道場破りと中二病

「それじゃあこれからよろしくな」


俺は右手を差し出して握手を求めた


「……いやです……が……約束をしたので我慢します」


「あははありがとう」


心が揺れていることはよくわかる


自分より強いやつに恐らく会ったことがなかったのだろう


そんな人物に超能力を使っていて卑怯とはいえ俺が勝ったからな


「僕はなぜ勝つことが出来なかったと思う」


そんな質問をされて俺は驚いたが冷静に答えた


「俺のことを弱いと思って油断していただろうだから隙がうまれていたその隙をうむ時点でこの時勝てていたとしてもそのあとに必ずお前は俺じゃない誰かに負けていた」


きつい言い方をしてしまったと思ったが高橋恵を見ると唇を噛み締めていた


その表情から悔しさと惨めさなどの色々な感情が少しかいまみえたように感じる


「そうですね僕は弱かっただから負けたなら今度は僕が勝ちます」


「おうそうだな待ってるよ」


二人の対決は幕を下ろした


そんな落ち着いた環境に邪魔をしてくるものがいた


それは道場破りだ


「お邪魔するぜうんああなんだ今回はハズレか」


俺が通っている中学はスポーツの天才がたくさんいた


高橋恵はそのうちの一人だからプライドがある


そんなやつがハズレなんてなめられたようなことを言われたら怒る


素早く動き一瞬の間に高橋恵は道場破りの目の前まできていたのだが


「おれはな女しか興味ないんだよまあよくみたら女みたいだからいい線は言ってるけどな」


「気持ちが悪いことを言ってるんじゃねえよ」


「そうかっかっと怒るなよシワが増えるぞ」


「殺すぞ」


「殺すなんて言葉はあまり言わない方が良いぞ弱く見えるからな」


「なめるな」


「なめてなんていないさただ弱いと思っているだけだ」


「それをなめていると言っているんだ」


そういいながら何度もぶつかり合う二人はやがて俺との戦いで体力を消耗していた高橋恵の足が崩れて前へ倒れる


それを俺は受け止めて


「大丈夫か俺が今からやってやるよ」


代わりに俺が対決することになって超能力で俺つぇぇぇをしたら逃げられました


なのでサイコキネスでこちら側に吹き飛ばしました


そしたらみんなが驚いて「えええなんそれ」みたいな叫び声が聞こえたので腹立つ言葉を言ってみた


「俺なんかやっちゃいました」


そんな言葉を言うと怒号のあらしになりました


いやあ気持ちいいぐらいに怒られているな


そんなことを考えていると高橋恵が


「きみは何者なんだ」


俺はかっこ良くこう叫ぶ


「俺の名前は山田太郎超能力でこの世界を救うもの」


かっこよいポーズでかっこよいセリフを言えて満足してたら


「……そのだいじょうぶか」


引き気味で頭を心配されました


顔を隠していますが今俺は泣いています


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る