第24話 おじいさんは絶体絶命
ハイジの山小屋に到着しました。
「なんて、美しいんだ!彼女が話していたとおりだ。」ハンス
ハンスさんは、聳え立つアルムの山峰を
見つめていました。
その姿は少し寂しげでした。
アンは見逃しませんでした。
(今、確かに彼女と言ったわ。ハンスさんには
恋人があるわけね。
話してたと過去形なのは、、。
恋人と別れたのかしら?その傷心の旅に
ここに来たのかしら?
私の好奇心が止められないわー。)アン
「とりあえず、荷物は置いて、中で紅茶とマリラのジンジャークッキーでも頂きましょうよ。」アン
「ええ、そうしましょう、、、。
山道は慣れませんわ。あたくし、へとへとです。」ロッテンマイヤー
「大丈夫ですか?ロッテンマイヤーさん、
どうぞ、手を。」ハンス
ロッテンマイヤーさんは衝撃波を受けたみたいにびよよよーんとなりました。
なんせ、男の人にエスコートしてもらった事がないんですもん。
「ロッテンマイヤーさん!こんな所で倒れても
困りますわ。おじいさんもいないし。
ハンスさんのご好意に甘えてくださらない?」アン
ロッテンマイヤーさんはそれもそうだわ。
ここに来てからぶっ倒れては迷惑の掛け通し。
ここは、ハンスさんのお気持ちに甘えましょうと決めました。
手を繋いだハンスさんは、ロッテンマイヤーさんの服を懐かしそうに見ました。
三人で紅茶とジンジャークッキーを味わっていますとおじいさんが帰って来ました。
おじいさんは、知らない男の人がいるのを見て、もしかして、またしても、きっとだ。
めんどくさい人間が一人増えるんだろうと
思いました。
「おじいさん、あのね、ハンスさんって方なんです。絵を描きに来たんだそうなの。
この家の外でテントを張っていいかしら?
この山に思い出がお有りになるみたいですの。
どうか、おじいさんに慈悲のお気持ちが
あることを願います。」アン
おじいさんは、どーして、こーいちいち
芝居っ気があるんだろうか。アンにウンザリしながら、どうせ、ダメと言っても、ハイジも
かわいそうとか言うだろうし、わしの意見なんぞ通りゃあせんじゃないか。といじけていました。
そこへハイジまで帰って来ました。
おじいさんは、「絶対絶命」とはこのことだと
ヨーゼフーと叫びたくなりました。
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