第26話 ハンスさんを深掘りするアン
おじいさんは眠れませんでした。
カイエンペッパーの塊を食べて、水やミルクをがぶ飲みしたので、夜間頻尿になって何回もトイレに行く羽目になったからです。
胃は益々、キリキリしています。
おじいさんは少し痩せてきたようです。
「おはよーございます!おじいさん!」
アン
「おはようございます。今日も気持ちの良い朝ですわね。おほほ。」ロッテンマイヤー
「おはよーーっ!
私、ヤギのお乳をしぼったわ。飲む??」
ハイジ
「おはよう、みんな。
悪いが、朝ご飯はやめておこう。昨日の夜食べ過ぎたようだ。」オンジ
「えーっ!そうなの?
じゃあ、ハンスさんに飲んでもらおー。」ハイジ
ハンスさんは新鮮なヤギのミルクを飲みながら
遠くを見ているようでした。
アンはそれを見ていました。
(ハンスさんには、秘密があるわ。これは、
私の洞察力から間違いないわ。
これは、知っておく必要があるわ。マリラなら
ひとんちの事をあれこれ覗き見するのは良く無いよって言うだろうけど。
いいわ、マリラいないし。)
ハンスさんはペーター達と山の上に行きたいと言って、支度をしています。
アンは
(チャンスだわ。今日は一緒に山に行かなきゃ。
家事はロッテンマイヤーさんに丸投げすればいいわ。メモに掃除と洗濯の仕方を書いて渡しておきましょ。うふふ、あーー楽しみーー。)
と言う訳で、ロッテンマイヤーさんはひとり留守番です。
アンは歩きながらピタリとハンスさんに
張り付きました。
「ハンスさん、お年はおいくつくらいですの?
深い意味はありませんの。
女性に年齢を尋ねるのは失礼な事だと思っていますわ。でも、男性ならいいんじゃないかと。
できれば、せっかくお知り合いになれたんですもの、お互いを知り合うって素敵な事じゃありませんこと?」アン
「あははは。アン、君って面白いね。
いいですよ、僕の自己紹介をしましょう。
歳は35歳。彼女も奥さんもいません。
あ、勿論、子供もね。
前にも話たけど、フランクフルトに住んでるんだ。そこで弁護士をしているんだよ。
会社の専属なんだ。
好きな食べ物はジャーマンポテトとザワークラウト。
あとは、、、。そうだね、エンガディーナ。
あれは思い出の味だね。」ハンス
ハンスさんは山に目をやり、何かを思い出しているようでした。
(エンガディーナ??それって、スイスのパイのお菓子じゃない?中にはナッツが沢山入ってるのよ、確かにそうよ。
私、ここに来る前に図書室でスイスについて
調べたんだもの、間違いないわ!
怪しいわ。なんだか、スイスにヒントがありそうね。ロッテンマイヤーさんの服もスイスの
物だし。見つめる目が誰かを投影しているよつだったもの。
投影、素敵な言葉ね。もし、そうだったとしたら誰なのかしら、、。
知りたい、何としても、、。)
「ハンスさんは女性とお付き合いされた事はありませんの?
ほら、私みたいな年齢の女の子って恋に憧れてるもんなんです。
ああ、教えて下さらないかしら。私、恋バナが
聞きたいですわ。」アン
アン、絶対にマリラに叱られると思うよ。
それ。
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