第31話 ハイジっていい子だよね

ハイジやアン達も上から降りてきました。


「あ、おかえりなさいませ。みなさん。」

ロッテンマイヤー


「ロッテンマイヤーさん!お洗濯できました?」アン


ロッテンマイヤーさんは自信満々に雑巾化したシーツを指さしました。

アンは指先の方を見ると、顔が真っ赤になり

両耳からプシューーと湯気が噴き出るくらいになりました。


「ロッテンマイヤーさん!あれはなんですか?

まさか、あれがシーツだなんて仰らないですわよね!!どう見たって、雑巾をつかいまくり

捨てる寸前の布っきれにしか見えません!!

まだ、新しかったシーツをあんな風にするなんて!!」アン


ハイジとペーターはヤギを小屋に入れたりしてて全然気がつきません。


「わっはははーーー。こんな面白い事って

あるんですね。しかしさ、アン、ロッテンマイヤーさんって凄いと思わないかい?

新しいシーツをあそこまで洗濯でしてしまうってさ。あはははー。ダメだ、お腹が痛いよ。

ひーっ、あはははーー。」ハンス


アンはこのクソおっさん、何か笑えるんだと思いました。

あれだけ、一生懸命に洗濯のやり方をメモしたのに、私の努力は何だったのよ!

アンの怒りはますます燃え上がりました。


その余りの勢いにロッテンマイヤーさんは

ショックを受けました。

あたくしの人生でこれまで、こんな罵倒されたことなどありませんでしたわ。

あたくし、そーーんなに失敗したの??

ロッテンマイヤワーさんは悲しくなり

ハンカチで目頭を押さえました。


「ロッテンマイヤーさん、失礼しました。

大丈夫ですよ。なにせ、初めての洗濯だったんでしょう?誰でも失敗はするものです。

気にすることはありませんよ。

アン、君だって失敗してきだろう?

人はね失敗しながら学ぶ事があるんだよ。

賢い君ならわかるだろう?」ハンス


アンもハンスさんの言ってることはわかりました。が、アンの意地っ張りな性格がそれを認める事ができなかったのでした。


「ねぇーー。みんな、どうしたの?そんな怖い顔して?」ハイジ


「ハイジ、あれを見てちょうだい。」アン


「えーーっ?なんなの?アレ?

あー、あれね、何処かのゴミ捨て場に捨ててあったボロボロ雑巾が風で飛んできて引っかかったんだーー!

すごいわー、すごいわー。もしかしたら、

アボンリーからかも?うわー!アボリンリーだ!アボンリーだ!」ハイジ


ハイジはボロ雑巾シーツの周りをヨーゼフの代わりに四つ這いになって走り回りました。


アン、ロッテンマイヤーさん、ハンスさんは

良かった、ハイジが天然ちゃんで感謝しました。

ハイジのおかげでこの沼からから抜け出せそう

だと思いました。








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