第29話 ロッテンマイヤー流洗濯
そんな話が展開されていた頃。
ロッテンマイヤーさんは、アンの残してくれたメモを読んでいました。
「シーツの洗濯のやり方
大きな木桶に水を入れて、シーツを入れる
洗濯板と固形石鹸でごしごしと洗う。
それが終わったら、物干し竿にシーツを
干してください。」
「えー、まず大きな木桶のタライはどこかしら??
あ、外にありそうね。アレだわ。アンさんが
桶、石鹸、板を準備してくれますわ。
本当に気配りできるわね。」
ロッテマイヤーさんは洗濯のタライを水場の近くに運べば楽なのに、離れたところへ
タライを置いたので、なん往復も水桶に
水をたっぷり入れて運んだのです。
タライが水で満たされた時には、腕はぱんぱんで動かせなくなってしまいました。
「困りましたわ、、。
腕が痺れて動かせませんわ。これではシーツを洗えませんわね、、。」ロッテンマイヤー
困り果てていたら、たまたまたまたま、
荷物を乗っけている牛車が通りました。
「おはよー。オンジのところの別嬪さん!」
おじさんはロッテンマイヤーさんに声を掛けました。
「やですわ。別嬪さんだなんてぇーーーっ。」
ロッテンマイヤーさんは言われた事がなかったよで顔がまっかっかになりました。
「あははは。赤くなるとこなんてうぶだねぇ。
ところで洗濯かい?」
「あ、はい。そーですの。
あたくし、力仕事になれておりませんの。
タライに水を運ぶだけで腕がもう痺れて、、。」
「そうかい。うちのカミさんは、シーツを洗う時はこうやって足でね、踏んでもんでるよ。
そうしたらいいよ。」
「んまあ!そんな方法があるのですか?
やってみますわ。ありがとうございます。」
おじさんが去ったあと、ロッテンマイヤーさんは、なるほどね、足で踏んづけるのねと
こわごわやり始めました。
いざ、踏んづけると楽しくなってきました。
鼻歌まで飛び出して、、、。
「あれ?おかしいですわ。
シーツが真っ黒になってきましたわね。
ああ、汚れが出てきたんですわね。
それにしても汚れていること。」
ロッテンマイヤーさんはシーツを踏み続けました。
靴をはいたまんま。
そして、
「このシーツはこれ以上は綺麗になりそうもありませんわ、、。
もう、諦めて干しましょう。」
ロッテンマイヤーさんはシーツを絞らずにびしゃびしゃのまんまロープに掛けました。
「あら?このシーツはこんなに穴だらけでしたっけ?
まあ、おじいさまも貧乏そうだから仕方ありませんわね。」
そう言って、スダボロの靴墨で汚れまくったシーツを満足そうに干しました。
「あー、からだを使って働くって気持ちのいいものですわね。」
あの、ロッテンマイヤーさん、これって
絶対にアンが癇癪起こすと思いますよ。
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