第30話 オンジついに泣いちゃう

一番に山から降りてきたのはおじいさんでした。

「おじいさま、お疲れ様でございます。

あたくしもシーツの洗濯をしましたの。

ああ、汗をかいて働くって気持ちいいものですわね。」ロッテンマイヤー


ロッテンマイヤーさんは大得意顔で言いました。

おじいさんは、確か、シーツを洗ってくれるはずだったが、どこに干してあるんだろ?

と洗濯物を干すロープを見ました。

そこには、まだらに黒くなったスダボロの布が

広げても無しに塊りのままぶら下がっていました。


「んんっ、、、。

あのうですな、ロッテンマイヤーさん、あそこに垂れ下がって雫がポタポタと落ちている

あれがシーツですかな?」オンジ


「ええ、そうですわ。おじいさま、シーツはかなり汚れてましたのよ。あたくし、びっくりしましたの。おまけにあちこち破れていますし。

いくら、お金が無いからって、もう、新しいのをお買いになった方が宜しいと思いますわ。」

ロッテンマイヤー


おじいさんは

(びっくりしたのはこっちじゃ。

あれは、アンやロッテンマイヤーさんが来るからと新調したばかりなんじゃぞ!

チーズや木彫りの家具をどけだけ作ったと

思うんだーーーーーっ!!)

と叫びくなりました。


おじいさんは走り出しました。

目にはうっすら涙が滲んでいました。

「ヨーゼフーーーーーっ!!」

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