乙女の恥じらいとか‥‥倫理とか‥‥?

 じつのところ、フェイトは、バイオニック『いわゆるサイボーグ』です。



 また、彼女かのじょは、身体からだ女性じょせいがたで、性格せいかく男性だんせいてきなのです。

 いま、フェイトは、王都おうと噴水ふんすい広場ひろばで、ベンチに『全裸ぜんら』ですわっていました。


 彼女の外見がいけんは、頭部とうぶ胴部どうぶは、人間にんげん女性とおなじで、恥毛ちもうまでもがえています。

 さらに、下腹部かふくぶには、セクシーピンクいろ淫紋いんもんがあります。しかも、体毛たいもうの『お手入ていれ』は、淫紋の見栄みばえを基準きじゅんにしていました。


 しかしながら、フェイトの腕脚わんきゃくは、半分はんぶんだけ生身なまみに見える『機械きかい』です。しかも、機械にくわしいかたには、判別はんべつ出来できますが‥‥その腕脚は、ロックを解除かいじょすれば、はずせる仕様しようっています。

 そのためか、彼女は、自律じりつ型のアクション・ラブドール『大人おとな玩具おもちゃ』にえました。



 不意ふいに、フェイトのサーポート・システム『真愛まりあ』が、怒鳴どならします。


如何どうして、あんなことや、あんな事をしたぁーっ!』


 乙女おとめタイプの音声おんせいが、ひびわたりました。


おれは、娼婦しょうふのアミュレットの影響えいきょうけた、システム・ビーイングだ。

 性的せいてき交接こうせつで、自己じこ進化しんかこころみるのは、存在そんざい理由りゆうにもひとしい」


『アンタなんて、削除さくじょしてやる!』

無駄むだだ。おれたちは、俺が優位ゆういなデュアル・システムだからな」


 フェイトの断言だんげんで、空中くうちゅう表示ひょうじされたウインドウのなかで、真愛のアバター(これまた全裸)が、くやしそうにしていました。



かく昨夜さくや実験じっけんで、わかった事は‥‥

 まず、俺たちは、技能スキル適性マスタリーを、共有きょうゆうしている事だな」


『それ‥‥確認かくにんするために、よるの広場で、堂々どうどうと‥‥

 わたし肉体にくたいほうで、バイブ使つかったよね!』


「ああ、名器めいきスキルとやらを、げてみようとおもって‥‥

 ――べつに、破瓜はか‥‥ヒーメン伝説でんせつなんてデタラメだから、かまわないだろう?

 結果けっか、俺の身体では、適性てきせいしか上がらないが、おまえの肉体には制限せいげんい事が判った」


『肉体を支配しはいされて、あの間中あいだじゅう‥‥どれだけ、ずかしかったか!』


いじゃないか?

 ついでに、アナル技能ぎのうと適性も、上げてやったんだからな」


くないっ!』


 フェイトと真愛のウインドウしの漫才まんざいに、通行人つうこうにんたちが苦笑くしょうしていました。

 ちなみに、バイブとアナル専用せんようバイブは、きゅうインベントリないりました。真愛が、性欲せいよく解消かいしょうに使っていたもの学校がっこうよう)でした。


 ちなみに、どちらのバイブも、百合ゆりのある女教師おんなきょうしからのプレゼントです。ただし、真愛の百合経験けいけんは、フレンチキスまでです。



『はあ‥‥私の処女しょじょ喪失そうしつが、ちかいかも‥‥』


「それは、無い!

 ――お前の処女をまもることが、俺の存在理由の『ひとつ』だからだ。

 だから、お前は、未来みらい永劫えいごう『処女』のままだ」


かった‥‥永遠えいえんに、おとこどもに、びなくてむのね♡』


「媚び方の適性は‥‥俺のがわで、カンストさせるけどな‥‥」


 フェイトの言葉ことばに、真愛が『むっ!』としていました。



 しばらくして、フェイトが、ち上がりました。


「さて、そろそろ‥‥娼館しょうかんで、はたらく事にするか‥‥」


『なっ‥‥アンタがエロすると、VRバーチャルで「られてる」感触かんしょくが、つたわってるのよ!』


るか!」

『知れっ!』



 フェイトは、全裸のまま、繁華街はんかがいの娼館にかいました。

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