第40話 ペーターいたの?

アンは洋服に着替えて降りてきました。


そーしーて、、、。

「んまあ!なんて事!

ロッテンマイヤーさん!溶けたチーズを頭に乗せてるのは何の料理なんですの?

私が生まれてから、そんな料理方法はみた事がありませんわ。教えて下らない?」アン


アンは髪の毛の色のような燃え上がるような真っ赤な顔でプンスカプンに怒りまくっています。


「アン、それより、ロッテンマイヤーさんを助けてあげよう。

さぁ、ロッテンマイヤーさん、私の腕につかまって下さい。外の水桶で冷やしましょう。」

ハンス


ハンスさんはロッテンマイヤーさんを連れて

水場に連れて行き、優しくアルムの冷たい水を

かけました。

すると、チーズは冷えて固まり、ポロポロリンと剥がれ落ちました。


「ハンスさん、感謝致しますわ。

あたくし、、。ダメですわね、、。

フランクフルトのお屋敷では、家事はチネッテにやらせていて、文句ばかり言ってましたの。

こんな簡単な事が出来ないの!なんて言ってましたの。恥ずかしいですわ、、。」ロッテンマイヤー


「いや、ロッテンマイヤーさん、それに気がつくって素晴らしいですよ。

やってみたら、わかる事は沢山あるんですよね。

それより、タオルで顔を冷やした方がいい。」

ハンス

ハンスさんは、後ろから濡らしたタオルを渡しました。

こうして、ロッテンマイヤーさんはハンスさんに支えてもらいながらタオルを顔に当てて

家の中に戻りました。


「ロッテンマイヤーさん!!

一体何をやらかしたら、こんな台所になるのですか?」アン


「アン、、、。やめなさい。

ロッテンマイヤーさんは君を起こしても起きなかったから病気ではないかと心配してたんだよ。

だからね、君の代わりに食事の準備をしてくれたんだよ。

アン、君は少し、言葉に気を遣った方がいいね。」ハンス


アンは穏やかなハンスさんが真面目に話すのを聞いて、はっとしました。

そうだわ、、、。マリラに叱られても、それは愛が感じられたもの。

私はロッテンマイヤーさんにそんな気持ちで

言ってない、、。


「ロッテンマイヤーさん、ごめんなさい。

私が病気だと心配してくださったのに、、。

昨日の夜、なかなか寝つかれなくて、寝坊してしまいました。

反省致しますわ。」アン

アンの良い所は、自分を振り返って、それが謝りなら正すことができる事です。

ギルバートとは意地の張り合いのまんまですが。


「ロッテンマイヤーさん、チーズで火傷されたんじゃありません?

私に見せてくださらないかしら?

ハイジ、綺麗なお水と洗濯したタオルをお願いね。」アン


「わかったわ、アン!

ところでアン、ベンベンショーの病気じゃないの?」ハイジ


「あはははーー。

ハイジ、心配しなくていいよ。

アンは病気じゃないんだ。ただ、疲れて寝てただけだよ。さぁ、水をくみにいこう。」ハンス


「よかったわー、わーい、わーい!

アンは病気じゃないのー!」ハイジ

ハイジは水を手ですくうとあちこちに

掛けました。

ハンスさんはモロにかかって、水も滴る良い男になりました。


ロッテンマイヤーさんの顔は高温のとろけたチーズが張りついたせいで、赤く腫れあがって

いました。

日本で言うならお岩さんです。

さすがのアンもこれ程の火傷は何ともできそうにありません。

みんなは無口になってしまいました。


そこへ

「みんなーー!お医者様を連れてきたよー!

アンは大丈夫かぁーっ!」ペーター


「お医者様ですって!なんて幸運なんでしょう。ああ、神様、お救いくださったのですね。

ありがとうございます。」アン


そーでした、みんなはすっかり忘れてました。

ペーターのことを。

ペーターはいつも、存在感が、、。


さてさて、これからどうなりますやら。

それは次回のお話です。





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