもいい。これはもう、その後のシチュエーション次第で自由に。一応、八百長云々が決闘用フラグ?です。
戦いの後の告白?がその次の話。その場でするも場面転換を挟むも、それは作者の好みですね。備考に合わせて展開を考えるなら、こんなところかなぁ?(´・ω・`)
【お題 創作】 プロローグ・貴方ならどう描く?? てぃ @mrtea
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