第38話 アン病気になる?ほんと?

「アン、アンったら、起きてよ。

朝よ。もう、、。起きないわね。」ハイジ


「アーデルハイト、どうしたのですか?」

ロッテンマイヤー


「あ、ロッテンマイヤーさん。アンが起きないんです。どうしたのかしら?」ハイジ


「なんですってぇーーーっ!

もしかしたら、悪い病気かもしれませんわ!

アーデルハイト、近づいはいけません!!」

ロッテンマイヤー


ロッテンマイヤーさんは口元をハンカチで隠して、そうっとアンのことを観察しました。


「かっかおに、、。

斑点がでていますよ、これは、ペスト?

猩紅熱?

うむ、心無し、顔も赤いですわ。

アーデルハイド、とにかく、隔離です。

ええ、そうですとも。

ささ、私達は下のみなさんに知らせましょう。」ロッテンマイヤー


ハイジは下に降りると、大きな声でいいました。

「あのねー、アンはベズドンでオネショして

大変なのよ、大変なのー!」ハイジ


「なんだって?ハイジ、落ち着いて。

アンがどうしたんだい?」ハンス


「アーデルハイド、、、。

あたくしから、お話します。これは深刻な事態ですから。

アンさんはペストか猩紅熱に罹っておられますわ。あたくし、習ったことがありますの。

顔が赤くて斑点が出てますの、ぐったりして

声をかけても返事もできませんのよ。

危険なんですよ、死に至る病ですし、うつりますから。」ロッテンマイヤー


「なんですって!それは、大変だ!

お医者様に見てもらう必要があるね。

ハイジ、ペーター、お医者様はいるかい?」

ハンス


「いるよ、下の村まで行けば。

アン、病気なのかい?なら、僕、お医者を呼んでくるよ!」ペーター


「頼むよ、、。

とりあえず、私がアンの様子を見てくるから。みんなは寝巻きなんかはお湯で煮よう。

朝ご飯はロッテンマイヤーさん、ハイジ頼むよ。」ハンス


ペーターにはパンと干し肉を持たせて、村まで

走ってもらいました。


「さあ、アーデルハイド、朝食の準備を致しましょう!!

パンを切り分けてチーズも切り分けて、

ミルク、、、。」ロッテンマイヤー


「だいじょうぶよ、ヤギのお乳は絞ってくるから。それより、、ロッテンマイヤーさん大丈夫?」ハイジ


「大丈夫ですとも。アンさんにそれはきつーく

教えていただきましたもの。

パンやチーズを切り分けるくらいはできますわ。とろーりチーズもやれますわ。」

ロッテンマヤー


ハイジは少し心配でしたが、もう、何日もアンからバッシバッシに仕込まれてるのを見てたし、パンやチーズくらい切り分けるのは

ハイジだってできるからとヤギのお乳を絞っていました。


どんがらがんがすん!

「ぎゃーーっ!!」

ものすごい何かが落ちた音と叫び声が

しました。


「え、なんだろう?ロッテンマイヤーさん?」

ハイジ


ハイジは嫌な予感がしたので急いでお乳の桶をうんこらしょと持ちながら小屋に入りました。


そこには、ぶかっこうに切り分けられた

パンや食器やら鍋やらが散乱していました。


何より、、、。

とろーり溶けたチーズを頭から垂らして

「あっついですわー!助けてー!」と

叫んでいるロッテンマイヤーさんを見たハイジは見なかったことにした方がいいのか?

助けた方がいいのか?

さすがに天然なハイジも困るロッテンマイヤーさんの姿でした。


ロッテンマイヤーさんは家事と仲良くなれる

日は来るのでしょうか?





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