裸の二人

俺は気絶した高橋恵をお姫様抱っこしたまま生徒会室まで走っていた


高橋恵のきれいな黒くて短い髪が少しだけ風で揺れる


俺は裸で身軽な気持ち


高橋恵は気絶しているから抱えてあげなくちゃいけない


高橋恵のおっぱいが少しだけ揺れる


俺が興奮するわけにはいかない


だって今はバレてしまったらヤバイから


そんなことを気にしている暇があるなら足のスピードをあげる


四階の生徒会室にようやくつく


生徒会室の扉を開ける


誰にも見られずにすんで良かったそう思い俺は扉を閉めて鍵をつける


両腕がさすがにしびれてきたので高橋恵を椅子に寝かせる


一仕事終えた気分になっていたから生徒会室には誰もいないと思っていた


「わたくしがいることを気づいていらっしゃらないみたいですが」


「……えっ」


驚いて声がする方を見ると金色の長い髪が夕焼けに揺れていた


今は七月の午後五時少しだけ明るいぐらいである


「えっとなにかご用ですか」


「いえ生徒会の会計がまだ決まっていないと聞きましてわたくしやりたいと思ったのですが」


これ完全に俺たちのせいで生徒会に入りたくないと思われてしまうかも


裸の生徒会メンバーなんておかしな集団としか思えない


俺だったらまず逃げ出す


俺は慌てて言い訳じみたことを言うのだがその姿を見て彼女は笑う


「うふふ面白い方ですわねでも分かっていますわ」


「あははそういってもらえたらまだ嬉しいよそれで書いてもらいたい書類があるんだけど」


出来るだけ裸でいることを気にされたくなくていつもどおり生徒会としての仕事を行う


そして、ようやく生徒会の会計になる手続きがすんだあたりで自己紹介をする


「こんな形になってしまったが俺の名前は山田太郎よろしくな」


「わたくしの名前は柊 結香(ひいらぎ ゆいか)ですわよろしくお願い致しますわ」


「そういえばなんで生徒会室にいたんだ」


「生徒会の会計をやりたくてでも生徒会メンバーがいなかったので待っていたのですわ」


「めちゃくちゃ分かりやすい理由だな」


「それにしても噂の露出狂の女の子ってなんだか高橋様に似てますわね」


露出狂のこと噂になっているんだな


このままだとバレかねないからどうにかして誤魔化さないと


そんなことを考えていると高橋恵が目を覚まして俺と柊結香の両方を交互に見つめる


数秒かはたまた数分かどれぐらい時間がたったか分からないぐらい時間がたってから状況を理解したみたい


「わたしはね高橋恵の従姉妹の高橋 燐火(たかはし りんか)ですわ」


一人称も僕からわたしに変えているみたいだ

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