第33話 ハンスさんはロマンス詐欺師?

と言うことで、ハイジの家にはおじいさんと言う重鎮がいなくなりました。

この話に小躍して喜んだのはアンでした。

アンの仕切り屋の性格が鳴門のウズのように

渦巻いてしまいました。


「そう、おじいさんもお疲れ様なんだわ。

夏って疲れるものですもの。

それに、おじいさんに面倒をかけてばかりの

人がここにいますものね。」アン

アンは意地悪っぽく言ってロッテんイヤーさんを見ました。


「面倒をかけてる人?それってアンのこと?」

ハイジ


「え、ええっ!違うでしょう!私は何でもきちんとやって見せてるでしょう?」アン


アンのこの問いかけには皆んなはびっくりした様子です。

その時です、空気が読めそで読めないペーターが

珍しくまともに話し出しました。


「あのさ、アンってさ、おっかしいよな。

いつも変な作り話か本当なのかわかんない

事をうるさいってくらい喋るもんな。

僕、頭がこんがらがるんだよな。」ペーター


しぃぃ〜〜ん。うげっ、なんてズバリ確信をつくんだペーター。

この状況を何とかするのは大人の役目だとハンスさんは決意しました。


「うん。それは、たぶんね、アンは想像力が豊かなんだね。ただ、時々そっちの方へのめり込んでしまうんだろうね。

想像力が豊かなのは素敵な事だけどね。

(まあ、アンの場合は太陽系を超えてるんだよな)

アン、それとね、私の気のせいかも知れないけれど、少しばかりロッテンマイヤーさんに

キツくないかい?」ハンスさん


「あ、、。あたくしね、アンさんに言われますとね、アーデルハイドに同じ事をしてきたのだわと考えさせられますの。

それで、これは因果応報だと思っておりますのよ。くすん、、。」ロッテンマイヤー


「ロッテンマイヤーさん、そうやって過去の自分の過ちを認めていけるってトレビアンですよ。私はとても素敵な女性とお知り合いになれて喜んでいますよ。」ハンスさん


「まあ、ハンス様ったら、、。

殿方にお褒め頂くのは恥ずかしいですわね。」

ロッテンマイヤー


その様子を見ていたアンは、ううむ。

ハンスさんはもしかしてロマンス詐欺なんじゃないだろうかと疑い始めました。

おじいさんもヨーゼフもいない、これは

私がしっかりしなければ。

アンはペーターの訴えなんか聞いてませんでした。

まずは、ハンスさんのテントを調べる必要がありそうね。

ロッテンマイヤーさんの独身でこつこつ貯めた老後の蓄えを取られちゃいけないもの。


「な、ほら、またアンぼんやりしてるだろ?

ああ言う時ってさ、おかしな事を考えてんだよな。そのせいでヨーゼフもオンジも病気になってんだよ。」ペーター


「ペーター!おじいさんやヨーゼフは病気なの?全然しらなかったわ。

大丈夫かしら。

おじーーさーーーん!

ヨーゼーフーー!」ハイジ


ハイジは叫びながらペーターの家の方へゴロゴ、ゴローーっとすっ転がって行ってしまいました。

ハンスさんは、しまった!もう一人予測不能な子がいたと思いました。


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