第14話 第二回目の商談②


 カークは先ずはブランデーを9本を仕入れた。


 一本はその場で冒険者のリーダーのウィンザーに是非にとせがまれ、今後の事もあるので仕入れ値の大銀貨1枚で譲った。


 今回は板硝子を金貨1枚で30枚を仕入れる、で金貨30枚

 タンブラー型の色硝子、青、緑、赤、透明をペアで20セット、2個x 20セット=金貨40枚

 チューリップ型のグラスは透明だけを金貨2枚で20個、金貨40枚

 そして手鏡を金貨3枚で10個、金貨30枚

 ブランデー9本を大銀貨9枚で仕入れた。


 金貨140枚と大銀貨9枚分の仕入れだ。

硝子製品はほぼ倍の値段で売れるだろう、約金貨240枚の売り上げになる。


 さてブランデーなる酒を幾らで売ろう、でもその前に味見で何本か開けるか、

飲めば、さぞ高額を付けるだろう。酒だとサキアス商会が良いかな?

硝子製品は今まで通りアイリス商会で良いだろう。


 もう、ここの専属契約で良いだろう。

隣り村のビアビンゴに拠点を置いて商会を新しく立ち上げるか。


 後の商品は次回にしよう、見せられたのは鉄製品の農具だった。鍬に鋤にレーキという農具、干し草などを集めるのに良さそうだ。先頭部分が鉄製で柄の部分が木材だ。


 柄の部分と鉄の部分の接合の細工が素晴らしい、緩んでも柄の交換か釘を打ち直してメンテナンス出来る優れモノだ。それでいて値段が我々が売った物と変わらない様な値段で、鉄製の鍬一本が銀貨3枚だと‼︎ それに 鋤は銀貨5枚だった。

 

 我々が売った鍬一本が銀貨5枚で鋤が大銀貨2枚だった筈だが?

それに、このスコップなる物は土を掬うのに適してるとのこと、コレも銀貨5枚だという。この値段で降ろすから鉄鉱石が手に入らないか?と言って来た。


 それと手鎌と大鎌だ、大鎌なんか死神が使いそうな鎌だが刃の角度が良い。ある程度、熟練が必要だが立ったままで作業できるところが腰に良い。


 コレは鎌が銀貨3枚で大鎌が大銀貨1枚だった。


 値段は其方の言い値って正直、頭を疑ったよ。中川村長は遠い国から来たと言った。だから最初に知り合った貴方との付き合いを大事にしたいと。

 

 それでいて農具の売値は大銀貨1枚までにしてくれとお願いされた。

農家の人達が幸せになれたらいいね、と言いながら、なんだよ聖者様かよ。

 

 思わずウルっと、しちまったじゃねえか。家も貧乏百姓だったから新規一転、旅の商人になったんだ。叔父さんの家族だって税が払えずに逃げて来たんだ。


 思わず商隊の全員で中川村長を拝みそうになったぜ。冒険者の連中だってそうだ。

食い詰め農家の次男坊、三男坊が成ると相場が決まっているもんなぁ


 酒も入ってウルウル来てた私は、つい借金して仕入れて来た。と溢しちまった。

中川村長は難しい顔をした後、それはイケませんねと言い、直ぐに借金を返しなさいと金貨の入った袋を押し付けて来た。金貨が100枚程入っていた。

 

 利息は要らないから少しづつ返せば良いと言われた。


 先程は聖者かと思ったが、違う‼︎ 彼は神か?いや!神だ。


 それとこれを試用で使ってくれないかと馬車が引き出されて来た。

 なんだ!この馬車は足周りが従来のモノと全然違う‼︎ とても頑丈そうだし、

 車軸が鉄で出来ていて板バネというモノが付いているそうな?

 試しに乗れば乗り心地が全然違う。一番違うのは車輪だった。

 ゴムとかいうモノが巻かれている。それに鉄棒が荷台に取り付けられて帆布が覆っている。その帆布にゴム挽きして防水性を高めているという。


 コレで日除けにも成るし、荷物が濡れ無いし、急の雨でも助かる。横を捲り上げれば風通しも良い。しかも荷物が6tまで積めるとのこと、今迄の⒈5倍だ。


 試用して改善点を出してくれれば良い。それは提供すると言われた。


 そして、その荷台には四角い木の箱に棘棘の付いた丸いドラム付いたヤツ二つとやや細長い箱が二つ載っていた。


 中川村長の話では足踏み式の脱穀機と足踏み式の籾殻飛ばし機だという。

 又、私は驚く事に成る。脱穀は地面に布を曳いて、棒で麦穂をただひたすら叩くのが相場だというのに、籾殻飛ばしは足踏みで風力を起こし風の力で脱穀した物を判別する機械だという。コレもザルに入れて手でゴミを選り分けるんだ。


 どれだけの発明なんだよ‼︎ しかもコレも使用感を聞きたいので試用品だという

試用品、つまりお代は要らないと言う事だ。コレは農業革命が起こるぞ‼︎


 中川村長が言うには、たぶん一家で持つには高いだろうから、集落や村単位で使えば良いとアドバイスも頂いた。これから秋麦の刈り入れが始まる。


 早速、実家に持って行こう。



 ゴムの木という物を知らないか?と尋ねられた。車輪に使っているクッションだという。ゴムの見本とかという黒い弾力のある物を渡された。


 私にゴムの木という植物の知識は無かったが、冒険者リーダーのウィンザーが言った。


 「それって、スライム液で作れるヤツじゃないのか?」

 「確か、錬金術師が錬金に使うとかで、駆け出しの冒険者が良く受ける仕事だ」

と言うと食い付いたのが、スガノミドリとアズマレイラとか言うお嬢さん達だ。


 「では冒険者ギルドに依頼を出せばいいのかなぁ」とお嬢さん達が揃って言った。


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