謎と嘘
俺は押し倒しているこの状況でなぜか落ち着いていた
緊張するほど逆に安心するってやつなんだろうか
そして俺はその安心感の中で柊結香について考えていた
柊結香は謎が多い
柊結香は最初に言っていた裸の俺たちを見て「うふふ面白い方ですわねでも分かっていますわ」と言ったがなにを分かっていると言うのだろう
高橋燐火の正体が高橋恵であることを知っているかのように感じる
まるでその事をからかわれているようにも感じる
それにデッサンになってくれと言う話すらもまるで嘘のような
だから、俺は押し倒しているこの状況から立ち上がり柊結香に向かっていく
「なあきみはどこまでが本当でどこまでが嘘なんだ」
とぼけるように柊結香はこう口にする
「さああなたが言いたいことは分かりませんわねそれに女ってのは謎がある方がミステリアスで魅力的ではありません?」
「ああ確かに魅力的だよでもおれは要らないそんな答えを求めちゃいない」
「じゃあどんな答えを求めているのかな?」
「俺が求めているのはいつだって事実のみだ」
「へぇ君は嘘が嫌いみたいだね」
「嘘を好きな人間の気持ちは一生理解できないな」
「わたくしたちは交われない人間性を持っているようですわねでも生徒会メンバーとして支え合いましょうね」
「はっまあな」
「ではさようならです」
そういって生徒会室から柊結香は出ていく
これが謎で彩られた女の柊結香との出会いだった
そのあと高橋恵は口にする
「なあ僕は懐かしく感じると思うんだ僕たちが出会ったあの頃が柊を見ていたら」
「どこがだ高橋恵きみは柊結香みたいなヤバそうな雰囲気をだしてなかっただろ」
「ええそう評価してくれていたんだ嬉しいです」
「別に思ったことを口にしているだけだ」
「なら嘘じゃないってことですよねならもっと嬉しいです」
「そうか……そろそろ帰るか」
「少しだけ話したいことがあるのですがよろしいですか?」
「良いがどうした」
「いえ思い出話をしたいだけですよ」
「思い出話って俺がきみと出会ったときの事か」
「ああ話そうよ僕たちだけの物語懐かしいでしょ」
「まあ懐かしいな」
「そうだこれを思い出しているかい?」
高橋恵はトロフィーを持ってくる
そのトロフィーには高橋恵の名前が刻まれていた
今明かされる高橋恵との出会い
忘れてしまってはいけない大切な記憶
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