おいしいの

好きな食べ物を聞かれたときに、「おいしいの」とだけ答える人がいた。


子どもをイメージしただろうか。

大人がそんなことを言うと少し怖さもあるが、その無邪気さに心打たれた。


動物の行動の愛らしさにも、同じようなものを感じる。


僕も本当は、もっと素直に、純粋無垢に生きたいと願っているのかもしれない。

常識に縛られ、苦しむことがあるが、常識に縛られ、安心することもある。


ふとした瞬間に、非常識な思いが湧いてきて、自分が反社会的な人間であると感じることがある。

しかし、その感情こそが、実は僕が心からやりたいことなのかもしれない。


僕のことなのに、僕は僕のことを全然わかってあげられていない。

違った考えを持つ人格を、統括する人格が必要だ。



雄弁は銀、沈黙は金。

しない善より、する偽善。


どちらも正しい気がするし、どちらも違う気がする。


もう分からない。

みんなはどう折り合いをつけているのだろうか。

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