第25話 カイエンペッパーは辛くないの?

ハイジは新しいお客さんを大歓迎です。

得意の内村選手ばりの連続側転技を

ご披露しました。


おじいさんは、諦めるしかないと決心しました。

そして、テントを張るのに最適な場所を教えてあげました。

手慣れた様子でハンスさんはあっと言う間にテントを張り終わりました。


「ねえ、おじいさん!ご飯は一緒でいいわよね。みんなで食べた方が美味しいもの!

アンがジャガイモのミートパイを作ったんだって!ロッテンマイヤーさんも手伝ったんだって!」ハイジ


おじいさんは、なに!ロッテンマイヤーさんも手伝ったのかーーっ!!

なんて恐ろしい、、。

と背中に悪寒が走りました。


「さあ、いただきましょう。

出来映えはいいと思うわ。あとは味ね。

これも、ちゃんとロッテンマイヤーさんに

説明したから大丈夫よ。」アン


何?ロッテンマイヤーさんが味付けをした?

これは、とんでもないんじゃないだろうか。

おじいさんのフォークを持つ手は小刻みに震えています。


「ここは、やはり一家の主であるおじいさまに

味見をお願いしたいですわ。」ロッテンマイヤー


ええ!こんな時ばっか、主とか言われちゃうのかーーっ!!

おじいさんは困りました。

「いや、うむ。

お客人に譲りましょう。歓迎会ですからな。」

オンジ

おじいさんは、我ながら上手く逃げられたと思いました。


「そうですわね。確かに。

では、ハンスさんからどうぞ。」ロッテンマイヤー


「いやぁー、嬉しいですね。

私、じゃがいものミートパイは好物なんです。

あー、良い香りがする。では頂きます。」ハンス


おじいさんは食い入る様にハンスさんを見ました。

ハンスさんは顔いろひとつ変えずに食べています。おじいさんはほっとしました。

なーんだ、おかしな物ではなさそうだな。


「うん、ではわしも頂こう。」オンジ

おじいさんは、安心しきって大きな口で

ぱくり。

もぐもぐ、、、。

ううっーー。かっからーーーいーー!!

ごほっごほほほーーっ。みっみずー。

ぐぇーーーーっ!!ミルク、ミルクだー!


おじいさんは、ポットの水を空にしても

舌が痺れているので、ミルクまで飲みました。


「どーしたの?おじいさん、そんなに、水やミルクを飲んで大丈夫?」ハイジ


「うむ、少々辛かったですな。ロッテンマイヤーさん。これは、子供の口にはきついでしょう。」オンジ


「ええっ?あたくし、間違えてしまいましたかしら?食べてみますね。

確かにピリ辛ですけど、美味しいと思いますわ。」ロッテンマイヤー


「私もそう思うわ。インド人の作るカレーに比べたらなんて事はないわ。」アン


「いや、スイスではこのような味付けは

無いものですから。

なぁ、ハイジ、お前もたべられ、、、。」オンジ


ハイジは普通に食べていました。

 

何故なんじゃー!わしばかりーー!


ミートパイのお肉を炒めた時にハンスさんが

持っていたカイエンペッパーを使ったのです。

ロッテンマイヤーさんは、適当にペッパーを振ったので塊で入ってるところがあったのです。

それが、、。

おじいさんに大当たりしたのでした。


「ハイジも何とも無いのに、おじいさまは

赤ちゃんみたいな舌ね。

だからミルクをお飲みになったのね。

ふふ。」アン


「えっ?おじいさん、赤ちゃんなの??

へんなのーー。ぜったい変だわー。

あはははーー。」ハイジ


おじいさんは、初対面のお客さんの前で

赤ちゃん呼ばわりされて、プライドは

ズタボロでした。


その夜、みんなが寝静まるとおじいさんは

ペーターのところに行き、ヨーゼフを呼び出しました。


ヨーゼフはだからー、おじいさん、早く帰ってもらいましょうよ。

太刀打ち出来やしませんぜ、、。と助言しました。


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