第34話 アンの悪巧み

ハンスさんはロッテンマイヤーさんに言いました。

「ロッテンマイヤーさん、おじいさんがいなくなった今、大人は私達だけです。

お互いに協力しあって子供達を見守りましょう。」

ハンスさんはロッテンマイヤーさんの手を力強く握りました。


アンは見逃しませんでした。

(やっぱり、、。これはテントの中を探索しなければいけないわ。こんな怪しい大人なんて

信じてはいけないわ。私の経験では、そうなのだから。)


「ハンスさん、テントで寝るのはやめて

おじいさんのベットで寝てはいかがですか?

家の中は女と子供だけですもの。

怖いですわ。是非、そうなさってください。

お願いですわ。」アン


アンはおじいさんのベットでハンスさんが眠ったら、コッソリとテントを探索しようと

目論んでいたのでした。


「そうだね、確かに、何かあったら直ぐにわかる方がいいね。アン、君は良く気がつくいい子だね。」ハンス


「えー、じゃあさ、僕は何処で寝るんだい?」

ペーター


「ペーターさんはヨーゼフの使ってた敷物で寝ればいいんじゃないかしら?」アン


「ヨーゼフの寝てたところかい??

それは酷いよう。こんな床で寝られやしないよ。」ペーター


「そうですわ、アンさん、床に寝るのは獣ですわ。ペーターさんはあれでも人ですからね。

それはいけません。」ロッテンマイヤー


「そうだ!ペーター君は男の子だろう?

なら、ひとりでも大丈夫だよな?

僕のテントで寝るといい。そうしよう。」

ハンス


「いいの!嬉しいなぁ。だってさ、僕テントなんかで寝た事無いもんなぁ。

ありがとう、ハンスさん。」ペーター


アンは自分の目論みが外れたことに癇癪を起こしそうになりましたが、ペーターはきっと

ぐっすり寝るだろうし、鈍感だから忍び込んでも気がつかないだろうと思い直しました。


「ただいまーーー!!

おじいさんもヨーゼフも元気だったわ。

ペーターったら大袈裟なんだから。

ペーターの家っていいみたい、ありがとう

ペーター。」ハイジ


と言う訳で夜も更けて、みんながぐっすりと眠り込んだ時、、。


ひとり、むっくりと起き出した人がいました。

そうです、アンです。

アンは蝋燭を持って、抜き足差し足忍び足で

階段を降り、ハンスさんのテントに向かったのでした。


さてさて、どうなりますでしょうか?

それは次回のお話です。

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