さようならとありがとう

足音がする方を見ると九条輪廻が俺の元に走ってきていた


俺はさようならとそう口にしたのになぜここまで来てしまったのかそう怒ろうとしたが出てきた言葉は違った


「ありがとう」


俺は怒るよりも先に感謝の気持ちを伝えていた


嬉しかったんだ自分を助けるためにここまで来てもらえたことが


「なんで……忘れてたはずなのに」


「別に忘れていたのは事実なんですでももう忘れることはしません」


「でもなんで記憶消去をしてから去ったのに」


「あり得ないことを引き起こすそれが絆なんです」


「ああそうか……うん確かにそうだな」


「あれ?……本当に認められるとは思っていなかったんですけど」


「なんだ認められたくなかったのか」


「いや嬉しいですけどてかなんでそんなに偉そうなんですか」


「別に良いだろ」


「去るときに泣いてたくせに」


「はあ泣いてないし雨が降っただけだし」


「屋内でしたが雨降ることは無理ですが」


「やってみなくちゃ分からないだろ」


「やってみて雨が降ったらじゃあ雨漏りしてるんじゃねえか」


「修理しなくちゃダメじゃんよし修理するか」


「ああ……いや雨漏りしてないから」


「それで俺は今から戻るが八幡木メルルはどうする」


「わたしはこの場所で待つことにするよ」


「誰を待つんだ」


「好きな人を待つよ時間はかかったけど今さら気にするほどそんなにいたわけじゃないからね」


俺は九条輪廻に襟を捕まれたと思ったら顔を九条輪廻の方に持ってこられて戸惑っていると唇に刺激がある


その刺激が九条輪廻と俺の唇がぶつかったからなのを知ると感覚が少しづつ取り戻してくる


完全に感覚が戻ったとき俺は驚いて後ろに尻餅をついてしまう


うわ恥ずかしいそんな気持ちになるよりも先に唇の感覚を確かめたくて唇に自分の指を重ねる


感覚を確かめるように唇をなぞる


「お前なんで」


「もう忘れたくないから思い出として記憶にこびりついたら良いなと思った」


「それでキスってそんなに俺のことが好きなのかよ」


「うんそうだよあたしは山田太郎きみが好きだだから付き合ってくれ」


「ストレートだな恥ずかしくなってこないのか」


「恥ずかしいなんてかんじゃうになる方が恥ずかしいと思いますが」


「いや言いきったけど噛んだよねおもいっきり感情をかんじゃうといっちゃったよね」


「いえあたしはきちんと感情と言いました」


「あのお二人さんなにしょうもないことを言うとるのかな」


俺たちは感動の再会の途中であることを八崎メルルが割って入ってきたことで思い出すことになる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る