忘れてはいけない記憶

ぼくの名前は早島梨花


今から話す内容はぼくが忘れたいと思える記憶のはなし


でも絶対に忘れたくない記憶のはなし


あの頃は写真部のみんなでわいわい楽しめたらそれだけでよかった


でもとある人が伝説の情報屋と呼ばれるようになっていた新崎伸介に嫉妬してウソの情報を流そうとしていま


その情報は本当に限りなく近く感じさせるウソの情報だった


その行為を行った人物とは現在の副部長の加崎 不和(かさき ふわ)だった


ぼくはその事実をすぐに気づいた


ウソの情報を流す前にぼくは止めることが出来たはずだった


「なんでそんなことをしようとしてんのさ」


「別にわたしがウソの情報しか作ることが出来ないのに本当の情報で伝説とまで言われるぐらいになったあいつが羨ましくて嫉妬して目の上のたんこぶすぎて気にくわないんだよ」


「それでもこんな情報流して不和さんは幸せになれるんですか」


「早島梨花あなたには一生分からないでしょうね」


「どういう意味よ」


「世間で有名になって将来が約束されているような伝説の情報屋の腰巾着になっているおかげで早島梨花あなた自信はなにもすごくないのにちやほやされてぶっちゃけわたしはあなたが一番気にくわない」


「そんなこと」


「どうせ新崎伸介の足手まといになっていることでさえ分かっていないんでしょう」


ぼくは言い返すことが出来なかった


「じゃあそういうことだからこれ以上巻き込まれたくなかったらなにも口を出さないことね」


ぼくは止めることが出来なかったあの日ぼくがなにか言い返すことが出来ていたら止めることさえ出来ていたらあんなことにはならなかったのかもしれない


そして、新崎伸介がウソの情報で世間から白い目で見られるようになり部活にもいられなくなりやさぐれるようになった


ぼくはその事件を暴露した人間だと罪を被せられた


「なんでぼくに罪を被せたの」


「適任だからよ伝説の情報屋の恋人が情報を言ったって方が普通の部活のメンバーが言ったことよりも説得力があるでしょそれが早島梨花あなたに罪を被せた理由のひとつね」


「1つって複数の理由があるの?」


「ええ気にくわないのと適任だったからの二つよ」


「ぼく言ってくるからぼくが情報を言ったんじゃないって世間に言えば信じてくれるはず」


「いえ信じるわけないわだって世間からしたら面白い方を信じるだけだものだからあなたがどれだけ言っても信じないわ」


「そんなのやってみなくちゃ分からない」


「そう?でももしかしたら世間はあなたまで白い目で見るかもしれないわね」


ぼくは白い目で見られるのが怖くなって諦めることにした……最低なのは百も承知だよ


自分自身をかばうためにいまだにこの立場にいるんだから

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る