色々なはなし

「話したとおりだよぼくはクズな女なんだ」


「そんなことない加崎不和ってやつが悪いだろ」


「いやぼくが保身に走れずにいられたらきっとこの事件はさっさと終われていたよ」


俺はそれ以上に言えなかった


確かに早島梨花の言葉がよく分かるからってのもあるけどそれ以上に俺よりも適任なやつがいたから


俺の目の前に新崎伸介が早島梨花に話しかけようとしていたのだ


ならばこれ以上俺が言えることはあるまい


「聞いていたぜ全てならおれが分かってあげていればよかったことだそれにおれが一緒にいてやるだから俺と共にこの事件を解決してくれないか」


新崎伸介は少しだけ間を開けてこう口にする


「俺ともう一度付き合ってはくれませんか」


新崎伸介の早島梨花へのプロポーズみたいなものを見ていて少しだけ考えることがある


それは俺があの時どちらとも結ばれなかったことへの未練だ


あの時もしもどちらかと結ばれていたらこんなイチャイチャが出来ていたのだろうか


それに二人の物語を聞いていると主人公とヒロインみたいで羨ましい


色々あって忘れかけていたけど俺は本来主人公のことを追い求めていたんだよな


ああ俺が追い求めていたのは新崎伸介なのかもしれない


そのときは新崎伸介と生徒会長の座をかけて争うことになるとは思っていなかった


自分の想いが決意が変わっていくことになるとはその時は思いもしなかった


お下品ハーレム青春ラブコメとは思えないぐらいにドロドロのハーレム青春ラブコメになっている


こんなことになるなんて考えが及んでいなかった


これならかっこいい俺がこの世界で一番になるまでの物語ってタイトルの方がよかったな


えっ?ダサすぎて今の方がまだマシだって?なら良い


ガチャン


お盆が落ちる音が床に響く


なんだ?そう思い音がする方向に向くと柊結香がいた


「やまだくんがなんでここに」


「……いや生徒会の広報になってくれるやつのお願いでここに来ていただけだが」


「ちょっと待てぼくまで生徒会の広報になるのか」


「すまない先にこちらの話を進めたいから無視をするそっちはバイトしているのか」


「えっ宣言されてマジで無視されたんですけど」


柊結香はこのカフェのおしゃれな服装に身を包めていた


スカートが風に揺れていてそこに目が言ってしまいそうになるが我慢をする


だが気づかれてしまいスカートを抑える


「やまだくんって変態なんですね」


「あっいやちが」


テンプレみたいなラブコメをしている俺を引っ張ったきたくなる


「違わないですよね確実に風の揺れるスカートに目がいってましたよね」


「いやいや我慢をしたもん」


「したもんってやはり気になってたんじゃない」


「仕方がないやんそんなギリギリのスカートで」


「うわあ言い訳をしてそのまま女性の責任にしましたよ最低な変態ですね」

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